Four hundred million selling here at Christie’s.
And the piece is... sold!
ご入札いただき誠にありがとうございました。
クリスティーズは4億(ドル)でお売りいたします。
従いまして当作品は・・・落札です!
The Last da Vinci Christie's |
昨年11月、美術品関連のオークション史上で最高額となる作品が出た。
世界で唯一の個人所蔵品だった、ダ・ビンチの絵画「サルバトール・ムンディ」である。
クリスティーズが10%程度の手数料を取るので実売価格は4億5千万ドル、日本円で約508億円となった。
落札価格は兎も角、右から左で5千万ドルも取んのかよと思うが、管理費や保険料だけで数億円というから仕方がない。
消費税だっていずれ10%になる訳だから、似たようなもんだ。
それにしても、こういう売買の中継を見ていると見事に金銭感覚が狂う。
ギリギリで競り合うといっても、数分間で数億円単位のビットを掛け合っていくのだ。
感覚としては、缶コーヒーを買う時に100円のやつか120円のやつかで思案するような感じなのか。
おお、財布の小銭が結構あるから消費税を考えても150円のコーヒーまでいけるかも、みたいな。
ま、貧乏人は放っておいて、今年は目玉商品が、失礼、注目作品があまり出ないなと思っていたのである。
注目作品はオークション各社のプレビュー(入札予定者の下見と話題作りを兼ねた展示会)がニュースになる。
ここ最近そういうのを見かけないなあと思っていたが、とんでもないニュースが入った。
イギリス在住のストリート・アーティスト、バンクシーによるアクリル画「赤い風船に手を伸ばす少女」だ。
顔はもちろん、名前も年齢も性別も経歴も不明、複数人同時存在説まである、ゴルゴ13みたいな覆面芸術家だ。
街中の壁にゲリラ的に描く手法なので、現代版のキース・へリングみたいな位置づけなのか、結構な人気がある。
その彼(彼ら?)が、ちゃんとしたキャンバスに描いて立派な額に入れた作品、ということで話題にはなっていたらしい。
そして昨日の10月6日、サザビーズにこの「赤い風船に手を伸ばす少女」が出た。
予想落札価格は20万から30万ポンド。
開始数分で跳ね上がり、最終的な落札価格は86万ポンド、日本円で約1億3千万円となった。
そして、オークショナーが「もうありませんか? ありませんか? 落札です!」とハンマーを打ち鳴らした瞬間・・・
"Balloon Girl" Banksy Horrified Sotheby's bidders watched as the work was destroyed, and Banksy reacted saying "Going, going, gone" The Daily Mirror |
... Once the hammer went down on a winning bid of £860,000 - worth £1.04million when a buyer's premium was added - the piece was shredded by a mechanism hidden in the frame's base.
・・・約1億3千万円(買い手が支払う手数料を加えると約1億5千万相当)で落札された途端、額の中に隠されていた装置によって作品が裁断(シュレッダー)されてしまった。
Stunned art lovers gasped as the piece was destroyed, with parts of it emerging in strips from the frame.
芸術愛好家たちがこの破壊に愕然とする中、作品は細切れになって額から垂れ下がっていた。
6 Oct 2018
「バンスキーの絵画『少女と風船』、100万ポンドで売却された数秒後に自滅」
2018年10月6日
落札者に聞いたら「驚いた」って、そりゃ誰でも驚くっての!