April 27, 2017

洒落

表参道駅のB3出口から出た時だった。

「今、どこ?」
「B3から出て、丁度UFJ銀行を曲がったとこですけど?」

とりあえず向かってくれと言うから歩き出したが、嫌な予感。
それにしても今更ながら、この辺りはお洒落だ、単なる裏路地なのに。
表参道の本通りは大きな店が多くて、デカいショッピングモールの店が並んでるだけって感じがあるけど。

この辺りは小さな店が多くて、その分、オーナーさんの好みがハッキリしてて面白い。

Battles - "DREI" EMIKA
Emika Records

一旦、骨董通りに出て、この辺りはファミリーマートまでお洒落だ、と思った時だった。

「あのな、先方が迷ってるらしい」
「え、この期に及んでですか?」

ニキータの狙撃対象じゃあるまいし、そんな直前まで迷うクライアントって一体何者やねん。
ところで思ったんだが、こういうファッションや美容関係が集中する街があるなら、その映像版もあればいいのに。
小さな撮影スタジオや個人の映像プロダクションなんかが密集するような路地、あったら面白いと思うけど。

道に面して並んだいろいろなショーウィンドウが、そのまま街のギャラリーになるような。

Cara Delevingne with Storm Models
London Fashion Week Fall/Winter 2013/14, Topshop Show Space AW13
@joeachilles

根津美術館の竹垣が見えてきた時だった。

「すまん、キャンセルだ」
「じゃあ、仕方ないですね」

ギャラが入るなら、公開シーズンの燕子花図でも観てから帰ったというのに。
すると隣にゴミ収集車が止まり、ガバガバとゴミ袋を食べ始めたので、これも食うかとカメラバックを差し出した。
食べてくれた方が清々するだろうなと思いつつ、よいしょとカメラバックを担ぎ直す。

GW中の休業のお知らせをドアに貼ってる美容室のお姉さんが、小さなクシャミをした。

"The Neon Demon" Nicolas Winding Refn
Amazon Studios / Broad Green Pictures

なんか、お洒落なクシャミだった。

April 24, 2017

教育

人の子よ、驚きをもってパンを食べ、慄きと恐れをもって水を飲め。
    エゼキエル書 第12章18節

"Waterworld" Kevin Reynolds
Universal Pictures

エンゲル係数が高かろうが低かろうが、「いただきます」と「ごちそうさま」だけはしっかり言いなさい。

April 23, 2017

.mp3

例の近所のスーパーにて。

まただ、また気になる曲がBGMで流れてる、買い物する手が止まってしまう。
ごく普通の、どこにでもある大手のスーパーなんだが、他の支店も同じような選曲なんだろうか。
この店に詳しい店員がいるのか、それとも80年代あたりの曲は使用料がお安くなってるから一律で流してるのか。

キャベツを手にしながらそんなことを考えても、1円も安くならないってのに。

... I am sitting in the morning
At the diner on the corner
・・・朝、わたしは座ってる
街角の店にね

I am waiting at the counter
For the man to pour the coffee
わたしはカウンターで待ってる
店員さんがコーヒーを注いでくれるのを

And he fills it only halfway
And before I even argue
それなのに彼は半分しか注いでくれなかった
それで文句を言おうとしたら

He is looking out the window
At somebody coming in
彼は窓の外を見てる
誰かが入ってきた


... "It is always nice to see you"
Says the man behind the counter
・・・「いつもありがとうございます」
彼はカウンターの向こうから声をかけた

To the woman who has come in
She is shaking her umbrella
入ってきた女の人にね
彼女は傘を振ってる

And I look the other way
As they are kissing their hellos
だけどわたしは目をそらす
二人は挨拶のキスをしてたけど

And I'm pretending not to see them
And instead I pour the milk
もちろん二人のことは見て見ぬふり
だからわたしはミルクを入れたりしてる


... I open up the paper
There's a story of an actor
・・・わたしは新聞を読む
ある役者さんの記事があった

Who had died while he was drinking
He was no one I had heard of
飲みすぎで死んじゃったんだって
わたしの知らない役者さんだけど

And I'm turning to the horoscope
And looking for the funnies
それで占いに目を移したり
他に面白いことを探したり

When I'm feeling someone watching me
And so I raise my head
その時、誰かに見られているような気がして
わたしは顔を上げた


... There's a woman on the outside
Looking inside does she see me?
女の人が外にいる
彼女が中を覗いて、わたしを見てる?

No, she does not really see me
Cause she sees her own reflection
違う、彼女はわたしなんか見てない
彼女は窓に映った自分を見てる

And I'm trying not to notice
That she's hitching up her skirt
だから気にしないことにしたの
だって彼女はスカートを直したりしてるし

And while she's straightening her stockings
Her hair is getting wet
それにストッキングを引っ張ったりしているうちに
彼女は髪が濡れちゃった


... Oh, this rain it will continue
・・・もう、この雨はしばらく止まなそう

Through the morning as I'm listening
To the bells of the cathedral
朝の調べが聞こえてくる
大聖堂の鐘の音が

I am thinking of your voice ...
わたしはあなたの声を想ってた・・・


( ... And of the midnight picnic
Once upon a time before the rain began
( ・・・真夜中の散歩
雨が降るずっとずっと前から

I finish up my coffee
It's time to catch the train ... )
わたしはコーヒーを飲み干した
もう電車に乗る時間なの・・・) ※( )内はオリジナルのみ

Tom's Diner - "Solitude Standing" Suzanne Vega
A&M Records / PolyGram

♪ テッテテーレ、テッテレーレ、テッテッテレ、テッテレーレ ♪

という彼女の有名なハミングは、なぜかリミックス版の編曲によって広く親しまれるようになった。
これの原音はアルバム「ソリテュード・スタンディング」の冒頭に収録されていて、ハミングそのものは1回だけ。
口遊むような詩語りとこのハミングが終わると、大ヒットした曲「ルカ」が流れ始めるのだ、懐かしい。

なお、MPEGでMP3を開発した技術者が大ファンで、この「トムズ・ダイナー」が音声圧縮の評価基準になっている。

April 22, 2017

雑感

先日の事件は本当に驚いたし、残念な結果だった。

去年、保護者の持ち回りで小中合同の夏休み夜間パトロールに参加した。
トラブルがあっても必ず誰かが通報できるように単独で行動せず、出来れば三人体制で、という指示だった。
今夏は、誰も口にしないだろうが、この三人体制はお互いを監視する意味合いも含むことになるのだろう。

誰も信じるな、その通りだしかし、子供たちの前で実際に「誰も信じるな」と言うのは結構辛いもんだぜ。

House of God - DHS
Hangman Records / X-Energy Records / R & S Records

ここまで緊張が高まるとは思わなかった。

正直、自分が生きてる間にアジアで、極東地域でこうなるっていうのは想像してなかった。
アメリカはベトナムで懲りてるし、結果「東洋人は理解できない」ということを理解したんだと思ってた。
それがここまで介入してくるというのは何か余程の「見通し」があるんだろう、と疑われても仕方がない。

多分もう何処かの誰かが賽を手にしている、後は、投げるだけだ(投げないでくれよ!)。

Automaton - Jamiroquai
Virgin EMI Records

駄目、我慢できない。

寝癖ができる長さなんかでやってられるかってんだ。
バリカン持ってこい、うっせえ、ないんならハサミ持ってこい。
こんな自分勝手に伸びてく奴の相手なんかしてられるか。

ということで、再び短髪へ。

Dark and Long - "dubnobasswithmyheadman" Underworld
Junior Boy's Own

いろいろと、さっぱりだ。

April 3, 2017

人生

1936年、雑誌LIFEの創刊号。

この表紙を、マーガレット・バーク=ホワイトの作品「フォート・ペック・ダム」が飾ったことは有名だと思う。
それでは、LIFEの最後の表紙は何処の誰の何という作品が飾ったのか、これを即答できる人は少ないと思う。
それには原因があって、厳密には今迄に廃刊になったことが一度もなく、休刊と復刊を繰り返してきたからである。

今迄に7回の休刊があったので、つまり7つもの「最後の表紙」が存在していることになるのだ。

7回目の休刊は2007年で、現在もあくまで休刊中という姿勢なのだが、以降の版権はTIME社が所有することになった。
そして同社はLIFEというブランドを公共性の高い遺産として捉え、ウェブでアーカイブを公開するようになった。
この状況から考えるとLIFEは今後、2007年の休刊号が紙媒体としては「最後の表紙」になる、と考えていいと思う。

なお、その休刊号とは2007年4月20日号だが、やはりモノクロ時代のキレは失われているように感じる。

Margaret Bourke-White at Radio City Music Hall, New York 1935
Photo: Hulton Archive

さて、これらを舞台背景として設定したのが、2013年の映画「LIFE!」(原題:The Secret Life of Walter Mitty)だ。

監督も務めたベン・ステイラーが、コミカルだけでなくシリアスも交えて鬱々とした中年の主人公を演じている。
この主人公が2007年当時のTIME社に勤務し、LIFE部門のフィルム管理という閑職に就いているのである。
写真好きなら歓喜する閑職だし、あのTIME & LIFEビルで働けるなんて羨望の的すぎるが、映画なのでそうはいかない。

休刊号の「最後の表紙」に相応しい写真を、膨大なフィルム・コレクションから選び出すという難題に直面するのだ。

しかも絞り込んだ末、最有力候補となった写真のネガが紛失していることが発覚するのである。
撮ったのは誰だ、生きる伝説の写真家ショーン・オコンネルじゃないか、しかし彼は常に所在不定だぞ。
なんだって、彼がグリーンランドで何かを撮ろうとしてる、締め切りまで時間がない、こちらから会いに行くしかない。

といった具合にハリウッドらしいテンポで、ヒューマン系ドラマなのにアクション満載、なかなかいい映画だと思う。

ただし、伝説の写真家による「本当に撮りたい写真」に対する回答は、心中複雑な思いで観させてもらった。
この回答は、恐らく、人間(映画)としては大正解、写真家(現実)としては不正解、のような気がする。
この一点だけは、今後しばらく思い悩むことになると思うので、素直には納得しかねた。

それでもやはり、雑誌LIFEの社訓がちりばめられた旅立ちのシーンは、写真を志す者が奮い立つには充分だろう。

To see the world,
things dangerous to come to,
to see behind walls,
draw closer,
to find each other,
and to feel.

That is the purpose of LIFE.

世界を見よう、
危険に立ち向かおう、
壁を乗り越えよう、
もっと近づこう、
お互いを知ろう、
そして感じよう。

それがライフの目的だから。

Margaret Bourke-White with the first cover of LIFE magazine, 1965
Photo: Walter Daran

Saturate yourself with your subject, and the camera will all but take you by the hand and point the way.
    from Margaret Bourke-White's "Portrait of Myself"
Simon & Schuster, Inc 1963

あなたが壁に突き当たった時、カメラを手に取れば、カメラはあなたに進むべき道を指し示してくれることでしょう。
    マーガレット・バーク=ホワイト著「ポートレート・オブ・マイセルフ」より
サイモン&シュスター出版、1963年