November 1, 2015

懸案

今後が心配になってしまう今年最大のニュースは、欧州の難民問題だと思う。

十年どころではない、下手をすると百年単位で後々に影響を及ぼしかねない歴史的な問題だ。
過去、ドイツは大戦直後に労働力の担い手としてトルコ人の大量移民を招き入れた経験はあるが・・・。
人道的には理解できても経済的な限界を宣言して国境を封鎖する周辺諸国の方が正直ではあるような気がする。

そして、ギリシャは日本連合だった場合の京都みたいなものだから、究極的には切り捨てられないだろう。

一方で、この問題に関する沈黙同然のイギリスも不気味だ。
欧州代表という顔をしていながら、金と人のことになると途端に背を向ける。
ジェイムズの名言「神はすべての鳥に虫をお与えになるが、  巣に投げ込むことまではしない」ってやつなのか。

外交の鉄則も度が過ぎると、鳥も虫もいなくなって、終には森が死んでしまうぞ。

"The Children of Men" Phyllis Dorothy James
Faber and Faber / Alfred A. Knopf

子供たちの悲惨なニュースだけは、本当に、正視に耐えない。