大ヒットしたので、1989年の第二作目(PART2)から1990年の第三作目(PART3)まで観た人は多いだろう。
この中の第二作目には、タイムトラベルに失敗してしまったが為に大富豪となった悪役ビフ・タネンが登場する。
脚本家のボブ・ゲイルが当時から公言していたので有名な話だが、もちろん誰もがジョークだと知っていた。
そう、大富豪ビフ・タネンは、不動産王ドナルド・トランプがモデルなのである。
Thomas F. Wilson as Biff Tannen "Back to the Future Part 2" Robert Zemeckis Universal Pictures |
その第二作目の劇中では、未来の世界として2015年が設定されていた。
昨年、現実に2015年を迎えて第45代大統領を決める選挙活動が始まった。
自動靴紐のナイキも空飛ぶ車も実現できていないが、アンカーは美人が担当するという固定観念は変わらない。
共和党の第一回討論会は2015年8月に実施され、FOXが放映権を獲得して実況中継となった。
トランプはその時から既に、支離滅裂の無茶苦茶な候補だったんである。
Megyn Kelly : Mr. Trump, one of the things people love about you is you speak your mind
and you don't use a politician's filter.
However, that is not without its downsides, in particular, when it comes to women.
You've called women you don't like ... Fat pigs, Dogs, Slobs and Disgusting animals.
Your Twitter account has several ...
メーガン・ケリー※ : トランプさん、人々があなたを好む理由には政治的に歯に衣を着せずに話すから、
ということはあるでしょう。
しかしながら、欠点がないという訳ではなく、特に、女性に対する時です。
あなたは女性に対し・・・太った豚、ブス、のろま、キモいケダモノなどと発言しています。
あなたのツイッターでもいくつかの・・・
※FOXニュースの人気アンカー。
Donald Trump : Only Rosie O'Donnell.
ドナルド・トランプ : ロージー・オドネル※(に対して言った)だけだ。
※ラリー・キング・ライブで人気の出た女性コメディアン。
(観客爆笑で聞き取れない)Kelly : No, it wasn't.
Your Twitter account ...
ケリー : いいえ、そんなことはありませんよ。
あなたのツイッターでも・・・
Trump : Thank you.
トランプ : (観客に対して)どうも。
Kelly : For the record, it was well beyond Rosie O'Donnell.
ケリー : 記録では、ロージー・オドネルだけではないですよ。
Trump : Yes, I'm sure it was.
トランプ : だろうな、そうに違いない。
Kelly : Your Twitter account has several disparaging comments about women's looks.
You once told a contestant on "Celebrity Apprentice"
it would be a pretty picture to see her on her knees.
Does that sound to you like the temperament of a man we should elect as president,
and how will you answer the charge from Hillary Clinton who is likely to be the Democratic nominee
that you are part of the war on women?
ケリー : あなたはツイッターで女性の外見を中傷する発言を繰り返しています。
あなた自身の「セレブリティ・アプレンティス」※でも出場者に対して
女がひざまずくのは愉快だ、というようなことを言っています。
あなたはそんな人物が国民から選ばれる大統領にふさわしいと考え、
尚且つ、民主党の指名候補となる確率が高いヒラリー・クリントンから
女性の敵だと非難されることについてどう答えるつもりなんですか?
※スポンサーも放送も司会も台本も全てトランプが自分で仕切ってるテレビ番組、本物の金持ちは狂ってる。
Trump : I think the big problem this country has is being 'politically correct.'
I've been ...
トランプ : 私はこの国が抱える大きな問題は「差別表現」だと思ってる。
私がやりたいのは・・・
(拍手喝采)
Trump : I've been challenged by so many people.
And I don't frankly have time for 'total political correctness.'
And to be honest with you, this country doesn't have time either.
This country is in big trouble.
We don't win anymore.
We lose to China, We lose to Mexico.
Both in trade and at the border.
We lose to everybody.
And frankly, what I say and oftentimes it's fun, it's kidding.
We have a good time.
What I say is what I say.
And honestly, Megyn, if you don't like it, I'm sorry.
I've been very nice to you,
although I could probably maybe not be based on the way you have treated me.
But I wouldn't do that.
But you know what?
トランプ : 私は多くの人々と挑戦してきた。
そして正直に言って、「差別表現撲滅」なんかに気をつかってる暇はないんだ。
更に君に正直に言うなら、この国にもそんな暇はないんだ。
この国には大きな問題がある。
私たちはなにもかも勝てていないんだ。
私たちは中国にも負けてるし、メキシコにも負けてる。
貿易も国境もだ。
私たちはみんな負けてるんだ。
そして本音は、私が何か言うと楽しいんだろうさ、冗談なんだけどな。
みんな楽しい時間を過ごすんだ。
私が何か言っちまうのはいつものことなのさ。
そして正直に、メーガン、君が気に食わなかったとしたら、謝るよ。
君はいい奴なんだろ、私は君が私を扱うようには扱えないけどな。
でも、私はそんなことはしないのさ。
でも、いいかい?
(歓声)
Trump : We ... We need strength.
We need energy.
We need quickness and we need brain in this country to turn it around.
That I can tell you right now.
トランプ : 私たち・・・私たちは強さを必要としてるんだ。
私たちはエネルギーを必要としてるんだ。
私たちは迅速さを必要とし、この国は機転のきく頭脳を必要としてるんだ。
それを正に今、私は伝えることができるんだ。
(拍手喝采)
The first Republican presidential primary debates, hosted by Fox News Fox News |
直訳は「政治的正当性」なんだが、用法の文意は「差別表現をなくす」ことである。
ビジネスマンがビジネス・パーソン、ポリスマンがポリス・オフィサー、カメラマンはフォトグラファー、なんである。
国内でも看護婦が看護士へと変わったように、言葉から性差別を取り除く運動なんかもこれに該当する。
行き過ぎると言葉狩りで、最近のアメリカではこの同調圧力が社会問題化している。
一方、最近話題になった保育所問題について言及した「日本死ね」という発言がある。
読んでみると、文意は間違っていないし上手いんだが、とにかく言葉が汚くて読んでで辛い。
しかし、綺麗な文言で同じ内容が上品に書かれていたら、多分、話題のわの字にすらならなかっただろう。
目立つ方法として「下品」という差別化は充分アリなのだ。
むしろ、下品な方が受け入れられやすい。
そんなのはテレビの番組欄を見れば自明で、昔から解っていたことだ。
バラエティ番組よりニュース番組の方が多いなんてことは一度もなかったじゃないか。
アメリカの大統領選挙は今年11月に実施される。