May 18, 2017

偏見

直接的な原因は、中東の作戦区域で米軍の男性兵士が困り果てているからなんだそうだ。

現地の文化として、戦時下だとしても、男性兵士が女性をボディチェックすることへの反感が凄まじい。
それなら女性兵士であれば問題ないだろうとなるが、これが「超先進的」な米軍の法規では許されていなかった。
何故なら、中東で女性をボディチェックしなければならない状況というのは、「最前線」だからである。

米軍の2割近くが女性兵士だが、直接的な最前線への投入は禁止されていたのだ。

"And therefore today, General Dempsey and I are pleased to announce that we are eliminating the direct ground combat exclusion rule for women, and we are moving forward with a plan to eliminate all unnecessary gender-based barriers to service.
In a few moments after we speak, we'll both sign a memo that will rescind the '94 barrier."

          Press Briefing by Secretary of Defense Leon Panetta and Chairman of the Joint Chiefs of
Staff General Martin Dempsey
Jan 24, 2013

(4分11秒から)「つきましては本日、デンプシー大将と私(国防長官)は、女性兵士による直接的戦闘除外規則を廃止し、男女同権に基づき不当な障壁を全て取り除く計画を発表できることを光栄に思います。
この会見後、私たちは94項目を含む障壁を廃止する条項に署名いたします。」

          レオン・パネッタ国防長官とマーティン・デンプシー統合参謀本部議長による記者会見
2013年1月24日

現在、試験的な運用が終了し、次に世界のどこかで有事があった場合、本格的に女性兵士が最前線へ投入される。

United States Department of Defense

米軍が採用や編成でLGBT差別を禁止(2015年)、これは当然だと思える。

だが、女性兵士を最前線へ投入するにあたって「男女同権に基づき」という文言が入るのは絶対に間違っている。
差別的と言われようが感情的と言われようが、兵士だろうが、最前線での男女平等だけは断固反対だ。
よく調べてみると、現地の男性兵士が困っていたとして、本当に女性兵士の応援を求めているのか。

他はどうでもいいが、女性兵士を敵前に配置することだけは絶対に止めた方がいい。

Chelsea Girl - Drones Club
"Chelsea Girl", protest song drawing attention to the former US army solider Chelsea Manning.
Jasmine Music Ltd t/a PMR Records

それとも、偏見なんだろうか。

May 15, 2017

黒海

「世界は互いに閉じたままで、いまだに出会うことがない」

これは、昨年に国内で、先日にレンタルで公開されたグルジア映画のポスターに書かれていたキャッチコピーである。
久々に素晴らしい日本語のキャッチコピーだと思っていたので、TSUTAYAで予約して鑑賞させていただいた。
ザザ・ウルシャゼ監督の映画「みかんの丘」とギオルギ・オバシュビリ監督の映画「とうもろこしの島」である。

先ず、ザザ・ウルシャゼ監督の映画「みかんの丘」。

2013年公開の原題は「Mandariinid」、英題は「Tangerines」、現地のグルジア(カルトリ)語で「მანდარინები」。
90年代初頭から続くアブハジア紛争が激化していく中、エストニア人のイヴォとマルゴスはみかん栽培を営んでいた。
彼らは偶然にも、戦闘で負傷したグルジア兵のニカと、同じく負傷したチェチェン兵のアハメドを一緒に助ける。

敵対するグルジアとチェチェンであったが、老人のイヴォは二人の負傷兵にある約束を誓わせるのだった・・・・。

&
"Mandariinid (Tangerines)"  Zaza Urushadze
Allfilm / Cinema 24 / Samuel Goldwyn Films

次に、ギオルギ・オバシュビリ監督の映画「とうもろこしの島」。

2014年公開の原題は「Simindis kundzuli」、英題は「Corn Island」、現地のグルジア語で「სიმინდის კუნძული」。
チェコ、フランス、ドイツ、カザフスタン、ハンガリーの五ヵ国が協力という、難産の末の作品。
独立を宣言するアブハジアと武力阻止で迫るグルジア、その間に流れる自然豊かなエングリ川が舞台。

ある日、ある老人が小さな中州で、孫娘と一緒にとうもろこしを育て始めるが・・・。

&
"Simindis kundzuli (Corn Island)" George Ovashvili
Alamdary Film / 42film / Arizona Prods / Axman Prod / Kazakhfilm

これら二つの映画を知ったのは偶然だった。

2014年2月にソチで冬季オリンピックが開催されていたので、「Techno 5: Russia 1-2」という記事を書いた。
時間も集中力もなく、かといってロシアという括りだけでは大雑把すぎるので、東欧との境界を整理していた。
あの辺りはウクライナにメディアの窓口があるので、お隣りのモルドバのダン・バランあたりから順にと考えたのだ。

そうして3月、ロシアがウクライナ領のクリミアに侵攻した。

もちろん詳しい経路は知らないが、一部で遮断があり、YouTubeで閲覧できなくなったチャンネルもあった。
暫く後、折を見て再閲覧したりしているうちに、これら二つの作品が世界配給されることを知ったのだ。
ロシアは「みかんの丘」でも「とうもろこしの島」でも、物語の転機や背景として重要な存在となっている。

幸いにも、両作品が世界各国で著名な映画賞を受賞したことは、陰ながら拍手を送りたいと思う。

一方、この二つの優れた映画が、国内では二本立てで公開しないと劇場での採算は難しいという現状も知った。
自分も、映画は好きだが映画館に行くことは、子供映画の付き添いでもない限り、もう、ほとんどない。
しかし、パソコンやスマホのモニターではなく、やはり最初に映画館のスクリーンで考えるのが映画監督なのだろう。

それをDVDで鑑賞してしまったことは、寂しく、申し訳ないとさえ思う。

Sukhishvili Georgian National Ballet

前々回の記事「Blog」で、イギリスのバンドKLFの曲「America: What Time Is Love?」を貼った。

このミュージックビデオを最初に見た当時、「左から右へ」ではなく「右から左へ」なんだな、と違和感を感じた。
湾岸戦争があったから編曲されたカバー曲だが、政治思想の左右ではなく、単純に船の進行方向のことである。
あの船は、イギリスからアメリカへ向かっているのだから、つまり「右から左へ」が当然のことなのだ。

被写体の移動やカメラで追うパンニングの方向は、「左から右へ」が原則とされている。

しかし「America: What Time Is Love?」ではカメラワークの原則が負けているのだ。
現地の地理(地図)感覚が優遇され、イギリス人にとって普通の感覚となるように撮影されているのである。
細かいことだが、その逆もあり得る、それは普通の感覚がカメラワークによって黙殺されることだ。

黒海周辺の人々は、西の国と言われると東です、東の国と言われると西です、そういう複雑な心情を持つと聞いている。

Black Sea map
Wikimedia Commons

人々が暮らしている以上、ニュースは戦争の報せだけではないはずだ。

スキシフィリ・グルジア国立バレエ団の撮影ロケーションは、見たこともない場所と素晴らしい建築物だ。
グルジア北西部のクヴェモ・スヴァネティ州ラチャのナンみたいなパンが美味しそう、ぜひ食べてみたい。
この辺りに住む普通の人々は、どんな映画を見て、どんな音楽を聴いて、どんな日常を送っているのだろう。

そう、「世界は互いに閉じたままで、いまだに出会うことがない」のだ。

May 13, 2017

Blog+

前回の記事に補足する。

久しぶりに総点検したら、いつの間にかNavberがオンになっていた。
最初はデフォルトになっているが、任意で外せるページトップのマーク(ファビコン)等である。
いらんいらん、オフだオフ、勝手にオンにしやがって。

待てよ、今回の新テンプレートに合わせて他にもいろいろ確認が必要なんじゃあるまいな。

"Relax, Stanley.
 Now ... I have been told that the best crackers in the world can do this under 60 minutes,
 But unfortunately I need someone who can do this under 60 seconds."

「落ち着け、スタンリー。
 さて・・・世界最高峰のクラッカー(ハッカー)はこれを60分で出来るそうだが、
 残念だな、俺が必要としているのは60秒で出来る奴なんだ」

"Swordfish" Dominic Sena
Warner Bros.

使ってる以上、Google様は俺様のことを何でも知っている。

表示はされてないが、新しいガジェットも追加されたらしいので確認してみる。
あれもいらんこれもいらん、いらんいらん、あれ、なんだこの「不正行為の報告」ボタンってのは。
これを自分から任意で貼るってのは、どういう利用状況を考えてるんだろう。

コンビニが「警察官立ち寄り所」って貼るようなもんか。

いや違う、それはコンビニが通報しますよと警告してるんであって、客に通報してくれって意味じゃない。
一般的なブログで、自分から「どうぞ不正があったらここを押して家主に報告してください」なんて貼るだろうか。
じゃあ「正々堂々やってます」という意味なら、企業のブログなんかが前提ということなんだろうか。

いや待て、企業といえど、わざわざ「110番」を自分から表示してるブログなんて見たことあるか?

Ready, Steady, Go - "Southern Sun/Ready Steady Go" & "Bunkka" Paul Oakenfold
Perfecto Records / Perfecto Records

調べたら、やはり新しいガジェットの「不正行為の報告」を疑問に感じた他の利用者がいるようだ。

最近のGoogleはよく解らん、Google+で焦っていることだけはよ~っく解るが。
だーから、AdSense(いわゆるアフィリエイト)はやらんっつってるだろ、まったくもう。
このブログでAdSenseを認めて、同時に「不正行為の報告」が任意って、矛盾してるだろ。

そうか、その矛盾に気付かせてくれるのが狙いなのか、なあ?

May 11, 2017

Blog

ちょっと迷ってる。

このGoogle Bloggerに新しいテンプレートが追加された。
以前にも書いたが、時にちょこまか、時にがっつり、Googleは唐突に仕様を変更するのである。
実は現在もPicasaがGoogle Photosへ統合するために勝手に、失礼、自動的に移行中なのだ。

まだ工事(思案)中だけど、Soundshelfを始めたきっかけのひとつがDynamic Viewsの採用だった。

Track 1 (00:18-04:40): 3 A.M. Eternal
Track 2 (05:12-08:52): Last Train To Trancentral
Track 3 (09:16-13:00): What Time Is Love
Track 4 (13:00-15:20): This Is Not What The KLF Is About - Support Feature
3 A.M. Eternal, Last Train To Trancentral, & What Time Is Love - "The White Room" The KLF
KLF Communications

ところが、Googleでさえ時代の流れに乗るのは難しいようだ。

端末のCSSから判別して自動的に最適な表示になることを前提とした最初のテンプレートだったのだが。
いざ使ってみると問題山積、異種端末間の適合性を高めるために犠牲にすることが多すぎた。
そして今年3月になっていきなり、失礼、満を持して新しいテンプレート4種が発表された。

それが、Contempo (コンテンポ)、Soho (ソーホー)、Emporio (エンポリオ)、Notable (ノータブル) の4種である。

Ten Miles High - "Take Her Up to Monto" Róisín Murphy
PIAS Recordings

試してみたが、うーん、どれもいまいち。

スマホを意識しすぎて、デザインやレイアウトに相当無理がある。
端末互換性を重視してるからHTTPの組み方がガチガチで、どこかをいじるような自由度の余地もない。
このブログのことは棚に上げつつ、正直、パッと見が洗練された感じがしないのはかなり残念なことだと思った。

そもそも無料のテンプレートなんだから種類が増えただけ有難くはあるけれども。

Last Time - "II" Moderat
Modeselektor

かなり前だが、このブログは最初、WordPressで始めた。

重視したポイントは2点のみ。
無理せず気長に続けられるように、そして、なるべくシンプルに、ということだった。
ところが始めてみると、気長でシンプルの2点を維持するためにはいろいろ細かい調整をしなければならなかった。

WordPressは文句なしにカッコいいが、そのカッコ良さのためにはやはり相当な労力が伴うのである。

Gravity - "Tasty City" by Rone, Mv: The Creators Project, France 2012
The Creators Project is VICE's arts and culture platform.
Tasty City - "Spanish Breakfast" Rone
Infiné

Google Bloggerに移行してからも、いくつか他のブログは試してみた。

AmebaブログやFC2ブログは流石で、とにかく使いやすい。
これはGoogleも見習ってほしいが、管理者画面の操作ひとつとっても「日本語」が親切なのだ。
しかし個人的に致命傷(苦手)なのは、デザインやレイアウトの基本的な考え方が「カワイイ」になるから。

どうしてもカッコいいと思えず、どう工夫してもYahoo!的な雰囲気にまとまってしまうのはある意味で凄い技術だ。

How Does It Make You Feel? - "10 000 Hz Legend" Air
Parlophone / Virgin Records

なんてことをあれこれ検討していたら、この記事が途中でアップされてしまったみたいで、失礼しました。

今回の新しいテンプレート4種を検討した結果、やっぱりこのままのテンプレートでしばらく続けます。
このテンプレートはGoogle BloggerのAwesome Incが公開しているWhiteに少し手を加えて調整しています。
誰も気が付かないでしょうけど、PC版のレイアウトは今迄に何度となく横サイズを少しずつ拡大してきました。

もしかしたら、今はスマホやタブレットの方が読みやすい状態かもしれないですね。

May 6, 2017

旋回

一機、二機、三機、ゆっくり旋回してる。

その向こう側にも四機、五機、六機、合計七機が旋回待機中。
GWも終わり、何処にも行けなかったことを地上より悔む。
ぐるぐるぐるぐる、何年も旋回したまま。

離陸よりも、着陸が難しい。

Lower Your Eyelids To Die With The Sun - "Before the Dawn Heals Us" M83
Gooom Disques

それなら、旋回してるだけマシなのか。

May 2, 2017

追越

幸せか不幸せかは別にして、自分の今を信じられるだろうか。

ジョニー・デップが月々の生活費だけで二億円以上なんて、シザーハンズの頃は彼自身も考えてなかっただろう。
スーザン・サランドンもジーナ・デイヴィスも、ハーヴェイ・カイテルもブラッド・ピットも、若い。
スクリーンの中の、オバサンだと思っていたヒロイン、オジサンだと思っていたヒーロー。

彼らの年齢を追い越して、何十年にもなる。

"Thelma & Louise" Ridley Scott
Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.

もう、何十年にもなる。