February 4, 2019

幻廊

イシカワ:
 ・・・あんたはあの部屋でもう10年も暮らしてるんだよ。
 奥さんも子供もいやしない。
 あんたの頭の中にだけ存在する家族なんだ。

トグサ:
 ご覧なさい。
 あなたが同僚に見せようとした写真だ。
 誰が写ってます?

清掃局員:
 確かに写ってたんだ。
 俺の娘・・・まるで天使みたいに笑って・・・

トグサ:
 その娘さんの名前は?
 奥さんとはいつどこで知り合い、何年前に結婚しました?
 そこに写ってるのは誰と誰です?

清掃局員:
 その嘘の夢、どうやったら消せるんです?

トグサ:
 残念ながら現在の技術では・・・。
 成功が2例報告されているだけで、とてもお勧め出来ません。
 お気の毒です。

バトー:
 疑似体験も夢も、存在する情報は全て現実であり、そして幻なんだ。
 どっちにせよ、一人の人間が一生のうちに触れる情報なんて、僅かなもんさ。

素子:
 ・・・・・・

     「GHOST IN THE SHELL」(公開:1995年 / 監督:押井守 / 原作:士郎正宗) より

"GHOST IN THE SHELL" Mamoru Oshii
Shochiku Co., Ltd.

ハラウェイ:
 ・・・女の子が子育てごっこに使う人形は実際の赤ん坊の代理や練習台ではない。
 女の子は決して育児の練習をしているのでなく・・・むしろ人形遊びと実際の育児が似た様なものなのかもしれない。

トグサ:
 一体何の話をしてるんです?

ハラウェイ:
 つまり子育ては、人造人間を造ると言う古来からの夢を、一番手っ取り早く実現する方法だった。
 そういう事にならないかと言ってるのよ。

トグサ:
 子供は、人形じゃない!

バトー:
 人間と機械、生物界と無生物界を区別しなかったデカルトは、
 5歳で死んだ愛娘にそっくりの人形をフランシーヌと名付けて溺愛した。
 ・・・そんな話もあったな。
※ルネ・デカルト、フランスの哲学・数学者。
1637年の著書「方法序説」は宗教裁判によって発禁処分となったが、
同著で述べられた「我思う、故に我あり」は近代哲学の基礎となった。

     「INNOCENCE」(公開:2004年 / 監督:押井守 / 原作:士郎正宗) より

"Ghost in the Shell" Rupert Sanders
Paramount Pictures

バトー:
 どんな感じの奴です?

荒巻:
 ・・・人形みたいな奴だ。

     「GHOST IN THE SHELL」(公開:1995年 / 監督:押井守 / 原作:士郎正宗) より

どこのアイドルが人形みたいだって?

ごほん失礼、それにしてもスカーレット・ヨハンソンて美人なのに、不思議。
いつも掃除機で口元を吸われてるみたいな表情してるというか、いや失礼、自分の顔見てから言えってね。
鏡を見て、写真を見て、それが自分であるとか何であるとか認識できる動物は少ないってことですよ。

そういえばタケちゃんマンに似た奴が・・・あれは人形、いや幻、だったのかも。

February 3, 2019

暗示

こんな運命はイヤ!

なんて、若い人は何度も人生やり直しができてええですな。
でもまあ例えば、今やオンライン上に人生のほとんどを捧げて生活してる人とか普通にいてはるやんか。
ある意味、複数の人生を生きたり、人生を何度もやり直したりできる時代、なのかもしれませんな。

10年くらい前まではアホらし思てましたけど、もう明らかに、オンライン上の世界に現実が動かされてますやんか。

A song by Demi Lovato's "Confident"
"Happy Death Day" Christopher Landon
Universal Pictures

ほんで、うわ~何コレ~、言うてたんです。

そしたら途中で、ん?
主人公の女の子の彼氏の部屋に「レポマン」と「ゼイリブ」のポスターが貼ってあるやんけ。
しかもレポマンの方が上に貼ってあるとは、なかなかの趣味でんな。

今時のこういうフツ~の若い子たちが観る映画とはとても思えへんけど、なるへそ納得しましたわ~。

"Repo Man" Alex Cox
Universal Pictures

続編(Happy Death Day 2U)が公開されるって、結構ですわ!