もうそんなに寒くない。
ジャンパーだけ羽織って外に出る。
坂道を上がっていくと、アイドリングの音が聞こえた。
横道の陰に、ライトを消したパトカーが停まっている。
車内の計器に照らされて、フロントガラスに二人の警官の顔が浮かんでいる。
お互いに視線を感じたと思うが、むこうもこちらもやりすごした。
深夜、常に赤信号になる交差点。
違反車を待ち続ける警官。
歩くしかないスーパーの店員。
眠る町。
One Day - Type with one finger |
名乗りくる/小さき春の/夜舟かな
夏目漱石