February 28, 2017

覚悟

映画史に残る戦争映画の傑作、そして潜水艦映画の傑作。

1981年に公開されたドイツの映画「Uボート」(独題:Das Boot)。
小説家で元従軍記者のブーフハイムが実際の作戦に乗船取材した時の経験が原作になっている。
ブーフハイムはヴェルナー少尉のモデルとなり、グレーネマイヤーが演じた。

プロホノフが演じた艦長も、乗船取材の時のヴィレンブロック艦長がモデルになっている。

(Mv: Created unofficially by fan-made)
"Das Boot" Wolfgang Petersen
Neue Constantin Film
出港して間もなくだ。

ヴェルナー少尉が従軍記者ということもあって、陽気な船員たちは愛想がいい。
艦内を案内されたり、持ち場の担当を紹介されたり、皆が笑顔でボーズを決めて撮影に応じてくれる。
既に哨戒中だと聞いて、ヴェルナー少尉は艦橋へ上がった。

そして声を掛けられ、艦長がいたことに気付く。

"Das Boot" Wolfgang Petersen
Neue Constantin Film
Kommandant (Der Alte):
Machen Sie Fotos nur von einlaufender Besatzung nicht von auslaufender.
艦長(愛称は「大尉殿」):
写真を撮るなら、作戦から帰還する時の方がいいぞ。

Leutnant Werner:
... Warum das? 
ヴェルナー少尉:
・・・なぜですか?

"Das Boot" Wolfgang Petersen
Neue Constantin Film
Kommandant
Weil sie dann Bärte haben.
艦長:
まだ髭も生えてないからな。

Leutnant Werner:
...... 
ヴェルナー少尉:
・・・・・・

"Das Boot" Wolfgang Petersen
Neue Constantin Film
Kommandant:
Die Tommys müssten sich ja schämen wenn sie in der Zeitung sehn wer ihnen ... die Hölle heiß macht.
艦長:
新聞でこの連中が地獄へ行くのかとイギリス人が知ったら・・・笑うだろうさ。

"Das Boot" Wolfgang Petersen
Neue Constantin Film
Kommandant:
Milchgesichter, Säuglinge die an der Mutterbrust gehören.
... Steinalt kommt man sich vor unter all den Göhren.
Der reinste Kinderkreuzzug.
艦長:
こんな幼さで、まだ母親に甘えていたっておかしくない。
・・・彼らと航海すると、歳を取ったと感じるよ。
子供の十字軍さ。

"Das Boot" Wolfgang Petersen
Neue Constantin Film
Leutnant Werner:
...... 
ヴェルナー少尉:
・・・・・・

映画の舞台となった当時、古参兵はUボートの帰還率が既に3割を切っていることを知っていたそうである。

February 27, 2017

跳馬

ごく普通の会社というのは、ごく普通に上意下達なんである。

今迄に何度か転職してきて、それは痛感させられた。
ホワイトカラーの人たちとの仕事、あるいはホワイトカラー的な業務内容でそれがひっくり返ることはない。
ある社員さんが「部下は上司の判断に従うだけです」と言い切って正々堂々だったのは本当に驚いた。

なんて真面目なんだと思ったし、ごめんなさい、なんて馬鹿なんだとも思った。

"Office Space" Mike Judge
20th Century Fox

多世界解釈ってのがある。

SFでは昔から好んで使われる定番の設定で、量子力学から導き出された考え方だ。
T字路で右を選んだのなら、別の世界では左を選んだ自分がいて、そうやって分岐していった世界が無限に存在する。
自然界に4つある基本相互作用の中で重力だけが極端に弱い作用である理由は、別の世界に漏れているから、らしい。

この世界の俺の人生は、重力じゃなくて経済力が別の世界にだだ漏れなんだと思う。

"Alexander and the Terrible, Horrible, No Good, Very Bad Day" Miguel Arteta
Walt Disney Studios Motion Pictures

もし大富豪になったとして(あり得ないが)。

あちこち寄付しまくってるのに金が余って困るくらいの大金持ちだ。
移動手段は全て自家用機、空ならジェットかヘリ、海ならヨットかクルーザー。
そこで陸なら、しかも余興として自分で運転するなら、どんな車を選ぼうか。

ひとつだけ、もう決めていることがある(そんな心配するならちゃんと働いた方がいいが)。

それは、フェラーリだけは絶対に買わない、ということ。
自分が乗る姿を想像してみて、これだけ似合わない組み合わせも世の中にないと思う。
しかしこの惑星には、大富豪で、美男美女で、しかもフェラリーが似合う、という人間がいる。

神様は意地悪だ(無神論者だが)。

"National Lampoon's Vacation" Harold Ramis, 1983
"Vegas Vacation" Stephen Kessler, 1997
"Vacation" Jonathan Goldstein & John Francis Daley, 2015
Warner Bros. Pictures

ジープは乗ってみたいと思う、大富豪である必要はないけど。

February 23, 2017

扇動

約1ヶ月が経過して、そろそろマスメディアもトランプ大統領のネタに飽きてきたようだ。

就任演説の直後に、その中のある一節が「怪しいネタ」として話題になっていた。
ノーラン版三部作のバットマンで最後の宿敵となった悪役、ベインの台詞とそっくりな一節があるのだ。
この就任演説は政策アドバイザーで現大統領補佐官のスティーブン・ミラーが草稿を書いたとされる。

もちろん最終的に何をどうやって話すかは大統領自身が決定している。

就任式の日、トランプ大統領はまず、列席した元大統領やオバマ夫妻への挨拶と謝辞を述べた。
そして、いよいよ今後の政策や方針を語り始める冒頭で、こう述べたのである。
特に文末は、言い回し方から間の取り方まで、確かにベインにそっくりなのだ。

Today's ceremony, however ... has very special meaning.
Because today, We are not merely transferring power from one administration to another, or from one party to another ...
but we are transferring power from Washington,D.C., and giving it back to you ... the people.

本日の就任式は、しかしながら・・・非常に特別な意味があります。
なぜなら本日は、我々が現政権から別の政権へ、ある政党から他の政党へ権力を移譲するのではなく・・・
然るに我々がワシントンDC(政府)から権力を、皆さんに・・・国民に取り戻したからです。

"Batman: Vengeance of Bane" Chuck Dixon
Comic artist: Graham Nolan & Eduardo Barreto
DC Comics, Inc. 1993

この「And giving it back to you ... the people.」を言い終えると、集まった人々からは歓声が上がった。

ただし、何度も書くが英語は文字だけなら You は You でしかなく、 People は People でしかない。
これが日本語だと、皆さんでなく諸君だとか、人々ではなく国民だとか、いろいろな言い回しで「加工」できる。
その意味では、文中での単語の意味合いをあまりにも無視した難癖のようにも思えて、笑われるのも仕方がない。

ちなみに、ベインの台詞はこうだ。

ノーラン版三部作の最終作、映画「ダークナイト ライジング」の中盤。
ウェイン社から強奪された中性子爆弾によって、ゴッサム・シティは市民ごと人質になってしまった。
首謀者のベインは「解放者」を名乗り、隠されてきた「事実」を暴露する。

刑務所に集まったマスコミを前に、市民を扇動しようと目論むベインの演説が始まった。

"The Dark Knight Rises" Christopher Nolan
Warner Bros. Pictures
Bane:
Behind you ... stands a symbol of oppression.
Blackgate Prison, where a thousand men have languished under the name of this man ...
Harvey Dent ... who has been held up to you as the shining example of justice!

ベイン:
お前ら(マスコミ)の背後にあるのは・・・抑圧の象徴だ。
ブラックゲート刑務所、ある男の名を冠した法律によって千人が不当に収監されている・・・
ハービー・デント・・・お前らが輝かしき正義の象徴として担いでいる野郎だ!

Blake:
We need to keep you moving until we can get you in front of a camera.

ブレイク:
俺たちはカメラの前に出れるようになるまで逃げていた方がいい。

"The Dark Knight Rises" Christopher Nolan
Warner Bros. Pictures
Bane:
You have been supplied with a false idol, to stop you tearing down this corrupt city!
Let me tell you the truth about Harvey Dent, from the words of Gotham's police commissioner ... James Gordon.

"The Batman didn't murder Harvey Dent.
 He saved my boy, then took the blame for Harvey's appalling crimes so I could,
 to my shame, build a lie around this fallen idol.
 I praised the madman who tried to murder my own child, but I can no longer live with my lie.
 It is time to trust the people of Gotham with the truth, and it is time for me to resign."

... And do you accept this man's resignation!?
And do you accept the resignation of all of these liars!?
Of all the corrupt!

ベイン:
お前らは偽りの偶像を与えられたんだ、この腐りきった街の崩壊を防ぐために!
ハービー・デントの真実を教えてやろう、ゴッサム市警本部長の書類・・・ジェームズ・ゴードンだ。

「バットマンはハービー・デントを殺していない。
 彼は私の息子を救い、ハービーの凶悪犯罪を被ってくれたにも関わらず私は、
 恥知らずにも、偽りの偶像に仕立て上げてしまった。
 私は息子を殺そうとした狂人を称賛し続けてきた、しかし私はもはや嘘に耐えられない。
 ゴッサムの市民は真実を知る時であり、それは私が辞任する時だ。」

・・・そうだとして、お前らはこんな男の辞任を認めるのか!?
そうだったとして、こんな嘘つきどもの辞任を認めるのか!?
全てが腐敗しきってる!

"The Dark Knight Rises" Christopher Nolan
Warner Bros. Pictures
Blake:
Those men locked up for eight years in Blackgate and denied parole under the Dent Act ... based on a lie?

ブレイク:
彼ら(囚人)はデント法で仮釈放すら認められずブラックゲートに8年間は収監されてきた・・・もともと嘘だったと?

Gordon:
... Gotham needed a hero.

ゴードン:
・・・ゴッサムには英雄が必要だった。

Blake:
It needs it now more than ever. 
You betrayed everything it stood for.

ブレイク:
今こそ必要だというのに。
それをあなたが何もかも裏切ってしまったんだ。

Gordon:
There's a point ... far out there, when the structures fail you.
When the rules aren't weapons anymore, they're shackles, letting the bad guy get ahead ...
One day, you may face such a moment of crisis.
And in that moment, I hope you have a friend like I did!
To plunge their hands into the filth, so that you can keep yours clean!

ゴードン:
これはいずれ・・・君も理解してくれる時が来る。
法律という武器が役に立たず、足枷になり、悪人を野放しにしてしまう・・・
いつの日か、君がそういう犯罪に直面するんだ。
その時、君に頼れる友人がいることを私は願ってるさ!
(バットマンは)泥に自らの手を突っ込んでくれた、だから君だって汚れずに済んでるんだぞ!

Blake:
Your hands look plenty filthy to me, Commissioner.

ブレイク:
私にはあなたの手も汚れているように見えます、本部長。

"The Dark Knight Rises" Christopher Nolan
Warner Bros. Pictures
Bane:
We take Gotham from the corrupt!
The rich, the oppressors of generations who have kept you down with myths of opportunity!
... and we give it back to you ... the people.
Gotham is yours.
None shall interfere, do as you please.
But start by storming Blackgate and freeing the oppressed!

ベイン:
俺たちは腐敗からゴッサムを取り戻す!
金持ちめ、奴らはいつか幸運が訪れるかのように見せかけながら常にお前たちを迫害しているだけだ!
・・・それを俺たちが取り戻すんだ、お前たちのために・・・市民のために。
ゴッサムはお前たちのものだ。
誰にも邪魔はさせない、好きにしてくれ。
そうでなければブラックゲート刑務所の抑圧された者たちから解放させてもらう!

"The Dark Knight Rises" Christopher Nolan
Warner Bros. Pictures
Bane:
Step forward, those who would serve!
For an army will be raised!
The powerful will be ripped from their decadent nests ... and cast out into the cold world that we know and endure!

ベイン:
一歩前進だ、彼らの誰が従うものか!
自警団を作るんだ!
権力を持った連中を引きずり出せ・・・そして俺たちが味わされてきた冷酷な現実に放り込んでやれ!

"The Dark Knight Rises" Christopher Nolan
Warner Bros. Pictures
Bane:
Courts will be convened!
Spoils will be enjoyed!
Blood will be shed!
The police will survive, as they learn to serve true justice!
This great city ... it will endure.
Gotham will survive.

ベイン:
裁きは成されるだろう!
楽しみは分かち合うんだ!
血が流れるだろう!
警察は生き残りたければ、果たすべき真の正義を学べ!
この偉大なる街は・・・耐え抜くぞ。
ゴッサムは生き延びるんだ。

"The Dark Knight Rises" Christopher Nolan
Warner Bros. Pictures

ここ数年くらいで、映画を鑑賞する際にちょっと注意するようになった人物がいる。

洋画が好きでサントラに興味のある人なら最早定番になりつつあるが、作曲家のハンス・ジマーだ。
彼の映画音楽は映像の演出以上に演出効果があり過ぎて、監督の力量を超えた働きをしていることが多々ある。
例えば、ノーランの作品は巷でよく「重厚感」と評されるが、その本質は映像ではなく、音楽にあるのではないか。

このベインの演説だって、実は大したことは言ってない(トランプさんの就任演説だってそうかもしれないが)。

ところがジマーの音楽があると、何だか物凄いことを言ってるような雰囲気になるのだ。
彼の仕事のペースやクオリティから考えると、本当に一人で作曲してるのかと疑ってしまう程だ。
もちろんその都度チームは組むだろうが、それでも現在において天才的な作曲家であることは間違いない。

特に2000年代後半からの仕事量は異常なレベルで、年に5本以上のサントラを掛け持ちすることもザラなのだ。

あの大御所、ジョン・ウィリアムズでさえ年に5本の作曲というのは無理だった。
しかしジマーは、万人受けするギリギリのラインで、万人が新しいと思う(理解できる)音も確実に入れてくる。
そして、それらの音がほぼ間違いなく映画にとって的確な演出効果となり、ほぼ満遍なく売れる映画となるのだ。

あまりの活躍振りに、ジマーの音楽を抜いたら駄作になる映画が結構あるのでは、と疑うようになった。

個人的に、映画は映像であって欲しい。
映画で削りに削って残るもの、残らねばならないものは、映像であって音楽ではないはずだ。
究極として、台詞も音も音楽もない映像だけの映画は、映画として成立し得る。

そういう本質を忘れて流行に振り回されると、それこそベインに粛清されちゃいますよ、マスメディアさん。

February 14, 2017

対訳

以前一度、この曲のリンクを貼ったんですけど、もう一度。

ブリトニー・スピアーズの2008年のアルバム「サーカス」に入ってる曲「キル・ザ・ライト」です。
丸坊主になったり警察と精神科で滅茶苦茶やったりが落ち着いて、最初に制作された曲ですね。
このMVは公募で選ばれて、アルゼンチンの女性監督 Eliana Moyano(エリアナ・モヤノ)さんの案です。

前回貼った時は公式公開がなかったと思ったんだけど・・・2009年にアップされたことになってる。

ま、いいや、久しぶりに綺麗な画質で観たので対訳に挑戦してみます。
当たり前ですが、なるべくオリジナルの歌詞を壊さずに、当時の彼女の言動も加味してみました。
四十代の親父が二十代の女性歌手の歌詞を訳すんだから、ま、気持ち悪い箇所もあるかもしれません。

原曲は二番まであるんですけど、対訳はMVに合わせて一番のみです。

<Intro>
Ladies and Gentlemen, we interrupt our program of Dance Music,
To bring you a special bulletin from the Intercontinental Radio News.
Our very own pop princess, now Queen of Pop, Has a special announcement she will like to make.

<イントロ>
皆さん、ダンスミュージックの番組を中断して、
インターコンチネンタル・ラジオ・ニュースから緊急特番をお送りします。
我らがポップ・プリンセス、今やクイーン・オブ・ポップとなった彼女が、特別な発表をするようです。
※レポーターの声は、アルバム「サーカス」のプロデューサーでミュージシャンの
Nate Hills(ネイト・ヒルズ)、通称 Danja(デンジャ)が担当してます

<Talking>
You're on ...
I think I'm ready for my close-up ...
... Yeah

<会話>
いいわよ・・・
クローズアップの準備はできてるから・・・
・・・ええ
※You're on だけで「あんたでオッケー」や「それで良し」みたいな意味。

<Lyrics>
<歌詞>
※ここからセンテンスごとに対訳していきます。
[Verse]
[Aメロ]
※日本語でVerse(バース)はAメロに相当。
サビへと繋がるBメロは Bridge(ブリッジ)や Pre-Chorus(プレ・コーラス)。
サビは Chorus(コーラス)。
You don't like me,
I don't like you, it don't matter (who?)
あんたは私が嫌いだし、
私もあんたが嫌いだけど、それがなんだっていうの(誰?)
※歌唱の語感から察するに「好きじゃない」ではなく「嫌い」でいいと思う。

Only difference,
You still listen, I don't have to (who?)
ひとつだけ違うのは、
あんたは聞きたがるけど、私は聞きたくない(誰?)
※still listen は単に「聞く」ではなく耳を澄まして「静聴する」という感じなので。

In one ear and,
Out the other, I don't need you (who?)
興味ないし、
私はあんたなんかいらない(誰)
           ※音感の韻を踏むために改行してるが本来は in one ear and out the other という一文で、
片方の耳から入ってもう片方へ出る、つまり「馬の耳に念仏」です。

Your words don't stick,
I ain't perfect, but you ain't either (who?)
あんたの言葉がピンとこないし、
私は完璧じゃないけど、あんただって同じでしょ(誰?)
※I am not → I’m not → I ain’t と、凄まじく略したスラング。

If your feeling froggy leap? (oh!)
もしかしてあんた落ち着かない?(oh!)
※本来は leapfrog で「馬跳び」となるのを、
froggy leap で蛙が飛び跳ねてるみたいに感じてるんじゃないの、と。
なお、oh! を「おっと!」とか「あっ!」とか一旦書いてみて、やっぱり恥ずかしいのでやめました。
以下、間投詞関係は訳しません。

I ain't even losin' sleep (oh!)
わたしはグッスリだけど (oh!) 
※これ少し難しい、わざわざ losing sleep で「寝不足じゃないのよ」、という面倒な言い回しの否定をしてる。
前の歌詞を引き継ぐと、ain't とlosin' のダブルで要は「すご~くつまんない」という意味か。

There's more to me than what you see (oh!)
あんたが知ってる以上に私にはいろいろあるの(oh!)
※この see はなんでもいいと思う、「あんたが考えてる以上に」とか。

You wouldn't like me when I'm angry ...
あんたは怒ってる私なんて嫌いでしょ・・・
※ここでの wouldn't は過去の否定ではなく、「そうなったら駄目でしょ」という仮定の否定なので。

[Bridge]
[Bメロ]

Mr. Photographer!
カメラマンさん!
※うーん・・・ミスター・フォトグラファーですよ、皮肉ってるんだよね。
どうしよ、写真家さん、カメラ小僧さん、違うよなあパパラッチならパパラッチと言うだろうし。

I think I'm ready for my close-up! (tonight!)
クローズアップの準備はできてるの!(今夜!)
※英語ってのはつくづく「誰」をはっきりさせる言葉だな、ってのはこういう時に思う。
言われなくても解ってるよ、と思うような状況でも必ずご丁寧に I 、my、me とかが付くもんな。

Make sure you catch me from my good side! (pick one!)
いい角度から撮ってよ!(選んで!)
※この catch は明らかに「撮って」でいい。

These other (ha!) just wanna be me!
みんな憧れてるんだから!
※この ha は恐らく韻で I にかけてる。
私は私を貫きたい、みんながそうありたいんだ、と。

Is that money in your pocket?
あんたのポケットにこのギャラは入ってるの?
※ここでの that は撮ることに対してだから、単に金じゃなくてギャラにしてみました。

Or you happy to see me?
でなきゃ、あんた私に会えただけ幸せでしょ?
※しかし see というのは便利な単語だ。

[Chorus]
[サビ]

Kill the lights!
Take 'em out, Turn 'em off, Break 'em down!
ライトを消して!
捨てるか、切るか、壊して!
※実は・・・Kill the lights で一番馴染み深い対訳は「電気(明かり)を消して」だと思うけど、それじゃあんまりだから。
オフでもなくカットでもなく、キルを使うと簡単に早く切れ」みたいにできます。

Kill the lights!
Don't be scared, make a move, see me now?
ライトを消して!
怖がらないで、早くしてよ、解ってんの?
※ここでの make a move はどうとでも訳せる

Kill the lights!
I feel you, watching me, watching you!
ライトを消して!
私を見て、あんたを見て、よく解ったでしょ!
※関係代名詞が全て省かれてる。

Kill the lights!
You can't handle the truth ... what happened to him?
ライトを消して!
あんたに真実なんて無理・・・あれアイツどうしちゃったの?
※これで凹むならカメラマン失格だ。

I kill the lights!
Pure, Satisfaction!
ライトを消して!
すっきり、いいじゃない!
※歌詞ってのは文語だけど、歌である以上は口語なんだよね。
歌詞は Pure satisfaction なんだけど、歌唱では明らかに Pure, Satisfaction って明確に区切ってる感じなので。

I kill the lights!
Lights, Camera, Action!
ライトを消して!
ライト、カメラ、アクション!
※まさか「照明、写真機、演技!」とは書けない。
カタカナってのは凄い発明なんだよなあ。

I kill the lights!
Pure, Satisfaction!
ライトを消して!
すっきり、いいじゃない!

I kill the lights!
Lights, Camera, Action!
ライトを消して!
ライト、カメラ、アクション!

Yeah ... Yeah ... Yeah ...

Kill the Lights - "Circus" Britney Spears
Jive Records

中学校とかで洋楽の対訳なんかやると面白いと思うんですけどね。
今、若い人ってホントに洋楽を聞かないんですよね。

February 12, 2017

必中

もうほとんど忘れたんだけどさ。

スティーヴン・ハンターの小説に熱中した時期があったんだよね。
熱中してたのにほとんど忘れた、なんて変じゃないかと思うかもしれないけど。
ただまあだいたい、主人公が陰謀に巻き込まれてどうこう、てな話ばっかりだから。

元新聞記者さんで、映画評論でピューリッツァー賞を受賞するくらいだから文体は物凄くしっかりしてるけど。

ある程度内容を覚えてるのは、やっぱり処女作の「極大射程」(原題:Point of Impact)だね。
主人公のボブ・リー・スワガーは凄腕の狙撃手だったんだけど、世捨て人になって山奥で隠居してたわけ。
ところが、ある依頼を受けなければならない事情ができて、狙撃の感覚を取り戻そうとするのね。

この、狙撃の感覚を取り戻そうとして、大自然の中で鹿撃ちをする、という章だけは覚えてるんだ。

この章だけは詩的というか、身体的な描写よりも心理的な描写に重きが置かれてる。
全てを捨てた主人公が鹿撃ちの一発に微かな希望を掛けて、雨の降りしきりる森の中で待ち続けるんだ。
一発で命中させなければ意味がない、そう、今後の人生はないも同然になるんだよ。

心を研ぎ澄まして集中するってのは、こういうことなのか、って感じたもの。

いや、なんでこんなことを思い出したかっていうとね。
そういうさ、一枚に全てを込めるような撮影って、もう何十年もやってないな、って。
数撃ちゃ当たるが安全のための用心なのは充分解ってるってば、だけどさ。

バシャバシャバシャ、どれかは当たってるだろ。

これは堕落だよ、ある意味すごく危険だ。
もう少し、一枚を切る重みがあってもいいんじゃないのか。
じゃあスナップ撮ればとか、そういう意味じゃないっての。

緊張感がなくなると、見えてるものも見えなくなるからさ。

Breathe This Air - "Immunity" Jon Hopkins
Domino Records

監督さんも、あの鹿撃ちの場面を読んだのかな。

February 10, 2017

宿題

「お前、今なんて言った?」

貸してもらっていた消しゴムを返してというから、宿題やってる子供にポンと投げた。
キャッチし損ねて、俺に対してではなく受け取れなかった自分に対してだが、何気に一言呟いたのだ。
床に落ちた消しゴムを拾い上げて俺の方を向くと、小学1年生が不思議そうな顔をして再び言った。

「ファック、だけど?」

このブログだけ見ていると、俺がルー大柴みたいな話し方をしていると思うかもしれない。
それは大変な誤解で、普段は英語を滅多に使わない、というか、英語を混ぜて話す奴を馬鹿にしてるくらいだ。
母国語を外国語で誤魔化す奴は大嫌いだし、母国語が駄目な奴の外国語というのは信用できない。

「意味を知ってて言ったのか?」

この時はあっけにとられて、怒ることすらできなかった。
今の子供たちというのは日々膨大な情報量に囲まれて暮らしている。
大人たちが四苦八苦して作り上げてきた世界の中で暮らしているだけなのだ。

「駄目なの?」

駄目だ、絶対にダメ、それはとんでもなく汚い言葉だ。
友達も使ってるって、じゃあ友達にも聞いてみろ、意味を知ってる奴がいるのか。
だからって先生に聞くなよ、質問すらできない酷い言葉だ、いいか、もう絶対に使うんじゃない。

「うん解った・・・どんな意味なの?」

もう5年くらい前になるか、LMFAOが全盛だった頃だ。
アメリカの小学校で、入学したばかりの男の子が女の子に向かって「Sexy and I Know It」を歌った。
授業参観の当日だったらしく、男の子の入学が取り消しになってどうこう、というニュースがあったのだ。

「だからそれは、意味は、つまりなんだ・・・(ファック!)」

その男の子にしてみれば、みんなが知ってるユーチューバーの真似をした、くらいの感覚だったのだろう。
人気者は偉い、お金持ちは凄い、自分の欲しい物を持ってる他人が羨ましい・・・その通りじゃないか。
その通りがいっぱいの世界で、大人は子供になんて説明すればいい。

取り敢えず宿題が先、で有耶無耶にするしかなかった。

Sexy and I Know It - "Sorry for Party Rocking" LMFAO
Interscope Records

今度はなんだ、英語の宿題?

それはお前、中学生なんだから自分で考えろ。
辞書を引けよ辞書を、あれ、これ白雪姫じゃないか、じゃあ話の内容なんて知ってるだろ。
いいんだよ適当で辻褄が合えば、なんだと、じゃあ、お前いつも文法とか意識して話してんのか。

ツイッターだラインだ、いっつも適当に書いてるだろ、あれだあれ、言語学者じゃないのは誰だって同じだ。

俺・食べたい・メシ、主語・述語・目的語、それだけ解りゃあ白雪姫様も死なねえよ。
4chanに書いてる連中なんか語形変化が滅茶苦茶なのなんのって、人称代名詞なんか気にすんな。
外人が日本語を勉強しようと思ったら「I」が私、俺、僕、吾輩、拙者、それ気にしてたら話が進まねえだろ。

第一、今や現役の大統領だってそんな厳密な話し方してねえよ、って先生に言ってやれ。

Come - "Zanaka" Jain
Spookland
いや、先生には言わんでいい。

February 5, 2017

恵方

デジタル一眼レフカメラ(DSLR)を製造しているメーカーさんに二つ検討して頂きたい要望がある。

Nobody Speak - "The Mountain Will Fall" DJ Shadow
Mass Appeal Records / Liquid Amber

まず、中級機以上のカメラボディに、液晶画面を追加して欲しい。

現在、DSLRには主に二つの液晶画面が搭載されている。
一つ目は、フイルム時代からの継承として、ボディ右上に設置されたモノクロのTN液晶画面。
二つ目は、デジタルを象徴する、ボディ背面に設置されたカラーのTFT液晶画面。

冷静に考えると、もうこの「二つの液晶画面」だけでは「高機能・多機能な中身」を表示しきれないと思うのだ。

論より証拠、高機能・多機能なフラッグシップ機になると、三つ目の液晶画面が追加される。
ボディ底部、カラーのTFT液晶画面の下あたりに設置された、モノクロのTN液晶画面である。
この三つ目の液晶画面を正式に、DSLRなら当然のこととして、中級機以上に採用して欲しいのだ。

なお、ボディ背面に設置されたカラーのTFT液晶画面の考え方や使い勝手は今迄通りでよい。

考えなければならないのは、常時表示している、ボディ右上に設置されたモノクロのTN液晶画面だ。
スイッチを入れた時、カメラの設定状態をすぐに知りたい時、シャッターを押す今際の際でチラ見しかできない時。
現状では、ここに情報を詰め込みすぎて、いや詰め込みきれず、帯に短し襷に長しな表示内容になっている。

そこで、ボディ右上に設置されたモノクロのTN液晶画面には「撮影情報」のみ常時表示する。

そして「記録情報」は、追加したモノクロのTN液晶画面のみに常時表示する。
しかし、これがボディ底部、カラーのTFT液晶画面の下あたりに設置されると使い勝手は悪化してしまう。
ファインダーから目を離し、常時表示の「撮影情報」と「記録情報」が一瞬でまとめて確認できる位置は何処か。

「撮影情報」は今まで通りボディ右上に、「記録情報」をペンタ(軍艦)部の右側面に設置できないか。

「撮影情報」は基本中の基本なので今まで通り、絞りやシャッタースピード、補正値、AFやAE等を常時表示する。
問題は、常時表示されるべき「記録情報」で、これがフラッグシップ機でも中途半端になってしまう理由が解らない。
一台で複数の記録形式が可能なDSLRだからこそ、「今どういう状態で記録しているのか」を常に教えて欲しい。

記録形式や画質、色空間や色温度、ノイズリダクションやレンズ補正の有無など、常に具体的に知りたいのだ。

メニューから引っ張り出してこないと色温度の具体的な数値が解らないなんて、どうかしてると思わないか。
しかも極力バッテリーの消耗を減らしたい状況で、InfoとはいえカラーのTFT液晶画面で消耗するなんて勘弁。
RAWで撮影しておけば間違っても後処理が、なんていうのは仕事の効率で苦労したことのない輩が宣う戯言だ。

ペンタ部に内臓ストロボがあっても形状を工夫すれば出来る、ジャパン・プロダクツなら出来る。

補足で、フラッグシップ機のボディ底部、カラーのTFT液晶画面下に設置されているモノクロのTN液晶画面。
あれはあのままでいいが、現状ではやはり中途半端、スタジオ撮影を前提にした表示に特化すればよいと思う。
カメラマンが「カメラから離れなくても」、PCとの連携状態が解る情報を常時表示すればいいのだ。

オリンピックを控え、パッと見て「撮影情報」と「記録情報」が一瞬で把握できるカメラを根本から再考して欲しい。

Mighty - "Robot Face" Caravan Palace
Wagram Music / MKVA / Le Plan Recordings

つぎに、DSLRのメーカーとして、本格的なグリップタイプの純正ストロボをラインナップして欲しい。

【ヘッド部】
発光部のみで、実売で5万から8万ほど。
四角型・丸型の形状が選べ、それぞれの形状に大・中・小のサイズがあり、ユーザーが交換可能。
ヘッド部そのものを交換できるので、キセノン・チューブが劣化してもサービスセンターへ持ち込む必要がない。

【グリップ部】
グリップ上部の前面に受光センサーやAF補助光、背面に操作パネルがある本体で、実売で10万から12万ほど。
グリップ内部はバッテリー室で、単三かカメラボディのバッテリーを装填して使用することが可能。
グリップそのものが重くなるのを避けたければ、下記の外付けバッテリーやAC電源での使用も可能。

【バッテリー部・携行タイプ】
肩や腰に下げるタイプの外付けバッテリーで、実売で2万から3万ほど。
単三かカメラボディのバッテリーを装填、跳ね出し内蔵式ACコンセントで通電と充電が可能、USB電源出力あり。
薄いラウンド形状でストラップを調整して肩から下げれば、上からスーツのジャケットを羽織っても着崩れない。

【バッテリー部・据置タイプ】
カメラボディ2台分程度の大きさでカメラバックに入る外付けバッテリー、実売で3万から5万ほど。
単三かカメラボディのバッテリーを装填、1mコード内蔵式ACコンセントで通電と充電が可能、USB電源出力あり。
ストロボ3台に同時電源供給が可能、充電速度とバッテリー消耗率を制御する昇圧調整機能付。

これらをしっかり実現してくれるグリップタイプの純正ストロボなら、値段は決して高くない。

Jungle - "Jungle" Panama
Future Classic / 300 Entertainment

今、高感度域の低ノイズ化に伴い、全体的に見ればストロボの使用率というのは明らかに減っていると思う。

グリップタイプのストロボを目にしなくなってどのくらい経つか知らないが、あれくらい安心できるものはない。
クリップオンタイプを別売のアクセサリーでグリップ風にもできるが、純正ですら「グラグラ感」は否めない。
なんにせよ「何かあった時」に、ホットシューからの衝撃がカメラボディのペンタ部へ直撃する不安は避けたい。

そして、一番の買い手である一般ユーザーがストロボに苦手意識を持ちやすい、ということもあるだろう。

これが大きな誤解であることを、メーカーはもっと積極的に謳い、もっと需要を掘り起こすべきだ。
仮に需要が、アマからプロまで「綺麗に撮りたい」のであれば、ストロボは最も手軽で「便利な機材」のはずなのだ。
表現上の意図があるなら別だが、苦手だから高感度では、いつまでもワサビ抜きの寿司を食ってるようなものだ。

第一、RAWだろうがなんだろうが、眠い画を補助光なしの後処理で起こしても、それは写真ではなくCGじゃないか。

Speech of Foxes - "In Roses" Gem Club
Hardly Art Records

以上、DSLRのメーカーさんは正にオリンピックを契機と捉えて、以上を検討して欲しいです(お願い!)