October 16, 2014

自習

日が近づいてきましたね。

ワークショップ、参加者が集まることを願ってます。
鉄道写真を始めてみたい人、もっと詳しく知りたい人、いっぱいいると思うんですけどね。
先程、イベントの総合的な内容を読んでみましたが、当日参加の親子連れなんかもいるんじゃないでしょうか。

とりあえず開講した場合の「つかみ」は考えておきましょう。

"The Lone Ranger" Gore Verbinski
Armie Hammer as John Reid aka Lone Ranger
Walt Disney Pictures

今でもよく覚えてるんですけどね。

大友克洋の漫画「さよならにっぽん」を読んで、そのかなり後なんですけども。
何かの本で、彼はあの作品を一度も現地取材せずに描いた、と知って本当にびっくりしたんです。
いくら天才でもあの当時、資料だけを見て描いて、あそこまで描けるものなんだろうか、って。

よく映画やドラマなんかで、アメリカの都会を描写する時に「蒸気」が写ってるじゃないですか。

少々冷え込むような早朝に、街角の隅や路地裏の勝手口、地面のあたりからもうもうと白い蒸気が立ち昇ってる。
ところが、他の国の街、例えばロンドンやベルリンの街中ではそういう蒸気をあんまり見かけない。
ということは、あの蒸気はアメリカの都会に特有の、何らかの理由がないと立ち昇らない、ということになります。

知らなくても写ってしまうのは、映像技術の進歩による最大の罪ですよね。

洋画は好きな方だから多少はよく観てるつもり、と思ってます。
でも、アメリカ人が、水は論外、ぬるま湯も駄目、熱湯で洗濯しないと納得しない、と知ったのは三十代でした。
どうでもいいことだけれど、そういう街の構造や人々の暮らしを知った時、自分にとっては衝撃でした。

今まで見ていたつもりだけれど、そのほとんどが理解できないまま見てるんじゃないか、ってね。

"The French Connection" William Friedkin
Gene Hackman as Det. Jimmy 'Popeye' Doyle
20th Century Fox

なーんて、うだうだ書いてる奴にかぎって、あかんのですよ。

 Q: Give us a second. I'm looking for him. (ちょっと待ってくれ、奴を探してる)

誰でも、撮って初めて解ることがある。

 007: There's too many people. I can't see him. (人が多すぎる、奴はどこだ)

誰でも、乗って初めて見えることがある。

 Q: Not something you'd know much about. (あんたよりは見えてるよ)

鉄道写真が撮れるようになるまで、電車に乗って家に帰れると思うな、そくらいの覚悟じゃないと。

 007: Do I get on the train? (どうする乗るのか?)

 Q: ... Bond. (...ボンド)

 007: What? (何だ?)

 Q: Get on the train! (撮れ、じゃなかった、乗れ!)

"Skyfall" Sam Mendes
007's baddie Raoul Silva takes a ride on the London Underground.
James Bond pursues him from 'Temple' tube station, to 'Embankment' tube station.
Columbia Pictures
Tube Map
London Underground

最後に、「おち」も考えておいた方がいいと思います。

参加者を「つかみ」でがっちり掴んだら、最後は「おち」で終わらせるのがマナーっすよ。
でも、ばっさり断ち切っちゃう「おち」じゃあ、一期一会とはいえ、あまりにも勿体なさすぎる。
だから、知れば知るほど奥が深い、この先にもっと何かがあるんじゃないかな、と予感させて終わるんです。

ほら、映画でも続編を匂わせるような幕引きの演出ってあるじゃないですか、あれですよあれ。

"RocknRolla" Guy Ritchie
Warner Bros.

本当にいつもすみません。

ワークショップに参加できないので、今回は自習します。

頑張ってください!