December 30, 2018

年瀬

【今年の誤植】

9月、こんなことってあるんだなあ。

「香港航空討論區」に次々と目撃情報がアップされ、キャセイ・パシフィック(Cathay Pacific)が自らツイート。
中国の廈門から香港に到着した同社のボーイング777にデカデカと、キャセイ・パシック(Cathay Paciic)との誤植が。
あまりにも見事に「f」が抜け落ちているので、わざとでは、という話もあったが本当に抜け落ちていただけらしい。

ポルコ
 「さらば、アドリア海の自由と放埓の日々よ、って訳だ」
老人
 「それ、バイロンかい?」
ポルコ
 「いや、俺だよ」

バイロンが言ったのは「事実は小説よりも奇なり」(Truth is stranger than fiction)ですよ、おじいちゃん。

Welcome to the new Cathay... where we give no 'F'.
CNN

【今年の東西】

西側のアメリカは兎に角、暗かった。

ヒットチャートの上位ってのは普通、それなりにポジティブな曲が来るものだが、そいうのが感じられなかった。
80年代の明るさを体験した身としては、「ウィ・アー・ザ・ワールド」がヒットした時の寛容さを取り戻してほしい。
あれから約35年を経て、アメリカは自由の対極へ向かおうとしている。

差別と銃社会と拝金主義について歌い、そしてビジュアルは、もうこういう表現はやめようぜアメリカ、辛いよ。

This Is America - Childish Gambino
mcDJ / RCA Records

東側のロシアは、明るかった。

特に、大ヒットを連発しているLittle Bigの貢献度は大きい。
珍曲「AK-47」なども含め、本家のある西側各社のパテントを取ってるのかどうかは疑わしいが。
未だに他国で毒殺を繰り返すような怖さもある国だが、庶民がそれを突き抜けようとしていること自体は健全に思う。

是非、NHK教育のアルゴリズム体操と共演して欲しい。

SKIBIDI - "Antipositive, Pt. 2" Little Big
SBA Music Publishing / Warner Music Russia

【今年の注目】

日本の写真関連サイトをほとんど閲覧する機会がないので、国内で話題になっているのかどうかは知らない。

今年10月、速報で有名なハリウッド・リポーターと、あのバラエティまで報じていたので正直驚いた。
なんと、ジョニー・ディップが次回作の映画でユージン・スミスの生涯を演じる、ウソマジでホント?
しかも原作は妻、アイリーン・美緒子・スミスの著作「Minamata」で来年1月には日本でも撮影が始まるそうだ。

来年は年号が変わる。

宮内庁は将来の皇后がチッソと繋がりがあることを問題視し、将来の陛下に直接進言したそうではないか。
これらを、ハリウッドの大スターに散々世話になってきた日本のメディアはどのよう伝えるのだ。
それこそ忖度してなかったことにするか、誰か遺族を焚きつけてフランシス・コッポラの「Mishima」のように葬るか。

映画の公開時期はまだ未定のようだが、これは今後も注目していきたい。

W. Eugene Smith in his workroom, 1968
Portraits of the Photographers by Arnold Crane
Smithsonian lnstitution

【今年の最後】

昔々、バイオリズムっていう言葉がよく使われた。

いい時もあれば悪い時もある。
最近やっと、そういうリズムやサイクルがあるんじゃないか、と思うようになった。
だからどうすることもないんだけど、なんか意識はするようになった。

振り幅を最小限に、なるべく平坦に、と思いながら一服している。

Locket - Crumb
Citrus City Records

皆さん、良いお年を。

December 27, 2018

起源

今月から来年5月まで、ベルリンのベルクグリュン美術館で「絵画の伝記」(Biografien der Bilder)展が開催されている。

会場では、ピカソやマティス、ジャコメッティやミロなど、絵画の表側と、裏側も鑑賞できるように展示されている。
画家のサインやメモ、画商の正札や但し書き、所有者の刻印など、普段目にすることのできない絵の履歴書である。
そこから、その絵画の描かれた時代背景や美術史における価値の移り変わりなどを展望しようという趣旨だ。

例えば、ナチスの刻印「GR2C」は、表向きは退廃芸術の烙印だが、実際は秘密裏に転売を指示する暗号でもあった。

Make Me Feel - "Dirty Computer" Janelle Monáe
Wondaland / Bad Boy Records / Atlantic Records

なんでもかんでもスマホ、になり始めた頃からだと思う。

例えば、家族が亡くなって、大切な写真やデータが全てスマホに入っていたとする。
それを遺族が取り出したいと望んでも、ハードやソフトのメーカーが頑なに拒む、というニュースを見るようになった。
個人情報は絶対不可侵であり、現時点では裁判所もそう判断している、俺だってその通りだと思う。

ただ、後世の未来人がスマホ普及以降の芸術家を調査研究しようとした時、いろいろ困るだろうなあとも思う。

Mumbo Jumbo - Tierra Whack
2017 Tierra Whack

今年9月、ついに、ギュスダーヴ・クールベの絵画「世界の起源」のモデルが判明した。

この絵は発表、いや、発見された当時から、論争になった。
絶対にモデルがいる説、そもそもいない説、もしいるなら誰だ説まで、クールベ本人は沈黙を墓場まで持っていった。
モデルと思しき候補は何人かいたが、最有力だったのは愛人のジョアンナ説である。

しかし、ジョアンナ説の最大の弱点は、彼女が赤毛であったことだ。

ところが、まったく別の研究から偶然、意外にもアレクサンドル・デュマの書簡からモデルが特定された。
パリ・オペラ座のバレリーナにしてオスマン帝国外交官の愛人、そして、「世界の起源」のモデル。
彼女の名は、コンスタンス・ケニオー(クニョー)。

ナダールが撮影したポートレートによって、彼女はその姿を何枚か遺している。

Constance Quéniaux
Nadar, 1860

彼女もクールベも、現在の我々を許してくれると思いたい。

December 24, 2018

前夜

ご存知と思うが、今「メリー・クリスマス」とは言えない。

ポリティカル・コレクトネスの一環である。
しかし経済効果は無視できないので、「ハッピー・ホリデー」でなければならない。
大人の都合ここに極まれり。

ただし、子供たちにとっては良い日であって欲しい。

Happy Holidays 2018 by Google

それだけは、願ってる。

November 30, 2018

明日

'Вот завтра, завтра!'        утешает он себя, пока это 'завтра' не свалит его в могилу.
"Стихотворения в прозе" 1882
Ивáн Серге́евич Турге́нев

「明日は、明日こそは!」       彼は自分を慰める、その「明日」が彼を墓に入れる日まで。
「散文詩」1882年
イワン・セルゲーエヴィチ・ツルゲーネフ

In Exile - "The Silver Tree" Lisa Gerrard
Rubber Records 2006 / Subway Records 2008

明日から12月なんて、もう慰めようもない。

November 28, 2018

独言

Young Girl:
(Lorelei Linklater)
   Um... Pick a color.

少女:
(ローレライ・リンクレイター)
   えーと・・・色を選んで。

Young Boy:
(Trevor Jack Brooks)
   Blue.

少年:
(トレバー・ジャック・ブルックス)
   青。

Young Girl:
   B, L, U, E.
   Pick a number.

少女:
   B、L、U、E。
   数を選んで。

Young Boy:
   8.

少年:
   8。

Young Girl:
   1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8.
   Pick one more number.

少女:
   1、2、3、4、5、6、7、8。
   もうひとつ数を選んで。

Young Boy:
   15.

少年:
   15。

Young Girl:
   1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15.
   Pick another number.

少女:
   1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15。
   別の数を選んで。

Young Boy:
   6.

少年:
   6。

Young Girl:
   Okay.

少女:
   いいよ。

Young Boy:
   ......

少年:
   ・・・・・・

Young Girl:
   ...Dream is destiny.

少女:
 ・・・夢は運命です。

Young man:
(Wiley Wiggins as Main Character)
   ......

青年:
(ワイリー・ウィギンズ、主人公)
   ・・・・・・

"Waking Life" Richard Linklater
Digital Animating: Bob Sabiston
Fox Searchlight Pictures

観た後に誰かと話したくなる映画って、ある。

辻褄とか、評価とか、そういうのじゃなくて。
まるで登場人物みたいに、どうでもいいことをだらだらと会話する。
あの女の子が食べてたのは何だろうとか、そういうのでいい。

そういう相手はいないけど。

Boat Car Guy:
(Bill Wise)
   You want to go with the flow.
   The sea refuses no river.

ボート・カーの男:
(ビル・ワイズ)
   お前さんは流れに身を任せたいんだろ。
   海は川を拒まないぜ。

"Waking Life" Richard Linklater
Digital Animating: Bob Sabiston
Fox Searchlight Pictures

Young man:

   Where's that?

青年:
   それどこ?

Boat Car Guy:
   I don't know either, but it's somewhere, and it's gonna determine the course
of the rest of your life.
   All ashore that's going ashore.
   Hahaha, Toot-toot!

ボート・カーの男:
   俺だって知らんよ、だけどそれはどこかにあって、お前さんの残りの人生の行く末を決めるのさ。
   全ての積荷は荷揚げされるってことだな。
   ハハハ、ポッポー!

"Waking Life" Richard Linklater
Digital Animating: Bob Sabiston
Fox Searchlight Pictures

独り言は、いつも夜空が聞いてくれてる。

November 25, 2018

専門

物凄くアメリカっぽいなあと思う仕事に、モチベーショナル・スピーカーという職業がある。

教会の説教師を現代版に焼き直した、会社の組織活性化や生産性向上について講演する一種のコンサルタント業である。
詐欺師まがいから芸能人以上の人気者まで様々だが、彼らは1対1ではなく必ず大勢の人々を前に講演する。
集団心理の分析能力に長けており、数十分のスピーチだけで人々を元気にしてしまうというから凄いものだ。

・・・という話は本題ではない。

YouTubeが始まった最初期の頃に、ジェドソン・ライプリーさんというオジサンが有名になった。
謂わば最初期のユーチューバー、彼が2006年に投稿した「ダンスの進化」という動画が大変な話題になったのである。
EDMを含めたダンス界隈では有名な動画のひとつで、再生回数は2015年に3億回を突破して更に伸び続けている。

このオジサンがモチベーショナル・スピーカーの専門家だと知った時、なんとなく合点がいったのだ。

Good Morning America
ABC News

まずは笑顔から、ということで講演の最後にこのダンスを披露していたことがきっかけらしい。

現在はこのダンスで有名になったものだから、オジサンだがオジサンなりにダンスが上手い人になってしまった。
兎も角、2006年の動画で見れるダンスはダンスとしては決して上手くないが、特徴を掴むセンスは本当に凄まじい。
実際はあんな動きはしていないダンスも結構あるのに、「そうそう、そうだよ」と納得させられるダンスになっている。

こういうのは、前述した彼のモチベーショナル・スピーカーとしての才能も関わっているように思う。

この曲は...懐かしくて泣けてくる
"Blue (Da Ba Dee)" Eiffel 65
Bliss Corporation s.r.l.

中三になる甥が絵やゲームに興味を持ち、今、音楽に、特にEDM系に夢中になっている。

自分とまったく違うのは、自宅やゲーセンを含めて踊りまくることである。
甥によると、セガのmaimaiはプロ級(自称)、DDRはeスポーツに出場できる級(自称)だそうだ。
夢を持ち、夢中になること自体はいいことだ、勉強もして欲しいが、彼の調べ物の手伝いをして驚いた。

ダンスの踊り方ひとつひとつにも、何百という「名前」があるのだ。

ちょっとした動きの違い、手の向きや足の運び、ムーンウォークだけでも何十種類とある。
素人の自分は実際に見せられても違いがまったく判らない、三回転半と三回転半ひねりなどは同じに見える。
以前、映画「トロン・レガシー」のメイキングを見た時にも似たようなことで驚いたのを思い出した。

ジェムたちの演技、あれは、撮影現場ではクラシック・バレエを応用した振り付けだったのだ。

"Free Yourself" The Chemical Brothers
Outsider / Virgin EMI Records

振付師の「アン、ドゥ、トロワ!」という手拍子に従って演技するジェムたちに驚いた時と同じだ。

専門と名乗るからには、やはり本当に専門家なのだ。
好きでなければならないし、才能もなければならないし、運もなければならないし、食べていかなければならない。
あらゆる「なければならない」に束縛されながら、それを乗り越えた者だけが、専門家なのだ。

そうあって欲しいと思う。

November 22, 2018

桜田

なんというか、だんだん桜田さんが気の毒になってきた。

Keira
(Wallis Currie-Wood, ATF Interviewer #1) :
   There's gonna be a couple of interviews today, Ben.
   We wanna make sure that we both find the right fit.
   Business as usual is not really our motto, so we hope you have some fun here.
   This is the first time we are hiring senior interns, so some of our intern questions may not exactly fit your profile,
   but we're gonna go for it anyway, okay?

ケイラ
(ワリス・クリー=ウッド、ATF面接官 1人目)
   今日は面接を数回受けてもらうわね、ベン。
   お互いの適性を見つけられるようにしたいの。
   ありがちな仕事のやり方なんて社風じゃないし、あなたも楽しんでね。
   シニア・インターンの採用は今回が初めてなのよ、だから面接官の質問があなたの経歴に合わないかもしれないけど、
  とにかく面接はやらなきゃ、いいかしら?
※ATFは、主人公ベンがシニア・インターンシップに応募した
ファッション通販サイト「About The Fit」の略称。

Ben Whittaker
(Robert De Niro) :
   Fire away.

ベン・ウィテカー
(ロバート・デ・ニーロ)
   どうぞ何でも。

Keira :
   Okay, good.
   ...Where’d you go to school?

ケイラ:
   大丈夫ね、いいわ。
   ・・・学校はどこへ?

Ben :
   I went to Northwestern.

ベン:
   ノースウェスタン(大学)です。

Keira :
   Hey, my brother went to Northwestern!

ケイラ:
   あら、私の兄もノースウェスタンよ!

Ben :
   Probably not at the same time.

ベン:
  恐らく同じ時期ではないでしょうね。

Keira :
   Probably not.
   He graduated in 2009.

ケイラ:
   多分違うわね。
   兄は2009年の卒業だもの。

Ben :
   Class of ‘65.

ベン:
   65年度生です。

Keira :
   Ha-ha, Whoa!
   What was your major?
   ...Do you remember?

ケイラ:
   あはは、凄いわね!
   何を専攻してたの?
   ・・・覚えてる?

"The Intern" Nancy Meyers
Warner Bros. Pictures

Samantha
(Molly Bernard, ATF Interviewer #2) :
   And after Northwestern, you went on to...

サマンサ
(モリー・バーナード、ATF面接官 2人目)
   それでノースウェスタン卒業後、あなたが勤めたのは・・・

Ben :
   I went to work for Dex One.

ベン:
   デックス・ワンで勤務しました。
※印刷会社。

Samantha :
   Okay, and they made...

サマンサ:
   なるほど、それで作っていたのが・・・

Ben :
   Phonebooks.

ベン:
   電話帳です。

Samantha :
   (Oh...)

サマンサ:
   (へー・・・)

Ben :
   I was in charge of overseeing the printing of the physical phonebook.
   I did that for over 20 years, and before that I was their VP of sales and advertising.
※Vice President
ベン:
   私は電話帳の印刷工程の責任者でした。
   20年以上は担当しましたが、それ以前から販売と広告部門の部長職も任されていました。
※最近、「デジタル何々」の対義語として「フィジカル何々」というのをよく見かける。
physical phonebook は「物質的電話帳」、つまり紙媒体の「アナログ電話帳」という意味。

Samantha :
   So, do they still make phonebooks?
   I mean, doesn't everyone just Google numbers?

サマンサ:
   あの、電話帳ってまだ作ってるんですか?
   いえその、みんながグーグルってわけじゃないんですね?

Ben :
   I believe they do, but before Google that was how you got...

ベン:
   そう思いたいところですが、グーグル以前にはどうしていたかといいますと・・・

Samantha :
   Oh, no, no.
   Yeah, I get it.

サマンサ:
   あ、いえいえ。
   大丈夫、解りました。

"The Intern" Nancy Meyers
Warner Bros. Pictures

Justin
(Nat Wolff, ATF Interviewer #3) :
   So, 40 years at the phonebook company?
   That is amazing, seriously.
   Okay, Benjamin.
   Now, I'm gonna ask you one of our more telling questions for all of our interns,
so I want you to,
   like, this is the one to really think about, okay?
   And take your time.
   ...'Where do you see yourself in 10 years?'

ジャスティン
(ナット・ウォルフ、ATF面接官 3人目)
   それで、電話帳の会社に40年だって?
   凄いね、マジで。
   よし、ベンジャミン。
   いいかな、僕は君にも質問するし、インターン全員にも必ず聞く質問があるんだけど、
   だからキミも、それについて本気で考える、みたいな、いいかい?
   じゃ、急がなくていいからね。
   ・・・「10年後の君はどうなってる?」

Ben :
   ...When I'm 80?

ベン:
   ・・・私が80の時ですね?

Justin :
   Yeah, sure.
   Yeah, Whatever, Um...Wait.
   Did not realize you were 70.
   That question just doesn't work for you, does it?
   Should we just scratch that one and just move on?

ジャスティン:
   うん、そう。
   うん、なんだろ、えーと・・・待った。
 70歳だとは思わなかったよ。
   今の質問は君に合ってなかった、こともないかな?
   ちょっと戻ってやりなおさなきゃだよね?

Ben :
   It's your call, Justin.

ベン:
   お任せしますよ、ジャスティン。

Justin :
   Okay, that one's gone!
   You look great, by the way, so great, and you're clearly more than qualified for this job.
   You're actually, like, way overqualified, and we were so impressed.
   You had great interviews, great video.
   You nailed it, Ben.
   Congrats!
   You're an intern.

ジャスティン:
   よし、今のなし!
   君は凄いよ、なんていうか、マジ凄い、つまりこの仕事に必要な条件以上だよ。
   君って実際、凄すぎる、みたいな、マジで感動したもん。
   素晴らしい面接に、素晴らしいビデオ面接。
   釘付けだったよ、ベン。
   おめでとう!
   君はインターンだよ。

"The Intern" Nancy Meyers
Warner Bros. Pictures

「男のハンカチは、女性が涙を流した時のためにある」

なーんて、デ・ニーロに諭されたら、そりゃどんな男でもハンカチ持ちますがな。

桜田さんも、なんとか名誉挽回できる機会が来るといいですね。

November 15, 2018

雑記

最近、EURO NEWSをよく見る。

見るというか、洗濯や掃除の時にラジオ代わりに流してるだけだが。
なるべく偏らないように、なるべくフラットに伝える、という編集方針が気に入っている。
特に「No Comment」のコーナーは映像素材を編集抜きでそのまま流すという点で大手放送局では珍しい。

先日は丁度、夕食の食器を洗いながら、パリで開催された第一次世界大戦の終戦百周年記念式典をライブで見れた。

小雨が降る中、ホストであるマクロン大統領お付の公式カメラマンは3~6人だったように思う。
ステディカム装着の動画担当が2~3人、白いズームレンズ装着の静止画担当が2~3人くらい、か。
彼らを仏軍の広報担当らしき人物が「はいどうぞ、撮って」「はいお終い、引っ込んで」といった感じで誘導していく。

雨の中、撮る方も撮られる方も、大変だ。

"Truth Is A Beautiful Thing" London Grammar
Metal & Dust / Ministry of Sound

あんまり話題にならないが、イギリスのキャサリン妃は写真に詳しい。

卒業したセント・アンドルーズ大学では美術史を専攻し、研究テーマに写真史を選んでいる。
学位論文のタイトルは「天国の天使たち:ルイス・キャロルにおける幼年期の写真的解釈について」。
時折公開される王室の公式写真も、妃ご自身がEOS 5D Mark IIやPowerShot Gシリーズで撮影したものが結構ある。

ただし、「プロ」ではない、当たり前だ。

妃が王立写真協会(RPS)の名誉会員に選ばれた時、現地で軽く炎上してしまった。
曰く「写真に対する熱意だけが選考理由なら、むしろ他の会員や本当のプロに失礼」という反対派。
曰く「そもそも王立だし、名誉職なんだし、宣伝の意味もあるんだから、いいじゃない」という賛成派。

なんか、あんまり話題にならない方が幸せだったかも、どうか末永く写真を愛してあげてください。

Sordid Affair from "The Inevitable End" Röyksopp
 Dog Triumph

寒い、そろそろ羽織るものがないと夜はきつい。

コンビニにタバコを買いに行くだけだが、舐めてた、湯冷めしそう。
空が澄んでる、だから星が滲んで見える、でもこれは俺の目のせいだ。
いい眼鏡が欲しい、一番いい時はフレームとレンズで合わせて10万くらい出してた。

1円玉を数えてからタバコを買いに出るようでは無理か。

あれ、いつもの店員じゃない。
あの店員は俺と似たような歳だったが、シフトが変わったのか、辞めたのか。
まさか死んだのか、それはないか。

聞いてみるほど親しくはない。

Midnight from "Ghost Stories" Coldplay
Parlophone / Atlantic Records

店先で一服、久々の雑記で写真ネタがあまり浮かばない、誰もいない赤信号の交差点を眺めて、ぼんやりして、帰った。

November 10, 2018

The Man in the High Castle

"We are all insects. Groping towards something terrible or divine."
      "The Man in the High Castle" Philip Kindred Dick, US 1962

"我々はみんな虫けらさ。得体の知れない恐ろしいもの、あるいは神々しい何かを模索する虫けらなんだ。"
     「高い城の男」フィリップ・K・ディック、1962年

中間選挙が終わった。

言葉通り「中間」ではあるが、選挙人を介さない一般投票という点において興味深い。
特に今回は、投票日を休日にする会社や料金を値下げする交通機関もあったりして注目度が高かった。
2014年の中間選挙では投票率が35%前後だったというから、今回は40%以上は確実だと思う。

以下「ざっくり」で「約」を全て切り捨て、この40%で計算してみたい。

現在、アメリカの人口は3億人なので、40%とは1億2千万人のアメリカ人のことである。
地球の人口は75億人なので、1億2千万人のアメリカ人とは1.6%の地球人のことである。
アメリカで実際に投票資格を持つ人間はもっと少ないので、まあ1%の地球人としておこう(多分1%もないだろうけど)。

で、今回は接戦だったらしいので半々にする。

つまり、中間選挙で具体的に大統領を支持したのが0.5%の地球人、反対したのが0.5%の地球人である。
残りは、棄権したり、そもそも投票資格がなかったり、海の向こうの話で関係なかったりした99%の地球人である。
統計学の専門家に聞けば、それで何の問題もないと答えるに決まっているし、その通りのはずである。

まったくその通りのはずなんだが、ある小説を思い出した。

ブレードランナー繋がりで
今や「サー」となったリドリー・スコット卿が製作総指揮を務める。
10人近い監督が持ち回りで各話を担当し、ドラマ化はやはり映像化が重要なポイントになるためか
ゴールデンゲートを悠々とくぐる大和など、マニアが喜びそうなシーンも多い。
"The Man in the High Castle" series
Amazon.com, Inc.

小説「高い城の男」はアメリカのSF作家、フィリップ・K・ディックの代表作である。

1962年に発表され、SFというよりも、SF的手法を用いた本格的な歴史改変小説の先駆けとして名高い。
ヒューゴー賞作品であるし、近年はAmazonで実写ドラマ化もされているのでお時間があればお薦めしたい。
なお、小説とドラマではかなり違う部分があるが、これは他の作品と同様でご留意いただくしかない。

物語の骨子は同じ第二次大戦後で、枢軸国が勝利して連合国が敗北しているという、現実と逆転した世界が舞台である。

なお小説は戦記がメインではなく、戦後の世界で取引される美術品や骨董品の真贋、易学などが軸となる群像劇だ。
そして、超大国となったドイツと日本が東西を分割している世界で、ある禁書が人々の間で話題となる。
その禁書とは「イナゴ身重く横たわる」(The Grasshopper Lies Heavy)と呼ばれる小説で、作者不明であった。

この小説には「もし連合国が勝利して枢軸国が敗北していたら」という「架空の世界」が描かれていたのだ。

“Did you hear the Bob Hope show the other night?
 He told this really funny joke, the one where this German major is interviewing some Martians.
 The Martians can’t provide racial documentation about their grandparents being Aryan, you know.
 So the German major reports back to Berlin that Mars is populated by Jews.”
      "The Man in the High Castle" Philip Kindred Dick, US 1962

「いつだったかの晩のボブ・ホープ・ショーを聞いた?
 彼がすっごく面白いジョークを言ったのよ、あるドイツ人の少佐が火星人たちを取り調べてたんだって。
 火星人たちは自分たちの祖父母がアーリア人だっていう証明書を提出できないの、当たり前よね。
 だからドイツ人の少佐はベルリンに報告するわけ、火星にはユダヤ人が住んでおります、って。」
     「高い城の男」フィリップ・K・ディック、1962年

まだ暫くの間、99.5%の地球人は、0.5%の地球人に支持されたアメリカン・ファースト大統領と付き合うわけだ。

November 6, 2018

仕掛

手品係になっちゃったぁ?

そんな係があるのか、しかも毎週か、どういう係なんだ。
ホームルームのお楽しみタイムで手品を披露する係って、そのまんまやん。
そういうのは手先の器用な奴が、いやいや、お子さん達がやればいいじゃないんですかね。

決まっちゃった、ネタはどうしようって、知らんがな。

Johnny Depp:
   David.
   That was amazing.
   I've gotta go to the bathroom.

ジョニー・デップ:
   デイビッド。
   こりゃ驚いた。
   ちょっとトイレ行ってくる。

さっすが、落ち着いてらっしゃる。

"The Cheat with the Ace of Diamonds"
Georges de La Tour, 1635
Louvre Museum

アホか、こんなん真似できたらこれで食ってるっての!

October 31, 2018

仮装

アバキンのザ・ヴェニューで聴いて、結構いいんじゃないかと。

活動歴は長いようだが、公式なデビューは昨年のようだ。
なんというか、若い人達にはYouTubeすら古臭く感じるメディアになってるんだなあと痛感する。
健全ではあるけれど、空気や感覚ではなく、調べないと掴めないようになってしまったのはちょっと悲しい。

それにしても驚いた。

アバキンでは数十万人が繰り返し聴いてるはずだが、YouTubeではその10分の1以下にも達してない。
テレビに出てるから凄い、YouTubeの再生回数が多いから凄い、そういうのが本当になくなってしまった。
いいね!と思っても、実際にいいね!ボタンを押す奴は限られるだろうし、大変な世の中になったものだ。

一番驚いたのは、トトロとカオナシのシールが貼ってあることだけどね。

"Down The Rabbit Hole" Chambers
London Records

そうそう、国営放送のプライムタイムのトップニュースが渋谷のハロウィーン騒動だったことにも驚いた。

世の中には、もっと報せなければならない出来事があるだろうに。

October 20, 2018

姫様

ディズニーの姫様は嘘をつかない。

どうしても嘘をつかなければならない場合は、必ず観客に対して納得できる理由が明示される。
嘘をつかなければ王子様が死んでしまう、なるほどそれは仕方がないね、君は悪くないよ、というワケである。
これがユニバーサルとかドリームワークスの姫様になると、まるで人間みたいな嘘や隠し事があったりする。

ただし、共通点もある。

Rapunzel:
   Who's that?
ラプンツェル:
   あれ誰?

Flynn:
   They don't like me.
フリン:
   あいつらオレのことが嫌いでさ。

Rapunzel:
   Who's that??
ラプンツェル:
   あれ誰??

Flynn:
   They don't like me either.
フリン:
   こいつらもオレが嫌いなんだよね。

Rapunzel:
   Who's that???
ラプンツェル:
   あれ誰???

Flynn:
   Lets just assume for the moment, that everyone here doesn't like me!
フリン:
   今ここにいる全員、オレのことが嫌いなの!

Rapunzel:
   Here!
ラプンツェル:
   持って!

Captain of the Guard:
   I've waited a long time for this.
警護隊長:
   この時を待ってたぞ。

Flynn:
   Oh mama!
   I have got to get me one of these!
フリン:
   こりゃ凄ぇ!
   こういうのはひとつ持ってるもんだな!

Maximus:
   Neigh!
マキシマス:
   ヒヒ~ン! ※当然、牡馬です。

Flynn:
   You should know that this is the strangest thing I've ever done!
フリン:
   お前こんな変なドタバタ、いくら俺でも経験ないぞ!

Frying pan:
   Clank!
フライパン:
   カン!

Flynn:
   How about two out of three ?
フリン:
   3回勝負ってのはどう?

"The Bridesmaid"
John Everett Millais, UK 1851
The Fitzwilliam Museum

それは、版権が厳しいことと、とにかく男が悪いことである。

October 7, 2018

壊戒

Thank you all for your bidding.
Four hundred million selling here at Christie’s.
And the piece is... sold!

ご入札いただき誠にありがとうございました。
クリスティーズは4億(ドル)でお売りいたします。
従いまして当作品は・・・落札です!

The Last da Vinci
Christie's

昨年11月、美術品関連のオークション史上で最高額となる作品が出た。

世界で唯一の個人所蔵品だった、ダ・ビンチの絵画「サルバトール・ムンディ」である。
クリスティーズが10%程度の手数料を取るので実売価格は4億5千万ドル、日本円で約508億円となった。
落札価格は兎も角、右から左で5千万ドルも取んのかよと思うが、管理費や保険料だけで数億円というから仕方がない。

消費税だっていずれ10%になる訳だから、似たようなもんだ。

それにしても、こういう売買の中継を見ていると見事に金銭感覚が狂う。
ギリギリで競り合うといっても、数分間で数億円単位のビットを掛け合っていくのだ。
感覚としては、缶コーヒーを買う時に100円のやつか120円のやつかで思案するような感じなのか。

おお、財布の小銭が結構あるから消費税を考えても150円のコーヒーまでいけるかも、みたいな。

ま、貧乏人は放っておいて、今年は目玉商品が、失礼、注目作品があまり出ないなと思っていたのである。
注目作品はオークション各社のプレビュー(入札予定者の下見と話題作りを兼ねた展示会)がニュースになる。
ここ最近そういうのを見かけないなあと思っていたが、とんでもないニュースが入った。

イギリス在住のストリート・アーティスト、バンクシーによるアクリル画「赤い風船に手を伸ばす少女」だ。

顔はもちろん、名前も年齢も性別も経歴も不明、複数人同時存在説まである、ゴルゴ13みたいな覆面芸術家だ。
街中の壁にゲリラ的に描く手法なので、現代版のキース・へリングみたいな位置づけなのか、結構な人気がある。
その彼(彼ら?)が、ちゃんとしたキャンバスに描いて立派な額に入れた作品、ということで話題にはなっていたらしい。

そして昨日の10月6日、サザビーズにこの「赤い風船に手を伸ばす少女」が出た。

予想落札価格は20万から30万ポンド。
開始数分で跳ね上がり、最終的な落札価格は86万ポンド、日本円で約1億3千万円となった。
そして、オークショナーが「もうありませんか? ありませんか? 落札です!」とハンマーを打ち鳴らした瞬間・・・

"Balloon Girl" Banksy
Horrified Sotheby's bidders watched as the work was destroyed,
and Banksy reacted saying "Going, going, gone"
The Daily Mirror

... Once the hammer went down on a winning bid of £860,000 - worth £1.04million when a buyer's premium was added - the piece was shredded by a mechanism hidden in the frame's base.

・・・約1億3千万円(買い手が支払う手数料を加えると約1億5千万相当)で落札された途端、額の中に隠されていた装置によって作品が裁断(シュレッダー)されてしまった。

Stunned art lovers gasped as the piece was destroyed, with parts of it emerging in strips from the frame.

芸術愛好家たちがこの破壊に愕然とする中、作品は細切れになって額から垂れ下がっていた。
6 Oct 2018
         The Daily Mirror, UK

「バンスキーの絵画『少女と風船』、100万ポンドで売却された数秒後に自滅」
2018年10月6日
         デイリー・ミラー(電子版)、イギリス

落札者に聞いたら「驚いた」って、そりゃ誰でも驚くっての!

October 4, 2018

人海

Delete.
削除。

Ignore.
無視。

Delete, delete, delete... ignore.
削除、削除、削除・・・無視。

Ignore... delete.
無視・・・削除。

Delete.
削除。

"Every minute,
500 hours of video are uploaded on YouTube,
450,000 tweets are releaced on Twitter,
2.5 million posts are made on Facebook."

「現在1分間に、
YouTubeでは500時間分の動画が投稿され、
Twitterでは45万件の呟きがあり、
Facebookでは250万件の記事が作成されている。」

"But everything that goes up... doesn't always stay up."

「しかしその全てが・・・そのままとは限らない。」

Delete.
削除。

"The Cleaners" Hans Block & Moritz Riesewieck
取材内容を考えれば大変な労作であったことは容易に想像できる。
合計7社ものプロダクションが共同制作してなんとか完成し、
それをドイツからオランダのプロダクションへ移籍させ、
やっと世界公開まで漕ぎつけたようだ。
現時点で、国内公開は未定である。
Cinematography: Max Preiss & Axel Schneppat
Gebrueder Beetz Filmproduktion / Grifa Filmes

ドイツ製作のドキュメンタリー映画で、サンダンス映画祭の上映あたりから世界的に注目されるようになった。

あらゆる「不適切な画像」や「不道徳な動画」を監視するモデレーター達の実態を取材した作品である。
先日、NHKの国際コンクール「日本賞」でも審査を通過したらしいが、そのNHKだってここまで取材できるかどうか。
共同監督のハンス・ブロックさんとモーリッツ・リーゼヴィックさんのお二人がまだ若いことにも驚いた。

世の中がAIだ自動化だと騒いでも、結局は現状、数万人という単位の人海戦術でしか対応できないらしい。

結果、時給1ドルから3ドル程度という低賃金な国の人々が日々「時計仕掛けのオレンジ」状態になる。
あらゆる暴力、あらゆる虐待、あらゆる差別をモニターで見続け、削除するかどうかを判断し続けるのだ。
出勤してから退勤するまで、ベテランのモデレーターなら1日で数万件というチェックをこなすらしい。

そして残念ながら、狂ってしまうモデレーターや、精神疾患のリミットまでギリギリというモデレーターが続出する。

数年前、米軍で盛んにドローンが導入された際に、操縦士たちが高い確率で病むことが話題になった。
それと大きく異なり、より深刻なのは、この作品に登場する人々が軍人ではなく一般人だということだ。
BBCの特集では、幼児虐待の画像やテロリストの残虐な動画などで病んでしまったモデレーターが取材に応えていた。

Facebookでは年内にモデレーターの役職を2万人まで増員するそうである。


Delete.
削除。

September 7, 2018

隠佳

"The meeting with Boaz took place in winter, 2006.
「ボアズと再会できたのは2006年の冬だった。

ヘブライ語の原題は「ואלס עם באשיר」、日本では邦題「戦場でワルツを」として吹替版も公開されている。
"Waltz with Bashir" Ari Folman
The Match Factory / Sony Pictures Classics

That night, for the first time in 20 years, I had a flashback of the war in Lebanon.
その夜、二十年ぶりに初めて、私はレバノン内戦の記憶がよみがえった。

主人公アリ・フォルマンは監督自身であり、従軍していたレバノン内戦時の記憶を失っている。
"Waltz with Bashir" Ari Folman
The Match Factory / Sony Pictures Classics

Not just Lebanon, West Beirut.
レバノンの西ベイルートだけではないのだ。

ドキュメンタリーであるが「あるシーン」を除き、全てアニメーションによって物語が語られる。
"Waltz with Bashir" Ari Folman
The Match Factory / Sony Pictures Classics

Not just Beirut, but the massacre at the Sabra and Shatila refugee camps."
       Ari Folman

ベイルートだけでなく、サブラーとシャティーラの難民キャンプでも虐殺があったのだ。」
       アリ・フォルマン

実在する複数の人物が一人のキャラクターで表現されるなど、実写では不可能な演出も効果的に使用されている。それでいて、マンションの住人たちが眺める目の前で繰り広げられる市街戦シーンといった、ドキュメンタリー以上にドキュメンタリーなシーンにも驚かされる。
"Waltz with Bashir" Ari Folman
The Match Factory / Sony Pictures Classics

久々に当たりのアニメーション作品だったので、敢えて現状の主流に苦言を呈する。

こういう分野の表現方法に良いとか悪いとかはない。
いつも努めて、なるべく、そう考えて観るようにしている。

それでも、最近の日本で大量生産されるアニメーションの絵柄には反吐が出そうになる。

オタクという単語に恨みはまったくない。
まったくないが、まるで、いわゆるオタクがオナニーのために描いたようなキャラクター。
そういうキャラクターはどんなに美男美女でも、中の人、つまり描いた奴の匂いが滲み出ていて気持ちが悪い。

「What had they done」や「Shadow Journal」など、美しい音楽を担当したマックス・リヒターは西ドイツの作曲家である。
"Waltz with Bashir" Ari Folman
The Match Factory / Sony Pictures Classics

HENTAIと呼ばれて満足ならそれもいい。

が、いい加減に少しは考えた方が作り手自身の為であると思う。
でないと、東京オリンピック頃を境に、ジャパニメーションは消費され尽くすことになるだろう。

でなければ、少なくとも俺が観たいジャパニメーションはその頃には絶滅しているようなな気がする。

"Waltz with Bashir" Ari Folman
The Match Factory / Sony Pictures Classics

アニメーションは、もっと自由な表現方法だったはずだ。

August 20, 2018

意地

Freysa:
The man with the green jacket, the one who killed Sapper.
Find out what he knows.
フレイザ:
緑のジャケットを着ている、サッパーを殺った男だ。
知っていることを探るのだ。


"Blade Runner 2049" Denis Villeneuve
Cinematograph: Roger Deakins
Warner Bros. Pictures / Sony Pictures Releasing

BiBi's Bar Doxies:
Hi.
Hello-hello, A boy.
You alone?
ビビのバーの娼婦たち:
ねえ。
もしもーし、お兄さん。
ひとり?

Doxie A: (Spoken language)
Tää jätkä on Blade Runner.
Se on vitun vaarallinen.
Annetaan sen olla.
Doxie A: (English subtitle)
He's a fucking Blade Runner.
I recoginse him.
This guy is dangerous... You coming?
娼婦A:
こいつ糞ブレードランナーじゃん。
解ってんの。
こいつはヤバいって・・・戻ろ?

Mariette:
It's okay. 
It's fine.
マリエット:
大丈夫。
平気よ。

※英語字幕の方を訳した。
娼婦A(脚本では娼婦#2)を演じた女優のクリスタ・コソネンはフィンランド語で話している。
前作と同じく、様々な言語が日常的にごちゃ混ぜに飛び交う超多国籍な世界観が演出されている。
なお、フィンランド語では「こいつブレードランナーよ。超ヤバいよ。ほっとこうよ」と言っており、
英語字幕にある文末の「You coming?」部分に相当する意味合いの台詞は言っていない。


"Blade Runner 2049" Denis Villeneuve
Cinematograph: Roger Deakins
Warner Bros. Pictures / Sony Pictures Releasing

Mariette:
Wanna buy a lady, a cigarette?
...Oh, you don't even smile.
マリエット:
女かタバコでも買う?
・・・あら、ウケないみたいね。

K:
Didn't you hear your friends?
Don't you know what I am?
K:
友達の話聞いてなかったのか?
俺のこと知らないんだろ?

Mariette:
Yeah... Guy eating rice.
What's that?
マリエット:
そうね・・・メシ食ってる奴って。
これなに?

K:
It's a tree.
K:
木だ。


"Blade Runner 2049" Denis Villeneuve
Cinematograph: Roger Deakins
Warner Bros. Pictures / Sony Pictures Releasing

Mariette:

Oh... Never seen a tree before.
It's pretty.
マリエット:
へー・・・木って見たことないんだけどさ。
キレイよね。

K:
It's dead.
K:
枯れてる。

Mariette:
Now, who keeps... a dead tree?
Hmm... You're not gonna kill me, are you?

マリエット:
それじゃ、枯れた木なんか・・・大事にしてるの?
うふふ・・・わたしを殺る気なんて、ないでしょう?

K:
Depends.
What's your model number?
K:
状況による。
おまえ型番は?

Mariette:
Why don't you look under my eye and find out?
マリエット:
わたしの目を覗いて調べればいいじゃない?



"Blade Runner 2049" Denis Villeneuve
Cinematograph: Roger Deakins
Warner Bros. Pictures / Sony Pictures Releasing

Joi
<Jingle from WALLACE Corp's Home Automation AI "Joi">
<ウォレス社製自宅管理AI「ジョイ」からの呼び出し音>

Mariette:
Ohh, You don't like real girls.
...Well, I'm always here.
マリエット:
なーんだ、現実の女は好きじゃないってことね
・・・いいわ、わたしいつもここにいるから。


"Blade Runner 2049" Denis Villeneuve
Cinematograph: Roger Deakins
Warner Bros. Pictures / Sony Pictures Releasing

ごめん、実はまだ観てない。

だって
つまんなかったら、怖い。

それに
面白かったら、もっと怖いから。

まだ観れない。