August 19, 2014

声質

うーん、なんなんだろう。

自分のブログで邦楽を取り上げることは、ほとんどない。
ほとんどないけど、邦楽も大好きだし、本来は、国によってジャンル分けするなんて馬鹿な話しだと思ってる。
馬鹿な話しだと思ってるけど、最近の邦楽についてひとつだけ、本当に疑問に思うことがある。

それは、個人的に、勝手に、「近年における邦楽の声質問題」と呼んでいる。

なんで軒並み、みんな、あんなに高い声なの?
キーではなくて、トーンそのものが甲高い、というか、裏返ってるというか、黄色い声っていうの?
絶対に使わんと決めたキーワードを一度だけ破って使うなら、なにあれ「萌え」る声っていうの?

萌えるか?

いろいろある声質の中でそういうトーンだというなら、それは「個性」かもしれないけど。
もちろんアイドルだからという免罪符だって、音楽という娯楽にはとても大切な必須条件であると解ってる。
だけど、アイドルだとしてもだよ、甲高い声の女性ってのは、自分の中の異性に対する琴線に全く触れない。

先月くらいまでだったか、YouTubuで「夏のペタン髪対策」とかいう男性整髪料の冒頭CMが流れてた。

イラストの受付嬢が来社したサラリーマンをパッと見て、同僚の受付嬢に「ねえねえ、イケメンじゃない?」と聞く。
ところが夏の湿気や汗で、そのサラリーマンのヘアスタイルがヘタってるんで「残念!」だ、と嘆く。
珍しくスキップしないで最後まで見たのは(聞いたのは)、その受付嬢の声質が、最近じゃ珍しいと思ったから。

低くて、しかも、ハスキーな声の女性。

第一に、目立つ、つまり数ある同じようなCMの中で差別化に成功してると思った。
第二に、親近感がある、つまり身近にいる女性の意見なんじゃないかと思わせる日常化に成功してると思った。
第三に、低くてハスキーな声の女性を好む男性って、冗談じゃなくて、もっと沢山いると思うんだけど。

いつだって、甲高い声のアイドルはごく普通にいた。

だけど、昔は低い声やハスキーな声のアイドルがもっとごく普通にいた、と思う。
70年代なら山口百恵、80年代なら中森明菜、90年代なら誰だ、ということは、その辺りから変わったんだろうか。
いや、単に90年代になるとアイドルで騒ぐような歳でもなくなったので、知らないだけか。

いやいや、最近のあの高い声の女の子たちだって、普段もあんな声で話したりしてたりしないでしょ、すんの?

邦楽の話しに戻すと、今の邦楽は高い声の女性が多すぎる。
その中で多数派を占めるアイドルたちが本格的な歌い手を目指していない、あるいは目指せるシステムがない。
このままじゃ、新規参入のみの焼畑農業的な悪循環に陥ってしまう ... 既に、かなり前から、陥ってる。

日本はいい国だし、大好きだけれど、この点ばかりは少しでもいいから洋楽のシステムを取り入れていいと思う。

R&Bやソウルをしっかり歌えるようにキャリアを積む、日本ならしっかりと演歌が歌えるように、それを目指す。
出自や学歴なんか関係ない、コネや人気が必要なのはどこだって同じ、後は運が判断してくれる。
年相応の声質で、しかも女性なら難しい、低いキーまで難なく歌いこなすような歌唱力。

でもそれって、いろいろと厳しすぎることなのかもしれない。

歌手でもなく、女優でもなく、タレントでもなく、人気がなくなったら自然消滅、というのは幸せなシステムなのかも。
不幸と引き換え、あるいは死をもってしか評価されないなんて、ハラキリ時代じゃないんだから。
こっちだって別に、酒焼けで潰れた声が聴きたいって訳じゃない。

歌えなくなるまで歌う必要が、どこにある?

&
"Amy Winehouse at the BBC" Amy Winehouse

低くてハスキーな声の女性、そういう歌手が好きな男もいる。

それだけです。

August 10, 2014

悲喜

誰だったかの言葉で、こういうのがある。

「女は自分を笑わせた男しか覚えておらず、男は自分を泣かせた女しか覚えていない」

続く文意は、だから男と女の関係は理性や理屈じゃない、といった内容だった気がする。
読んだ時はなるほど上手く書くもんだと思ったが、今考えると逆も然りなんじゃないかと思う。
思い切り、笑ったり、泣いたり。

そんなのは、遠い昔になってしまったよ。

One more time?
Hey Ma - "Come Home With Me" Cam'ron

あなたに、笑わせてくれる人や泣かせてくれる人が、いますように。