「サングラルは古(いにしえ)のロスリンの下で待ち・・・」
千葉県、彼是群、何其町。
いくらなんでもボーボーに伸びすぎたので、久しぶりに髭を剃ることにした。
日常で拘るような生活習慣はほとんどないが、髭剃りだけは昔から剃刀で、と決めている。
「その門を剣と杯が庇い守り・・・」
メーカーに聞いたとしたら、そんなはずはない、品質は一定範囲を保証する、と答えるだろう。
ところが、実際に肌にあててみる剃刀には、メーカーや価格に関係なく、あたり、はずれ、がある。
あたれば、何度剃っても肌に滑らかで、はずれれば、一度剃っただけで刃こぼれに泣く。
「匠の美しき御業(みわざ)に囲まれて横たわり・・・」
絵画などにおける記号論では、刃物は死や不幸の兆しとして示されることが多い。
一方で、刃物は再生のための切っ先でもあって、生そのものへの端緒として示されることがある。
物事は常に多面的で、考え方次第、捉え方次第、その人次第なのだ。
「終(つい)には星の輝く空の下に眠る」 ・・・か。
今回の剃刀は、あたり。
本当に些細なことなのだが、なんだか嬉しい。
髭を剃りながら、乳剤時代のフィルムや印画紙を思い出した。
Arago NS - "The Da Vinci Code" Ron Howard, Bs : Dan Brown, St : Hans Zimmer