February 27, 2017

跳馬

ごく普通の会社というのは、ごく普通に上意下達なんである。

今迄に何度か転職してきて、それは痛感させられた。
ホワイトカラーの人たちとの仕事、あるいはホワイトカラー的な業務内容でそれがひっくり返ることはない。
ある社員さんが「部下は上司の判断に従うだけです」と言い切って正々堂々だったのは本当に驚いた。

なんて真面目なんだと思ったし、ごめんなさい、なんて馬鹿なんだとも思った。

"Office Space" Mike Judge
20th Century Fox

多世界解釈ってのがある。

SFでは昔から好んで使われる定番の設定で、量子力学から導き出された考え方だ。
T字路で右を選んだのなら、別の世界では左を選んだ自分がいて、そうやって分岐していった世界が無限に存在する。
自然界に4つある基本相互作用の中で重力だけが極端に弱い作用である理由は、別の世界に漏れているから、らしい。

この世界の俺の人生は、重力じゃなくて経済力が別の世界にだだ漏れなんだと思う。

"Alexander and the Terrible, Horrible, No Good, Very Bad Day" Miguel Arteta
Walt Disney Studios Motion Pictures

もし大富豪になったとして(あり得ないが)。

あちこち寄付しまくってるのに金が余って困るくらいの大金持ちだ。
移動手段は全て自家用機、空ならジェットかヘリ、海ならヨットかクルーザー。
そこで陸なら、しかも余興として自分で運転するなら、どんな車を選ぼうか。

ひとつだけ、もう決めていることがある(そんな心配するならちゃんと働いた方がいいが)。

それは、フェラーリだけは絶対に買わない、ということ。
自分が乗る姿を想像してみて、これだけ似合わない組み合わせも世の中にないと思う。
しかしこの惑星には、大富豪で、美男美女で、しかもフェラリーが似合う、という人間がいる。

神様は意地悪だ(無神論者だが)。

"National Lampoon's Vacation" Harold Ramis, 1983
"Vegas Vacation" Stephen Kessler, 1997
"Vacation" Jonathan Goldstein & John Francis Daley, 2015
Warner Bros. Pictures

ジープは乗ってみたいと思う、大富豪である必要はないけど。