January 24, 2018

深夜

こんばんは、レディオ深夜便です。

いや、ラジオって言うと某番組と被るかと思いまして。
あの名曲ばりに、壊れ、かけの・・・レディオ、深夜便です。
年が明けて最初の放送になりますね、如何お過ごしでしたでしょうか。

本格的に冷え込んでいるので、風邪などひかぬよう皆様ご自愛を。

さて、最初の曲は、ちょっとパワフルに行きましょうか。
Mobyのユニット曲で「Erupt and Matter」です、2年前のアルバムかな、ミュージックビデオは去年でしたかね。
しかしこの人も長いです、最初のシングル「Go」が二十年以上前ですからね、え、あ、じゃあ2曲続けますか。

Mobyで、最初に「Erupt and Matter」、続けて「Go」、どうぞ。

Erupt and Matter - "These Systems Are Failing" Moby & The Void Pacific Choir
Little Idiot / Mute Records

最近、偶然ですけど、ちょっとショックだったことがあって。

去年、ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさん、そうですイギリス国籍の。
日系の方らしいんですけど、いやだからなのか、日系だからってことで結構ニュースになってたじゃないですか。
それでね、子供がデュエル・マスターズのカードを探すからって、近所のレンタルビデオ屋さんに連れてったんです。

有名なチェーン店の、中古のスマホなんかも扱ってる大きなレンタルビデオ屋さんです。

こっちは待ってるだけだから、映画のコーナーをブラブラしながら待ってたんです。
そしたら、カズオ・イシグロさんが原作の映画ですってポップが立ってて、目立つように飾り付けられてたんですよ。
マーク・ロマネク監督の「わたしを離さないで」って映画で、以前、いつも邦題で損してる人だって話したかも。

それでね、「わたしを離さないで」のDVDが5枚くらいあったんですけど、誰も借りてなかったんです。

結構ショックでしたね、ノーベル賞で謳っても、それでも駄目なのか、売れないのか、って。
最近はネットで観てるから、とは思ったけど、じゃあ他の話題作の映画があれもこれも貸出中なのはなんでだろうって。
これじゃあ文学やってる人、真剣に小説を書いてる人は本当に大変だろうなあと思いました。

近未来の切ないお話ですけど、とてもいい映画なので、みなさんも機会があればご覧になってみてください。

そろそろ一曲ですかね、えーと、シングルが先行しててフルアルバムが去年出たばかりなんですが。
アイスランドのバンドでこの季節にピッタリですね、こういうのは北の方っていうイメージ、ありますね。
ABBAはスウェーデンだし、あ、はいはい、関東地方の方は途中で交通情報と天気予報になるそうです。

それでは、Vökの「Waiting」です、どうぞ。

"Waiting" Vök
Record Records

雪もほとんど溶けて、交通情報はだいぶ落ち着いたみたいですね。

そうそう、皆さんは雪景色と聞いて、何色を想像しますか。
雪景色っていうのは、僕にとっては珍しい光景というよりも、懐かしい光景なんです。
それで、よく白銀とか銀世界みたいな言い方をしますけど、雪国で生活していた人間からすると明るすぎる感じ。

僕にとっての雪景色は灰色、グレーです。

雪がしんしんと降り積もる、なんて言いますけど、そういう時って全てが灰色になるんですよ。
山の稜線とか、空と建物の境とか、そういうのがすべて消えて、どこからが空で、どこからが地面か解らなくなる。
本格的に降り始めると太陽も厚い雲に遮られるから、昼と夜の境目がぼんやりして、日中でも灰色の世界。

夜は夜で雪の反射があるから、やっぱり灰色の世界なんです。

さて、次の一曲はナイジェリア出身でイギリスでデビューした方ですね。
硬派なヒップホップ、Stormzyとのフューチャーで話題になったRay BLKの曲「My Hood」です。
Hoodってラップでもよく耳にする単語なんですけど、フードじゃなくて、Neighborhoodの後ろのフッドですね。

近所の省略なんで、俺の地元、ジモピー、みたいな感じです。

My Hood & Chill Out - "Durt" Ray BLK aka Rita Ekwere
Not on Label

これも最近なんですけど、こないだ溜息が出ちゃいました。

仕事先で若い人、そうですね、二十歳手前の男の子なんですけど。
話しててなんか変なことを言ってるなと思ったんですよ、Googleについて変なこと聞いてくるから。
それでよくよく話してみたら、パソコンのブラウザでGoogleを使ったことがないって言うんです。

そういうのを聞いたことはありましたけど、そう、スマホしか使ったことがないっていう人に初めて出会いました。

だからパソコンのブラウザでGoogleを開いた場合、どっからログインするのか解らないって。
始めは冗談かと思ったんですけどね、違うらしい、パソコンの前で真面目に迷ってるんですよ。
これには強烈なジェネレーション・ギャップというか、これが常識になりつつあるのか、とも思いました。

なんかこう、最近いろいろ世間とズレてるなと思うことが多かったですけど、あの子には本当に溜息が出てしまった。

ネットが普及する様子を見ながら生きてきて思うんですけど、変わらないものは変わらないみたいです。
昔、ネットによって国とか世代とか、そういうあらゆる壁が次第に取り払われていく、みたいな話がありましたけど。
なんかぜんぜんですよね、相変わらず他の国のことはよく解らないし、他の世代のこともよく解らない。

基本、そういうのはどんなに便利なツールがあっても無理なことなんだな、って心底痛感しました。

さて、時間もなくなってきたので最後の曲です。
最後もMobyで〆ましょうかね、一曲目と同じ、The Void Pacific Choirとのユニット曲です。
歌詞に結構共感できるというか、まさに最近はこんな感じで、ただただ傍観するくらいしかできないというか。

それでは最後の曲、Mobyで「In This Cold Place」です。

In This Cold Place - "More Fast Songs About the Apocalypse" Moby & The Void Pacific Choir
Little Idiot / Mute Records

レディオ深夜便、また次回お会いしましょう。

おやすみなさい。