October 31, 2018

仮装

アバキンのザ・ヴェニューで聴いて、結構いいんじゃないかと。

活動歴は長いようだが、公式なデビューは昨年のようだ。
なんというか、若い人達にはYouTubeすら古臭く感じるメディアになってるんだなあと痛感する。
健全ではあるけれど、空気や感覚ではなく、調べないと掴めないようになってしまったのはちょっと悲しい。

それにしても驚いた。

アバキンでは数十万人が繰り返し聴いてるはずだが、YouTubeではその10分の1以下にも達してない。
テレビに出てるから凄い、YouTubeの再生回数が多いから凄い、そういうのが本当になくなってしまった。
いいね!と思っても、実際にいいね!ボタンを押す奴は限られるだろうし、大変な世の中になったものだ。

一番驚いたのは、トトロとカオナシのシールが貼ってあることだけどね。

"Down The Rabbit Hole" Chambers
London Records

そうそう、国営放送のプライムタイムのトップニュースが渋谷のハロウィーン騒動だったことにも驚いた。

世の中には、もっと報せなければならない出来事があるだろうに。

October 20, 2018

姫様

ディズニーの姫様は嘘をつかない。

どうしても嘘をつかなければならない場合は、必ず観客に対して納得できる理由が明示される。
嘘をつかなければ王子様が死んでしまう、なるほどそれは仕方がないね、君は悪くないよ、というワケである。
これがユニバーサルとかドリームワークスの姫様になると、まるで人間みたいな嘘や隠し事があったりする。

ただし、共通点もある。

Rapunzel:
   Who's that?
ラプンツェル:
   あれ誰?

Flynn:
   They don't like me.
フリン:
   あいつらオレのことが嫌いでさ。

Rapunzel:
   Who's that??
ラプンツェル:
   あれ誰??

Flynn:
   They don't like me either.
フリン:
   こいつらもオレが嫌いなんだよね。

Rapunzel:
   Who's that???
ラプンツェル:
   あれ誰???

Flynn:
   Lets just assume for the moment, that everyone here doesn't like me!
フリン:
   今ここにいる全員、オレのことが嫌いなの!

Rapunzel:
   Here!
ラプンツェル:
   持って!

Captain of the Guard:
   I've waited a long time for this.
警護隊長:
   この時を待ってたぞ。

Flynn:
   Oh mama!
   I have got to get me one of these!
フリン:
   こりゃ凄ぇ!
   こういうのはひとつ持ってるもんだな!

Maximus:
   Neigh!
マキシマス:
   ヒヒ~ン! ※当然、牡馬です。

Flynn:
   You should know that this is the strangest thing I've ever done!
フリン:
   お前こんな変なドタバタ、いくら俺でも経験ないぞ!

Frying pan:
   Clank!
フライパン:
   カン!

Flynn:
   How about two out of three ?
フリン:
   3回勝負ってのはどう?

"The Bridesmaid"
John Everett Millais, UK 1851
The Fitzwilliam Museum

それは、版権が厳しいことと、とにかく男が悪いことである。

October 7, 2018

壊戒

Thank you all for your bidding.
Four hundred million selling here at Christie’s.
And the piece is... sold!

ご入札いただき誠にありがとうございました。
クリスティーズは4億(ドル)でお売りいたします。
従いまして当作品は・・・落札です!

The Last da Vinci
Christie's

昨年11月、美術品関連のオークション史上で最高額となる作品が出た。

世界で唯一の個人所蔵品だった、ダ・ビンチの絵画「サルバトール・ムンディ」である。
クリスティーズが10%程度の手数料を取るので実売価格は4億5千万ドル、日本円で約508億円となった。
落札価格は兎も角、右から左で5千万ドルも取んのかよと思うが、管理費や保険料だけで数億円というから仕方がない。

消費税だっていずれ10%になる訳だから、似たようなもんだ。

それにしても、こういう売買の中継を見ていると見事に金銭感覚が狂う。
ギリギリで競り合うといっても、数分間で数億円単位のビットを掛け合っていくのだ。
感覚としては、缶コーヒーを買う時に100円のやつか120円のやつかで思案するような感じなのか。

おお、財布の小銭が結構あるから消費税を考えても150円のコーヒーまでいけるかも、みたいな。

ま、貧乏人は放っておいて、今年は目玉商品が、失礼、注目作品があまり出ないなと思っていたのである。
注目作品はオークション各社のプレビュー(入札予定者の下見と話題作りを兼ねた展示会)がニュースになる。
ここ最近そういうのを見かけないなあと思っていたが、とんでもないニュースが入った。

イギリス在住のストリート・アーティスト、バンクシーによるアクリル画「赤い風船に手を伸ばす少女」だ。

顔はもちろん、名前も年齢も性別も経歴も不明、複数人同時存在説まである、ゴルゴ13みたいな覆面芸術家だ。
街中の壁にゲリラ的に描く手法なので、現代版のキース・へリングみたいな位置づけなのか、結構な人気がある。
その彼(彼ら?)が、ちゃんとしたキャンバスに描いて立派な額に入れた作品、ということで話題にはなっていたらしい。

そして昨日の10月6日、サザビーズにこの「赤い風船に手を伸ばす少女」が出た。

予想落札価格は20万から30万ポンド。
開始数分で跳ね上がり、最終的な落札価格は86万ポンド、日本円で約1億3千万円となった。
そして、オークショナーが「もうありませんか? ありませんか? 落札です!」とハンマーを打ち鳴らした瞬間・・・

"Balloon Girl" Banksy
Horrified Sotheby's bidders watched as the work was destroyed,
and Banksy reacted saying "Going, going, gone"
The Daily Mirror

... Once the hammer went down on a winning bid of £860,000 - worth £1.04million when a buyer's premium was added - the piece was shredded by a mechanism hidden in the frame's base.

・・・約1億3千万円(買い手が支払う手数料を加えると約1億5千万相当)で落札された途端、額の中に隠されていた装置によって作品が裁断(シュレッダー)されてしまった。

Stunned art lovers gasped as the piece was destroyed, with parts of it emerging in strips from the frame.

芸術愛好家たちがこの破壊に愕然とする中、作品は細切れになって額から垂れ下がっていた。
6 Oct 2018
         The Daily Mirror, UK

「バンスキーの絵画『少女と風船』、100万ポンドで売却された数秒後に自滅」
2018年10月6日
         デイリー・ミラー(電子版)、イギリス

落札者に聞いたら「驚いた」って、そりゃ誰でも驚くっての!

October 4, 2018

人海

Delete.
削除。

Ignore.
無視。

Delete, delete, delete... ignore.
削除、削除、削除・・・無視。

Ignore... delete.
無視・・・削除。

Delete.
削除。

"Every minute,
500 hours of video are uploaded on YouTube,
450,000 tweets are releaced on Twitter,
2.5 million posts are made on Facebook."

「現在1分間に、
YouTubeでは500時間分の動画が投稿され、
Twitterでは45万件の呟きがあり、
Facebookでは250万件の記事が作成されている。」

"But everything that goes up... doesn't always stay up."

「しかしその全てが・・・そのままとは限らない。」

Delete.
削除。

"The Cleaners" Hans Block & Moritz Riesewieck
取材内容を考えれば大変な労作であったことは容易に想像できる。
合計7社ものプロダクションが共同制作してなんとか完成し、
それをドイツからオランダのプロダクションへ移籍させ、
やっと世界公開まで漕ぎつけたようだ。
現時点で、国内公開は未定である。
Cinematography: Max Preiss & Axel Schneppat
Gebrueder Beetz Filmproduktion / Grifa Filmes

ドイツ製作のドキュメンタリー映画で、サンダンス映画祭の上映あたりから世界的に注目されるようになった。

あらゆる「不適切な画像」や「不道徳な動画」を監視するモデレーター達の実態を取材した作品である。
先日、NHKの国際コンクール「日本賞」でも審査を通過したらしいが、そのNHKだってここまで取材できるかどうか。
共同監督のハンス・ブロックさんとモーリッツ・リーゼヴィックさんのお二人がまだ若いことにも驚いた。

世の中がAIだ自動化だと騒いでも、結局は現状、数万人という単位の人海戦術でしか対応できないらしい。

結果、時給1ドルから3ドル程度という低賃金な国の人々が日々「時計仕掛けのオレンジ」状態になる。
あらゆる暴力、あらゆる虐待、あらゆる差別をモニターで見続け、削除するかどうかを判断し続けるのだ。
出勤してから退勤するまで、ベテランのモデレーターなら1日で数万件というチェックをこなすらしい。

そして残念ながら、狂ってしまうモデレーターや、精神疾患のリミットまでギリギリというモデレーターが続出する。

数年前、米軍で盛んにドローンが導入された際に、操縦士たちが高い確率で病むことが話題になった。
それと大きく異なり、より深刻なのは、この作品に登場する人々が軍人ではなく一般人だということだ。
BBCの特集では、幼児虐待の画像やテロリストの残虐な動画などで病んでしまったモデレーターが取材に応えていた。

Facebookでは年内にモデレーターの役職を2万人まで増員するそうである。


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