例えば、日本酒をジョッキで飲むとか、ビールを猪口で飲むとか、それじゃ美味くないでしょう。
ワインの香りを愉しみたいからって、ワイングラスをバシャバシャ泡立つまで振るのは勿論駄目だよね。
それと同じで、煙草にも喫み方があるんだよ。
難しい拘りではなくて、ごく簡単な基本として二つだけ。
まず、燃焼温度を上げすぎない。
煙を楽しむんだから、煙を出やすくしてやる、つまり、なるべく不完全燃焼の状態を持続させるんだよ。
だから、勢いよくスパスパ吸わないことと、灰をポンポン落とし過ぎないこと。
なるべく完全燃焼しないように、燃えてる部分と空気が触れにくいようにしてやる訳だ。
つぎに、煙には香りが引き立つ適温がある。
大方の煙は吸い口から出てきた直後の温度より、少し下げてやった方が、冷やしてやった方が美味くなる。
銘柄を比べるような時は口に少し水を含んだまま吸って煙の温度を下げてみてごらん、香りの違いがよく解るよ。
燃えてどんどん短くなって煙の温度もどんどん上がる紙巻きに比べて、パイプやキセルの方が美味い訳だ。
そうするとね、縁側で日向ぼっこしながら一服してるお爺ちゃんとかを見てみなよ。
少しづつ、ゆっくり吸って、ゆっくり吐いてるのは、年取ってるからじゃなくて、美味い喫み方を知ってるからだよ。
わざわざ習うようなことではないけれど、周りの大人を見ながら自然に身に付けたんだろうね。
今は、そういう大人が減ったんだろうな。
"Cheech & Chong's Up in Smoke" Lou Adler |
マッカーサー・タイプのコーン・パイプが難しいって言われるのは、そういう基本から外れてるからなんだ。
ボウル(葉を詰める火皿)側面の上の方からジャンク(煙の導入管)が出てる。
わざわざ燃焼部分に近い場所から温度の高い煙を導入してることになるでしょう。
相反するけど、それを冷やすためにあんなに長いジャンクが必要になったんじゃないかなあ。
一般的なコーン・パイプは、ポパイが咥えてるでしょう、ボウルの下の方から短めのジャンクを出すタイプね。
それにしても、どういう理由であんなに変な形のコーン・パイプを愛用するようになったんだろうね。
もしかしたらボウルの中の底は浅いのかなとも思ったけど、葉は一杯詰めてたらしいから底は深いみたいだし。
勿論、パイプは材質の香りも含まれるから、どんな葉を詰めても焼きモロコシ風味になっちゃってたと思うんだ。
普通は、敬遠されがちなパイプなんだよね。
General Douglas MacArthur arrival at Atsugi airdrome of Kanagawa prefecture in Japan, 30 August 1945. Photo : the Army Signal Corps Collection in the U.S. National Archives. |
煙草の健康被害とか、幼稚な口唇欲求とか、そういう批判が知りたければ、ネットがいくらでも教えてくれるよ。