エプロンは、店員であることをお客様に知らせる目印みたいなものだ。
電気屋さんのスタッフが店名入りのジャンパーを着ているのと同じ。
汚れやすいが、食品を扱うので、衛生的にも外見的にも汚れっぱなしという訳にはいかない。
ウエストポーチは、端末を入れておくのが一番の目的。
これに、マッジクやカッター、メジャーやセロテープといった諸々を一緒に入れておく。
店内に出ると、なんだかんだで切ったり貼ったりすることが多いのだ。
商品が目立つようにイメージキャラクターの等身大ポスターを立たせたり、傾いた特売フラッグを直したりする。
ある日、サントリーの米蔵金(埋蔵金ではない)のポスターを手直ししていた。
すると、あるスタッフが「この歳でダンボールの切り貼りかあ」とやたらに嘆いてきた。
すると、あるスタッフが「この歳でダンボールの切り貼りかあ」とやたらに嘆いてきた。
笑いながら「エクセルと睨めっこするよりは気楽でいいじゃないか」と返した。
数日後、そのスタッフは辞職した。
ほとんどのスタッフが中途採用かパートだ。
いろいろな人間が集まるし、皆がそれなりに大人なので、そうそう本心を知る機会はない。
ただ、ダンボールよりも、エクセルの方が一般的に望まれるキャリアであることは知っている。
なぜ、人間を切り貼りする仕事をわざわざ望むのかは、知らない。
冷蔵室で、ウエストポーチのベルトを締め直そうとして腹を引っ込めた。
その瞬間に偶然、あるパートさんが入ってきて「あれ、ずいぶん痩せたじゃない」と言う。
笑いながら「一応、働いてますから」と返してベルトを締めた。
エプロンの中で腹回りをゆっくり緩める。
痩せた、ということにしておいた。
数日後、そのスタッフは辞職した。
ほとんどのスタッフが中途採用かパートだ。
いろいろな人間が集まるし、皆がそれなりに大人なので、そうそう本心を知る機会はない。
ただ、ダンボールよりも、エクセルの方が一般的に望まれるキャリアであることは知っている。
なぜ、人間を切り貼りする仕事をわざわざ望むのかは、知らない。
Black Crow - "Down the Way" Angus & Julia Stone |
冷蔵室で、ウエストポーチのベルトを締め直そうとして腹を引っ込めた。
その瞬間に偶然、あるパートさんが入ってきて「あれ、ずいぶん痩せたじゃない」と言う。
笑いながら「一応、働いてますから」と返してベルトを締めた。
エプロンの中で腹回りをゆっくり緩める。
痩せた、ということにしておいた。