ある山のある村に、あるおじいさんが住んでいました。
ある日のこと、おじいさんは孫たちを呼び集めました。
孫たちは三人兄弟でした。
ワシも歳をとって隠居するでな、お前たちに畑を耕す牛を譲ってやろう。
ストローを念じて動かすよ @Julius Dein |
牛は17頭おるから、長男は2分の1の牛を、二男は3分の1の牛を、三男は9分の1の牛を連れていけ。
長男は、割り切れないぞ、と怒りました。
二男は、割り切れない分は肉にしてでも割るしかないぞ、と怒りました。
三男は、畑を耕す牛で食べる牛じゃないぞ、と怒りました。
孫の三兄弟は喧嘩になってしまい、おじいさんは困ってしまいました。
(ふーっ) @Julius Dein |
するとそこへ、どこからともなく、1頭の牛を連れたお坊さんが現れました。
ほうほう、それはそれは、困りましたな。
どれ、よければ私の牛を1頭さしあげましょう。
おじいさんと孫たちはとても喜び、お坊さんにお礼を言いました。
お坊さんがくれた1頭の牛を加えると、牛は18頭になりました。
これって(息吹きかけてるだけじゃ・・・)? @Julius Dein |
もう一度、おじいさんは18頭になった牛を分け合うよう孫たちに言いました。
長男は2分の1なので、牛9頭
二男は3分の1なので、牛6頭
三男は9分の1なので、牛2頭
合計 牛17頭
不思議じゃ・・・牛が17頭しかおらんぞ。
・・・・・!! @Julius Dein |
おじいさんと孫たちは、お坊さんに聞きました。
牛が18頭になったから割り切れたのに、数えてみると17頭しかいませんのじゃ。
お坊さんはにっこり笑うと、まあまあ、割り切れたんだからいいじゃありませんか、と言いました。
そして、お坊さんがひょいと手を振ると、お坊さんが連れてきた1頭の牛は小さな木彫りの牛になってしまいました。
おじいさんと孫たちが驚いていると、お坊さんはいつのまにか、どこかへいなくなってしまいましたとさ。
なんでもない・・・ @Julius Dein |
おしまい。
まあ確かに、分数ってのはややこしいわな。