焼き直しに新解釈、リメークにリブート等々、よく懲りずにやるもんだ。
一定以上の売り上げが保障されるっていう制作側の事情も理解できるよ。
新人さんにとってはいい勉強になるだろうし、まずは観て知ってもらうっていうのは大切だからね。
だけどさ、失敗した時には「あれがベースでこれかよ」っていうダメージも増すような気がするんだけど。
1968年の映画「ブリット」は、公開当時は衝撃だったろうね。
それでいて説得力のある、観客たちが物凄く納得できる仕上がりだったと思うんだ。
それが21世紀にもなって、例えば市街地で女刑事が強制停車させた、しかも新車がだよ、MT車ってどうなのよ。
緑の旧型ビートルが横切るとか、そんなネタはどーーーでもいいんだってば。
"Bullitt" Peter Yates, US1968 Warner Bros. & Seven Arts |
だけどもだ、これだけは言っておくよ。
1976年の映画「キャリー」の焼き直しになる2013年の映画「キャリー」は、一番駄目な例だと思う。
個人的に1976年の方は、小中高校ぐらいの、特に教職に就いてる大人にも観て欲しいと思う映画なんだよね。
2013年の方は駄目、駄目だよ、内容じゃなくて映像技術の焼き直しなんだもん。
ジャンルはホラーだよ、だけど当時「いじめ」みたいな身近な問題を取り上げた映画はまだ珍しかったんだ。
いじめられ続けた女の子の怒りが頂点に達して超能力として爆発するなんて、陳腐な表現だと思うよ。
でもね、この映画はいじめを丁寧(徹底的)に描いたから、当時の子供は震え上がり、大人も驚いたんだ。
だから、恐ろしく絵空事なんだけれども、どこか共感や納得できるものがあったんだと思う。
今現在のいじめを描写しないで最新のCGを見せたいなら、過去の「キャリー」に沿う必然性はどこにあんのよ。
"Carrie" Brian De Palma, US 1976 United Artists |
プロモーション用のドッキリ企画の方が面白かったよ、あはは、ってどういうことなのよ。