June 13, 2017

散文

その時、女は言った。

私ね、ピークは高ければ高いほどいいの。
中途半端な平坦がダラダラ続くなんて、そんなの嫌よ。
普通なんて奴は、死んじまえ。

つづく。

Holding On - "Caracal" Disclosure
Island Records

2週間後。

女のインスタグラムが更新されていない。
スマホで何かを撮ろうとしてブレた瞬間にシャッターが切れたらしい。
それが最後の写真になった。

つづく。

Omen - "Caracal" Disclosure
Island Records

精神科医に名医なし。

賢者は語ることがあるから口を開く。
愚者は語るがために口を開こうとする。
沈黙は饒舌なり、言葉を探るなかれ。

普通じゃなかった女は、死んだ。

Jaded - "Caracal" Disclosure
Island Records

その時、男は言った。

俺はダメな奴かもしれないが、それなら君もダメな奴だ。
俺が変わったというなら、君も変わってしまった。
だからこんな話になってるんじゃないか。

男の怒りと女の涙は、同じだよ。

Magnets - "Caracal" Disclosure
Island Records

なんで写真はデータじゃなくてフィルムの方がいいのかって?

そりゃお前、燃やして灰にできるからさ。