November 25, 2013

暗澹

この辺りには、街灯がないエリアがある。

真っ暗な夜道、という言葉のままになる。
何も見えないのだが、慣れや勘、足に伝わる地面の感触などを頼りに歩く。
時折、本当に時折だが、通り過ぎる車のヘッドライトが周りを照らす。

驚いて、立ち止まった。

雑木林を横切るガードレールの角に、男が座っているのだ。
ポケットに両手をつっこみ、パーカーを被った頭を深く垂れて、座っている。
冗談だろ、ヘッドライトで見えたけど、靴はどうした、なんで裸足なんだ。

お互いの距離から考えて、こちらが立ち止まって「しまった」気配は伝わったはずだ。

車が走り去ると、再びお互いが闇に沈んだ。
真っ黒な地面と僅かに星明かりのある夜空を重ねるようにして目を凝らす。
今、こうやって冷静に考えると不気味すぎるにも程があって、やはり男が裸足で座っている。

どうせなら、すっと消えてくれたりした方がまだ納得できた。

Burning Desire - "Paradise" Lana Del Rey

田舎には、人がいないようでいる、という怖さがある。