August 30, 2013

怪作

あの、すみません。

前回のスカイフォールの歌詞は、勝手に「こうなんじゃないか」と翻訳してみたものです。
物語の流れを踏襲した上で、且つ、独立した楽曲としてなら「この方がいいんじゃないか」と思ったのです。
従って、私的には納得していますが、公的には文責が持てませんので悪しからず。

因みに、日本語特有の「何々よ」や「何々ね」といった、女性が使う終助詞は極力使わないようにしています。

Big Hoops (Bigger The Better) - "The Spirit Indestructible" Nelly Furtado

イギリスの漫画で、1970年代後半に連載がスタートし、現在もファンの多いヒーロー「ジャッジ・ドレッド」。

これが1990年代にスタローン主演で実写映画化された際、頭を抱えました。
売れる時に売るのが商売の鉄則だし、スタローンも当時は脚本を買い漁っていましたから、仕方がないです。
二度と映画化されることはないだろう、という確信だけが残りました。

ところが昨年、再び実写映画化されました。

監督、ごめん知らない。
主演、そうか、スタートレックでマッコイ役だった、あの地味なおじさんか。
悪役、どこかで聞いたような、ああ、ターミネーターのTV版でコナー役の、って、女が敵なのか。

今や女が敵であっても珍しくもなんともないですが、どうも馴染めないというのが個人的な感想です。

しかも、敵とはいえ女が、男に殴られる、男に蹴られる、男に張り倒されるのは、見てて辛い。
ダイ・ハードの4作目にもそれがあって、物凄く嫌な気分になったのを覚えています。
マクレーン刑事は、いくら犯罪者であっても、女の髪を引き千切って殺してしまうような人間性なんでしょうか。

全く期待していなかったジャッジ・ドレッドは、改作の怪作で、快作でした。

舞台は、核戦争後になんとか復興を遂げたものの、貧困層が激増したアメリカ。
人々は超々高層ビルに町単位の人口で住み、スラム化によって犯罪が多発。
結果、超々合理主義により、警察官と裁判官と死刑執行人をひとまとめにした法の番人「ジャッジ」が誕生します。

そして、スローモ(Slo-Mo)という名のドラッグ。
吸引者は、景色が虹色に輝いて見え、ゆっくり動くように感じる世界で、多幸感に浸ります。
この、まるでヘロインなドラッグを仕切っているのが、顔に傷の遺る女ボス、ママ(Ma-Ma)です。

成人指定を受けるだけあって、残酷です。
最近のハリウッドは狂ってるとしか言いようがないくらい、人体が破壊される様子を描写しますね。
しかし、監督がどういうつもりだったのかは知りませんが、悪趣味を越えた映像になってる、と思いました。

ファイナル・ディスティネーション等の、最早ギャグとしか思えない死に様とは一線を画すセンスです。
仮に脚本の執筆段階だったとして、大抵の俳優は、特に女優は、断ると思います。
ママ役のレナ・ヘディは、結果的に株を上げたのではないでしょうか。

突き落とす直前、彼女にスローモを吸引させたのは、ドレッドなりの、微かな情けだったのかもしれません。

Attention : Explicit Content
"Dredd" Pete Travis
海へ、山へ。

夜も繁盛しましたね。
みんな、バーベキューの食材やビールを冷やす氷なんかを大量に買って、出掛けていくんです。
少し羨ましかったけれど、そういうお客さんたちもパタリと来なくなりました。

夏が、終わりますね。

Summit - "Bangarang" Skrillex

夜になると、気の早いコオロギが鳴いています。

August 27, 2013

正義

天が落ちようとも、正義を成せ。

語源は、Fiat justitia ruat caelum というラテン語。
英語で、Let justice be done though the heavens fall となる。
調べてみると、中世ヨーロッパの法律家たちの間で用いられた古い訓戒らしい。

誘惑は多い。
賄賂、噂、嘘、妬み、恨み、罵詈雑言。
渡る世間は有形無形の鬼ばかりだ。

そうして人心が乱れ、家屋が朽ち果て、天が落ちようとも、己は正義を成せ。

"Finger Pointing" Roy Lichtenstein 1973
Georgia Museum of Art, University of Georgia, US

ジェームズ・ボンドは、観客の頭の中に出来上がっているイメージが3つあると思う。

先ず、洗練された男であること。
次に、そういう男に相応しい女がいること。
最後に、そういう男が超法規的な判断を下すのも仕方がないな、と納得できるような悪役がいること。

約142分後。

先ず、洗練された男とは、思えない。
脚本の辻褄とか支離滅裂とかはどうでもよい。
一般人が真似たらギャグにしかならないような、スマートでウィットに富んでるはずの決め台詞が、決まらない。

次に、そういう男に相応しい女が、いない。
Mには、ミシェリーンのネバーセイ・ネバーアゲイン(次はない、なんて言わないで)と言っておけばよい。
女は沢山いるんだけれども、語られるべき女がいない。

最後に、そういう男が超法規的判断を迫られるべき悪役が、小物。
もう私怨でも矮小でも利己的でもなんでもよい。
それってMI6ではなく、警察の仕事なのでは。

50周年の製作に関わった中で、ジェームズ・ボンドを最も理解していた人物は誰か。

それは唯一、アデルだったのではないか。
シャーリー・バッシーは別格として、ティナ・ターナーのゴールデン・アイを越える雰囲気かもしれない。
それから、全然話題にならないが、トーマス・ニューマンの作曲した同名のOSTは小品ながら良かったと思う。

天が落ちようとも、正義を成せ。

&
"Skyfall" Adele

This is the end

これで終わり

Hold your breath and count to ten
Feel the earth move and then
Hear my heart burst again

息を止めて、10を数える
大地の揺らぎを感じ、
再び張り裂ける私の鼓動が聞こえる

For this is the end

そう、これで終わり

I've drowned and dreamt this moment
So overdue, I owe them
Swept away, I'm stolen

溺れる程に夢見たこの瞬間
でも手遅れ、私はなにも出来ない
捕らわれ、私は奪われる

Let the sky fall, when it crumbles
We will stand tall
And face it all together

空が落ち、崩れ去ろうとも
私たちは誇り高く
共に立ち向かう

Let the sky fall, when it crumbles
We will stand tall
And face it all together

空が落ち、崩れ去ろうとも
私たちは誇り高く
共に立ち向かう

At sky fall ...

空が落ちる…

That's Skyfall

それは、スカイフォール

Skyfall is where we start
A thousand miles and poles apart
Where worlds collide and days are dark
You may have my number, You can take my name

スカイフォールが私たちの始まり
遠く離れた対極の地で
世界が衝突する、暗闇の日々
あなたは私のナンバーを奪い、私の名前まで消し去るかもしれない

But you'll never have my heart

でも、私の心までは絶対に奪えない

Let the sky fall, when it crumbles
We will stand tall
And face it all together

空が落ち、崩れ去ろうとも
私たちは誇り高く
共に立ち向かう

Let the sky fall, when it crumbles
We will stand tall
And face it all together

空が落ち、崩れ去ろうとも
私たちは誇り高く
共に立ち向かう

At sky fall ...

空が落ちる…

Chorus x2 : Let the sky fall, When it crumbles, We will stand tall

コーラス x2 : 空が落ち、崩れ去ろうとも、私たちは誇り高く

Where you go I go
What you see I see

あなたが行くなら、私も行く
あなたに見えるなら、私にも見える

I know I'd never be me without the security
Of your loving arms keeping me from harm
Put your hand in my hand and we'll stand

安心できないことは知っている
あなたの腕の中で、私を災いから守って
あなたの手が私の手を取り、立ち上がる

Let the sky fall, when it crumbles
We will stand tall
And face it all together

空が落ち、崩れ去ろうとも
私たちは誇り高く
共に立ち向かう

Let the sky fall, when it crumbles
We will stand tall
And face it all together

空が落ち、崩れ去ろうとも
私たちは誇り高く
共に立ち向かう

At sky fall ...

空が落ちる…

Let the sky fall
We will stand tall

空が落ちようとも
私たちは誇り高く

At sky fall ...

空が落ちる…

August 12, 2013

表情

彼らに「顔」は必要か。

今迄に様々な議論がなされてきた。
基本的には、最も親和性の高いインターフェースだから、という必要論が大勢を占める。
不必要論では、かえって判断を誤らせるのではないか、という主張になる。

機械が、あるいは脳を模倣した機械的な何かが、「心」を持つか、持たないか。
現時点では箸にも棒にも引っかからないレベルだし、今後も暫く「人でなし」の状態が続くだろう。
閉鎖系で済むなら、機能的には顔も心も不必要、とされる。

少なくとも、このドクターは何も感じていない、はずだ。

"Dr. Easy" Shynola

ブラックジャックなら「神様とやら、あなたは残酷だぞ」というあの台詞を、叫ぶだろうか。