Delete.
削除。
Ignore.
無視。
Delete, delete, delete... ignore.
削除、削除、削除・・・無視。
Ignore... delete.
無視・・・削除。
Delete.
削除。
"Every minute,
500 hours of video are uploaded on YouTube,
450,000 tweets are releaced on Twitter,
2.5 million posts are made on Facebook."
「現在1分間に、
YouTubeでは500時間分の動画が投稿され、
Twitterでは45万件の呟きがあり、
Facebookでは250万件の記事が作成されている。」
"But everything that goes up... doesn't always stay up."
「しかしその全てが・・・そのままとは限らない。」
Delete.
削除。
ドイツ製作のドキュメンタリー映画で、サンダンス映画祭の上映あたりから世界的に注目されるようになった。
あらゆる「不適切な画像」や「不道徳な動画」を監視するモデレーター達の実態を取材した作品である。
先日、NHKの国際コンクール「日本賞」でも審査を通過したらしいが、そのNHKだってここまで取材できるかどうか。
共同監督のハンス・ブロックさんとモーリッツ・リーゼヴィックさんのお二人がまだ若いことにも驚いた。
世の中がAIだ自動化だと騒いでも、結局は現状、数万人という単位の人海戦術でしか対応できないらしい。
結果、時給1ドルから3ドル程度という低賃金な国の人々が日々「時計仕掛けのオレンジ」状態になる。
あらゆる暴力、あらゆる虐待、あらゆる差別をモニターで見続け、削除するかどうかを判断し続けるのだ。
出勤してから退勤するまで、ベテランのモデレーターなら1日で数万件というチェックをこなすらしい。
そして残念ながら、狂ってしまうモデレーターや、精神疾患のリミットまでギリギリというモデレーターが続出する。
数年前、米軍で盛んにドローンが導入された際に、操縦士たちが高い確率で病むことが話題になった。
それと大きく異なり、より深刻なのは、この作品に登場する人々が軍人ではなく一般人だということだ。
BBCの特集では、幼児虐待の画像やテロリストの残虐な動画などで病んでしまったモデレーターが取材に応えていた。
Facebookでは年内にモデレーターの役職を2万人まで増員するそうである。
Delete.
削除。