March 22, 2012
相性
このカット、どう思います?
隣に座っている若いスタッフが聞いてきた。
モニターに2枚の写真が横並びで表示されている。
パッと見たかぎり、同じようなシチュエーションのカットで大差はないように思う。
これでギャラは同じなんですから、いい気なもんですよね。
そこまで言うなら、一体、どこがどう違うのか。
クライアントは気にしないと思うけどね、などと適当に聞き流していて、ふと尋ねた。
撮ったのは誰なの?
こっちは何々さん、こっちは何々さんです。
ああ、写真が気に入らないんじゃなくて、撮影した奴が気に入らないってことか。
とは言えない。
困ったな。
Mind Shift - Genki Sudo with WORLD ORDER
社員が10人いようが1000人いようが、会社の規模は関係ない。
2人以上の人間が集まれば「組織」として考えて行動した方が良い。
大した職歴はないし、なかなか自らは実行できないが、それが経験則としてある。
相性がいい相手との仕事は、いい結果が出せる。
当人たちは面白く感じるし、やりがいや意義なども見い出しやすい。
しかし、組織として考えると、そこに落とし穴がある。
先ず、継続性や柔軟性がない。
相手が変わったから駄目なんだ、という悪循環の因果律に陥る。
仕事の中身は変わっていないのに。
次に、普遍性や拡張性がない。
ツーカーでなければ伝わらない、というのは簡単に言えば仲良しクラブの考え方である。
第三者にとっては、閉鎖的で秘密主義な集団にしか見えない。
これらが引き起こす最大の問題は、客観的な判断ができなくなることだ。
あの人が好き、この人は嫌い、というのは同じことである。
どちらも冷静ではない。
じゃあどうすればいいのか、というのはいろんな人がいろんなことを言っている。
本もたくさん出ているし、大抵のビジネス講座は必ずこの対策を謳う。
それこそ、これで万事解決だという組織論を出せたら、ノーベル経済学賞だろう。
ただ、冷静になるということは、何人にとっても困難だということだけがはっきりしている。
World Order - Genki Sudo with WORLD ORDER
平均年齢が20代という若くて小さな職場だ。
子供っぽい部分と大人っぽい部分が混在するのは仕方がない。
だんだんと相性も解かってきた。
ツーマンセルの撮影チームを考える。
メインは簡単に決まる。
はっきり言って誰でもよく、メインという立場がその人間をメインらしく振る舞わせる。
問題はセカンドで、ここで相性が頭をよぎる。
相性のいいセカンドにかぎって、サブのような立場になってしまうことが多い。
サブは文字通り、補助でしかない。
本来、セカンドは第二の独立した役割を負う。
メインを立てつつも、自らの判断力が必要になる。
相性が良いと、メインに依存するようになり、判断力を失って盲信に近い状態になる。
もう少し自分で考えて撮ってくれ、となる。
相性が悪いと、セレクトしたカットが思い切り被ったりするようになる。
もう少しお互いに譲り合って撮ってくれ、となる。
どっちもどっち、どこの会社も同じです。
2012 - Genki Sudo with WORLD ORDER in Maya