街金というのは、返済が滞ったり何かがあると、すぐに電話を掛けてくる。
夜中にジャンジャン鳴らす、というのは昔の話か、よほどまともでない相手かの、どちらかだ。
ただ、向こうも工夫はしている。
携帯が鳴る。
見たことのない固定局番や携帯番号だから、うっかり出てしまう。
だから、ネット上には「この番号は誰々からだ」という情報交換が日々溢れ返る。
向こうもそれを知ってるから、どんどん番号を変える。
こちらの携帯には、登録しても数日後には無意味になってしまう数字の羅列がずらりと並ぶ。
こうして、携帯番号がどんどん消費されていく。
今はそんなこともなくなったけど。
たまに頭が痛くなるのは、変わらない。
どうやら祖母が片頭痛に悩んだらしいから、そういうことなのかもしれない。
バファリンを二錠。
登録している派遣先から、短期で保険書類の入力をやってみないか、と電話があった。
保険書類が届く。
記入内容を確認して、データベースに入力する。
当たり前だが、保険書類が届かなければ何もすることがない。
何もしなくていいんですかね、と隣でウトウトしかけている同い年くらいの女性に尋ねた。
居眠りしかけたのは流石にまずいと思ったのか、慌ててコーヒーを啜ると、その女性は答えた。
何もしなくてお金をもらえるんなら、それが一番じゃないですか。
そうか、そうだったのか。
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