September 30, 2013

因縁

今月21日、ケニアでテロリストの襲撃事件(ケニア・ショッピングモール襲撃事件)があった。

場所は、首都ナイロビにある大型商業施設「ウエストゲート・モール」。
正午頃、約10名から15名程とされるテロリストたちが銃や手榴弾で攻撃しながら店内に乱入。
この時点で数十名の民間人が死亡、逃げ遅れた数百人の民間人を人質にして立てこもった。

23日、釈放された人質の一人で4歳の男の子、エリオット・プライア(Elliot Prior)が話題になる。

太股を撃たれた母親を庇い、エリオットはテロリストに向かって「やめろ!お前は悪い奴だ!」と叫んだのだ。
虚を衝かれたか、情が揺らいだか、テロリストは傍の商品棚にあったチョコレートをエリオットに渡すと、こう言った。
「逃げなさい」、そして母親に向かって「許してください、私たちだってモンスターじゃない」と。

母親はエリオットだけでなく、近くにいた子供たちも一緒に連れ出して無事に脱出することができた。


ここまでの内容は、世界中はもちろん、国内のメディアも大きく報じた。

エリオットとテロリストの交わした会話はメディアによってかなり差がある。
テロリストたちは覆面をしており、具体的に誰がエリオットと母親を逃がす判断をしたのかも解っていない。
現場の混乱を考えればそれは仕方のないことで、エリオットが勇敢であることに変わりはない。

しかし、この事件はここから更に興味深い展開となる。

23日の夜、ジョモ・ケニヤッタ大統領の指揮する治安部隊が突入を開始。
24日の夜、大統領がテロリストの制圧と事件の収束を宣言。
60名以上の民間人と数名の治安部隊員が死亡、数百名の負傷者が確認された。

テロリストたちは治安部隊の突入時に数名が射殺され、同時に数名が逮捕されている。
しかし、目撃証言などからテロリストの人数が合わず、混乱に乗じて何名かが逃亡してしまったことが確認された。
26日、ICPOを通じて最重要国際指名手配犯の詳細が公表される。

その一人、サマンサ・ルースウェイト(Samantha Lewthwaite)容疑者。

通称、ホワイト・ウィドー(White Widow)、白い未亡人。
1983年、北アイルランド生まれ、英国陸軍の父親にバッキンガムシャーで育てられたという、生粋の英国人女性。
高校時代にネット上でジャマイカ系英国人のジャーミイン・リンゼイと知り合い、イスラム教に改宗、結婚。

ロンドン大学のオリエンタル・アンド・アフリカ研究学院に通い始めた頃から政治活動にのめり込むようになる。

全米同時多発テロの余波が残る2005年、夫のジャーミインはロンドン同時爆破事件で自爆、死亡。
この事件を幇助したとされるサマンサは3人の我が子を連れて逃亡、指名手配犯となった。
イギリスはサミットや王子の結婚式、オリンピックなどを目前に控えており、国家の威信を掛けてサマンサを追う。

2009年、南アのヨハネスブルクにナタリー・フェイ・ウェッブという偽名で潜伏していることが確認される。
2011年、モンバサの隠れ家でロンドン同時爆破事件と同じ構造の爆発物が発見された。
しかし、サマンサは何れも直前に逃亡している。

情報は錯綜しているが、今回のケニア・ショッピングモール襲撃事件でサマンサが目撃された。

過去の目撃情報では、当たり前だとは思うが、子供と一緒にいるときはごく普通の母親にしか見えないという。
こうなると、エリオットのエピソードにも何かこう、何かがあるような気がしてくる。
盗人にも三分の理、程度で済む話しではないし、既に後には引けないだろう。

絆されたとは思いたくないが、それでも、自首を願う。

"The 7 July 2005 London bombings" often referred to as 7/7.
Photo : Andrew Stuart / ASSOCIATED PRESS, US 2013

1967年、西ドイツのベルリンをイランのパフラビー2世、いわゆるパーレビ国王が訪問する。

当時、世界的に盛んだった学生運動は西ドイツでも全く同じ状況で、この訪問でも抗議活動が行われた。
オペラ劇場の大通りを挟み、前方は賛成派で右派系の若者たち、後方は反対派で左派系の若者たちが占めた。
そして、後の報告書では「直接的な原因は不明」と書かれるであろう些細なきっかけで、大乱闘となった。

一網打尽とばかりに警察が介入、一人の学生が「誰か」に射殺され、西ドイツの学生運動は一気に過激化する。

この実話を取り入れて当時を忠実に再現したのが、映画「Der Baader Meinhof Komplex」だ。
世界配給では「The Baader Meinhof Complex」となり、要はバーダー・マインホフ症候群ということになる。
男女二人の創設者の名から「バーダー・マインホフ・グルッペ(グループ)」と呼ばれた、ドイツ赤軍(RAF)を指す。

理想と現実の乖離、矛盾、分裂は、連合赤軍と寸分も違わず、皮肉にもその点が理解を手助けしてくれている。

"Der Baader Meinhof Komplex" Ulrich Edel, Bs : Stefan Aust
Germany / France / Czech 2008

事実は小説よりも因縁めいており、それを俯瞰できるのは、神か映画の観客のみである。

September 28, 2013

祝電

お久しぶりです。

一昨日に届きました。
渋谷区での写真展、おめでとうございます。
前回の写真展のお知らせから約半年が過ぎた訳ですね。

月日が流れるのは本当に早い。
こちらは相変わらずで、スーパーの店員を続けています。
いろいろ思うところはあるんですが、まあ、あんまり考えても仕方がないです。

田舎なのでこれといった娯楽もありませんが、町ぐるみでケーブルテレビと契約しているのが救いでしょうか。
それから以前に書いた図書館へ通ったりして、息抜きしながら無理せずやってます。
店で働いて、映画を観たり本を読んだりして、寝る。

淡々と繰り返す日々です。

Episode 1 : The Addams Family Goes to School -"The Addams Family : Season 1" Arthur Hiller
ABC-TV, US 1964

そういえば最近、乗り物に乗ってないですね。

電車は、乗る機会がない。
バスは、朝晩だけのローカル運行だし、路線は明後日の方向なので、やっぱり乗る機会がない。
車は、店の軽トラがあるけど、倉庫から正面の出入口へ重量物を移動する時くらいだから、乗るって感じではない。

飛行機や船は、夢のまた夢。

自転車があるじゃないかと思うけれど、町の作りが基本的に車を前提にしてるんですよね。
そうすると、自転車で行けるエリアには、これといって行きたい場所がない。
一番近かった、唯一タバコを置いてるコンビニは、今夏に閉鎖してしまいました。

道端の雑草を眺めつつ、歩くしか、ありません。

Chapter 1 : Welcome Back, Gaijin - "Wolverine : Back in Japan" At : Jason Aaron, Il : Adam Kubert,
MARVEL, US 2012

個人的には、リニア新幹線は全線を地下に施設した方がいいと思います。

富士山を眺めるために地上路線を考えたり、観光拠点で停まったりというのは、愚の骨頂だと思う。
ロマンというのは、当時最先端だった物事が充分な時を経てから、自然に醸し出されるものだと思うんです。
旅情みたいなことは、最初から組み込もうとしない方がいい。

極端かもしれませんが、駅は東京(品川)と大阪の二駅だけでもいいと思う。
ビジネスユースとして割り切り、そこから料金を設定して構わない。
その代わり、絶対的な最速と最短を目指す。

本質が「速さ」にあるなら、そこから一切ブレないようにした方が結果的には成功する気がします。

"Euro Trip" Jeff Schaffer, US 2004

あるアメリカの大学生がメールで親しくなった相手の名前が Mieke だったんです。

英文のやりとりだから「マイク」だと思っていたら、実は「ミーカ」と読むドイツ人の美女だった。
これはもう、実際に会いに行くしかないということで、友人たちと連れ立って彼女の住むベルリンを目指します。
ところが、外国語は苦手だし、旅費をケチりたいし、地理感覚が滅茶苦茶だしで、なかなか辿りつけません。

迷子結構、滑稽上等、意外に面白い映画ですよ。

そうそう、ブラックアウト中にドナ・サマーの「ホット・スタッフ」が流れてますね。
この曲も、例のイタリア人、テクノの巨匠、ジョルジオ・モロダーがプロデュースしてるんです。
テクノを語る上でドイツとイタリアは双璧ですからね、いつか行ってみたい。

まあ、そうやって夢に描いている時が一番幸せなんだろうけどね。

以上、お粗末ではありますが、電車特集をもって祝電とさせて頂きました。

Mi Scusi (失礼)!