December 31, 2012

除夜

今年は辛かったです。

厄年ってあるんだな、と、責任転嫁したくなるような日々でした。
迷惑と心配と苦労ばかりかけて、何もしてあげられなかった。
巡り巡った帰結に、今更ながら慄き震えています。

来年は少しずつでいいから、前進したいです。

One Day - Type with one finger

皆さん、よいお年を。

December 30, 2012

日配

先日、役所から身分証明書を取り寄せた。

戸籍謄本や住民票と同じく、個人についての「身分」を役所が証明する。
まず、本籍が何処にあって、名前は何某で、生年月日が記載される。
そして、以下の3点について記載されている。

第一に、禁治産についての宣告。
例えば、精神や知能に障害がある者、認知症の者。
家庭裁判所によって言動に責任能力なしと判断された場合、禁治産者として宣告される。

第二に、後見登記の通知。
例えば、禁治産者であった場合、何かを判断する際に誰かが代行しなければならない。
法務局が認めた者が後見人となり、通知される。

第三に、破産宣告の通知。
例えば、経済的に破綻して返済や弁済ができない者、財産を失った者。
裁判所から宣告および通知がなされる。

A4横位置に明朝体で書かれた1枚の紙切れを手にしながら痛感した。
どれも「該当なし」だが、こういう証明書を手にしているということは、今、身分は瀬戸際にある。
本当にぎりぎりの一年間だった。

悪魔は、いつも嗤っている。

Drinking From The Bottle  - "18 Months" Calvin Harris

ある程度、最低限でいいから、安定した収入が欲しい。

派遣先は仕事をくれるが、兎に角、そこへ辿りつくまでが遠い。
行き先を間違えれば無人駅に降ろされるような場所に住んでいると、どうしても余計な出費が増える。
しかも、10月に施行された労働者派遣改正法によって、単発の仕事は難しくなった。

じゃあ企業がどうやって日雇いを掻き集めているのかというと、法解釈の空即是色であって、付き合いきれない。
一方で、撮影の予約は今でも打診されるが、面白そうな撮影に限って異様に遠く、異様に朝が早い。
前泊するなら宿泊費や交通費は自分持ち、しかも前祝いの付き合い酒があるから、尚更、付き合いきれない。

いい加減、地味に、地道に、働きたい。
11月頃、現住所の近所で仕事を探し始めた。
すると、求人を募集しているような会社は近所にほとんど存在しないことに、改めて気が付いた。

タバコを買ってるコンビニですら、徒歩の行き来だけで30分はかかる。

Big Jet Plane - "Down the Way" Angus & Julia Stone

徒歩の片道で30分はかからないが、20分少々の場所に、24時間営業の大型スーパーがある。

もうなんでもいいです、仕事はありませんかと問い合わせたら、すぐ来てくれとの返事。
いきなり、スーパーの基本となる食品部門の深夜勤務でイチから仕事を学ぶことになった。
と言いつつ、経費削減の極限のような業界だから、誰かが何かを教えてくれるような余裕はない。

店長の椅子は、スプリングのバネとスポンジが盛大に飛び出したパイプ椅子だ。
漫画で見たことはあったが、実際にそういう椅子に座ってる上司というのは初めて見た。
店員の椅子は推して知るべし、座れるビールケースが用意されているだけ高待遇、らしい。

ビールケースに座ると、店長から日配(にっぱい)と呼ばれる商品管理の全てを仰せつかった。
和日配(わにっぱい)は、豆腐や納豆、ソバやウドン、カマボコやチクワ、ギョウザやシュウマイなど。
洋日配(ようにっぱい)は、牛乳やヨーグルト、バターやチーズ、プリンやゼリー、ジュースやコーヒーなど。

賞味期限の順に如何に効率よく捌くか、それだけだから、頼んだよ。
それだけ、ですか。
うん、それだけだから。

夜な夜な、冷蔵庫に籠る。

"Day 'n' Nite" Kid Cudi

お客様には、賞味期限の順に商品をお買い上げ頂きますよう、何卒お願い申し上げます。

December 27, 2012

素直



こういうのは、どこかに記録が残っているものなんだろうか。

ノーベル賞を受賞した山中教授について、いろいろな記事を読ませて頂いた。
なんというか、凄くて、控え目で、とてもまともな、素晴らしい方だと思う。
日常的にスポーツに親しんでいるという点も、近年の受賞者の中では珍しいのではないだろうか。

財団の公式サイトで、授賞式の中継後、晩餐会の場面となった。
誰がどうやってペアや席次を決めるのかは知らないが、マデレーン王女をエスコートされていた。
また、隣席となった王女と談笑しながら食事も楽しまれていたようだ。

夜、日本のマスコミから「メダルをかじるポーズ」をお願いされて、教授はこれを拒まれた。
医学界の人格者たろうと自ら戒める立場と、お茶の間の道化たろうと自ら阿る立場の行き違い。
いろいろな意味で、どちらの立場も理解できたから、これは当事者よりも第三者として辛かった。

ところで、晩餐会が終わり、最後の舞踏会となった。
受賞者はハードなスケジュールなので、舞踏会への出欠は自由意思である。
教授はスポーツマンだし、もしかしたらと思ったが、欠席されたようだ。

過去の受賞者たちの舞踏会への出欠というのは、公式な記録があるのだろうか。
多少は調べてみたものの、やはりどうでもいい話なのか、特にこれといった記録は見つからなかった。
なんでもかんでも賭け事にしてしまうブックメーカーにも、該当する賭けはないようだ。

でもまあ、アインシュタインやコッホがステップを踏んでいたら、それはそれで出来杉くんかもしれない。

Emmett Lathrop Brown & Clara Clayton - "Back to the Future III" Robert Zemeckis
Marty McFly & Dr. Emmett "Doc" L. Brown, 1885 - "Back to the Future III" Robert Zemeckis


確か、このシーンの冒頭では、マーティが「踊りたくなるビートだ」と言っている。

Dance Cam は、文字通り踊っている人を撮る。
面白いのは Kiss Cam で、これで撮られたカップルはキスをしなければらない。
スタジアムのジャンボトロンなどで、スポンサーがこれらの映像をCMにインポーズしているのをよく見かける。

商品名を名付けた何々CAM というのもあるが、名前が違うだけで「撮って楽しむ」という趣旨は同じ。
この黒人の少年は後半で驚くほどキレのいいダンスを見せて、一躍有名になった。


プロみたいなダンスでなくても構わない、ノリがよくて盛り上がるなら下手でもいい。
馴染み深い懐メロやヒット曲ばかりだから、おじさんでもおばさんでも大丈夫。


申し訳ないけど、いかにもギーク(オタク)っぽい、うつむき加減の青年。
母親らしき女性に「ほら、あんたも踊ってみなさいよ」という感じで促され、その途端。

"Living on a Prayer" Bon Jovi - NBA, TD Garden Arena
"Bal à Bougival ou Danse à Bougival" Pierre-Auguste Renoir


子供は、楽しければ笑い、悲しければ泣き、ノリのいい音楽なら踊り出す。

子供の頃、そういう自然な反応があったことが、とても信じられない。
ノリのいい音楽でアクセルを思い切り踏み込むなんて反応は、一種の倒錯した発散でしかない。
格好ばかりに気にして、どんどん、どんどん、どんどん、表情や行動が平坦になっていく。

素直に笑い、素直に泣き、素直に踊る人を、心の底から羨ましく思う。

Gonna Get Over You - "Kaleidoscope Heart" Sara Bareilles

ここ数日間で急転直下、スーパーマーケットで働くことにした。

December 20, 2012

折返

まさか、こんなに早く老眼気味になるとは思わなかった。

もともと近眼なので、最初から遠景は霞んでいる。
これに老眼が加わり、近景も霞むようになってきた。
気がつくと、手にした本を少し離して読んでいる。

生き方のピントは、ボケてるくらいが丁度いい。

"An Unfinished Life" Lasse Hallström
親父は60代前半で死んだ。

置き換えてみると、折り返しはとうに過ぎ、残りは後20年ほどしかない。
やらなければならないことは、沢山ある。
出来ることは、少ない。

帰り道の向こうに、中潮の月が浮かぶ。

"Le Scaphandre et le Papillon" aka "The Diving Bell and the ButterflyJulian Schnabel

右目だけ、再び涙の量が多くなった。

December 17, 2012

公約

ジンクスとして、大きな政変ある時、永田町には雪が降る。

今回、雪は降らなかった。
暖かいくらいだったから、世間の騒ぎに反して、歴史的には実はそれ程でもなかったということか。
ただ、子供たちが大人になった時、どんな時代になるんだろうという不安は、ある。

これでも保守を自負しているつもりだが、終わりなのか、始まりなのかは、解らない。

"Patlabor 2 : The Movie" Mamoru Oshii

確か、こんなやりとりがあったと思う。

荒川 「いずれ、大きな罰が下される」
後藤 「罰? 誰が下すんだ、神様か」
荒川 「この街では、誰もが神様みたいなもんさ」

この街、か。

主は降り、子らの建つる塔と街を見たまえり。
我ら降り、彼処にて言葉を乱し、互いに通ずることを得ざらしむ。
故に、其の名をバベルと呼ぶ。

故に、期待はしない。

December 16, 2012

明滅

以前、オバマ大統領が「ヘビメタ好き」を公言して話題になった。

これに噂が加わって、ちょっとした論争になった。
曰く、アフリカン・アメリカンに相応しくない云々、あんなのは恥ずべきレッドネック共の云々。
レイシストも甚だしいんだが、確かに、ヘビメタで黒人メンバーのバンドというのはほとんど聞いたことがない。

口には出せないが、実際には住み分けている、という有象無象は何処の国でもある。
多国籍国家であれば尚更、自由について自由を謳わなければならない不自由がある。
そういえば、一期目のスローガン「Yes We Can」をそのまま楽曲にしたのがウィルだった。

ゴールドチェーンのストラップは、いいかもしれない。

Scream & Shout - "#willpower" will.i.am

ああ、どうも、ええ、来週末ですか。

またですか。
あのね、なんで被写体以上にアシスタントに気を使わなアカンのですか。
関西弁にもなっちまうってもんですよ。

自転車操業ならまだいいですよ。
自転車を作りながら走らせろって言ってるようなもんでしょうが。
現場で「これはハンドル、サドルはそっち」って怒鳴る身にもなってくださいよ。

いいですよ、その代わり、この身ひとつで現場に入れるようにしてください。
そりゃ遠いですよ、東京駅すら、もう頭に来るくらいにね。
いやいや、違う違う、怒鳴れないからイライラしてるだけですよ。

なんなんすか、もう。

Lift Me Up - "Hotel" Moby

先日、久々にテレビを観た。

昼間のワイドショーで、ある芸能人の記者会見の様子が流れていた。
画面の隅に「フラッシュの明滅に注意」といったようなテロップが入っている。
これは知らなかったので、単純に驚いた。

まず、現行フラッグシップのDSLRを用意して、モードラをガンガン回し、フラッシュをバンバン焚く。
次に、動画ではなく、静止画で撮影する。
以上、記者会見でそうしなければならない「必然性」を述べよ。

今、タバコを三本吸って考えてみたんだが、申し訳ない、必然性が全く思い浮かばない。

Full HD のキャプチャでもそこそこなのに、4K なんかが普及したらどうなるのだろうという不安しかない。
そもそも、それ程の画質を求めている媒体だって、一体どれだけあるのだろうか。
しかも、瞬間光のフラッシュがあんなに被るなら、最初から連続光の強いライトを使えばいいじゃないか。

せいぜい、フラッシュの瞬きとシャッター音の煩さを人気のバロメーターにしているのかな、と思ったくらいだ。

Kill The Lights - "Circus" Britney Spears

Mr. Photographer!

I think I'm ready for my close-up  [ Tonight! ]
Make sure you catch me from my good side  [ Pick one! ]
These other just wanna be me
Is that money in your pocket?
Or you happy to see me?

Kill the lights!  [ Take 'em out, turn 'em off, break 'em down! ]
Kill the lights!  [ Don't be scared, make a move, see me now? ]
Kill the lights!  [ I've seen you, watching me, watching you! ]
Kill the lights!  [ You can't handle the truth! ]

What happened to you?

I kill the lights! [ Pure, Satisfaction! ]
I kill the lights! [ Lights, Camera, Action! ]

注文の多いお客さん、お断り。

December 11, 2012

臆病

そうなった理由は解らない。

記憶から逃げる。
感情から逃げる。
相手から逃げる。

臆病、だから。

Mr. Nichols - "Sound Mirrors" Coldcut

何故なのかは、知らない。

物理的には逃げていない。
心理的には逃げている。
体は置いて、心は何処かへ。

楽になる、気がする。

One Day - Type with one finger

答えられないものは、答えられない。

太陽から逃げる。
昼間から逃げる。
生活から逃げる。

臆病、だから。

Go Hard (La.La.La) - "Somethin 'Bout Kreay" Kreayshawn
朝が嫌なのは臆病者、だから。

December 1, 2012

呼吸

Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders.

訳すと「精神障害の診断と統計の手引き」、略して DSM と呼ばれる。
WHOの「疾病および関連保健問題の国際統計分類」、通称 ICD と双璧をなし、両者の統合も検討されている。
各国の医療機関が準拠し、日本でもこの手の話題には必ず引用される。

Ulysses - "AEOLIAN" Om Unit

それ(DSM)について、最初は診断(Diagnostic)の D だと思っていました。
最近、ダーツの標的(Dart board)の D なんじゃないかと思っています。
精神科医 ディレップ・ジェステ

どんな薬でも副作用なんてありません。
薬には作用しかないんです。
私たちは都合の良い作用だけを薬の効果と思い込み、気に入らない作用は副作用と言う。
ダイナマイトでビルを爆破したら、人まで殺してしまった。
それを知って「人が死んだのは副作用のせいだ」と主張するようなものですね。
作家 ダナ・ウルマン

Shut Up & Let Me Go - "We Started Nothing" The Ting Tings

ふと、思ったんです。
薬は症状をなくしているのではなく、感じなくしているだけなのではないか、と。
症状は確かにあるのだけれど、それを感じない。
自分の感覚を感じることのできない自分。
あるいは、感情のスイッチが切れている自分、と言ってもいいかもしれません。
患者 ジェーン・グローデンシック

私たちの社会は集団としてまとまっていて、教室で椅子に座り、机に向かっていることが期待される社会です。
別の学校制度、別の教育環境、別の社会が存在しないかぎり、この社会で生きていかなければなりません。
現実の社会で生きていかなければならないんです。
患者の母親 ジル・クアッドランド

Sweater - "We The Young" Willow

ある精神科医が証言するために座っていたので尋ねました。
MIRスキャンを試しましたか。
 - いいえ。
CATスキャンは試しましたか。
 - いいえ。
医学的な血液検査を試しましたか。
 - いいえ。
それでどうやって、脳の化学物質に不均衡があるという診断に至るんですか。
 - カウンセリングした結果だからです。
患者と話して観察しただけ、これではただの推論です。
全米家族権利協会会長 ウィリアム・タワー

Mipmap - "The Secret" Moonbeam

12歳の時、視力検査に連れて行かれて、そこで初めて眼鏡をかけたんです。
その時、私はこう叫びました、これが本当の世界なんだ、と。
薬はこれと同じことだと思いますね。
目に眼鏡をかけるのと同じように、患者は脳の神経系に眼鏡をかけるのです。
精神療法士 ジェームズ・グッドウィン

人や魂といったことになると、科学的ということは必ずしも真実ではなくなります。
人の心が単なる化学反応で、薬によって整えることができる、というのはあまりにも単純な物質主義です。
人は、遥かに、それ以上の存在です。
精神科医 ピーター・フレガン

Hands - "A Is For Alpine" Alpine

体の外側に発現するものがマインド。
体の内側で渦巻くものがハート。
それらを深奥で司り、宗教によっては死後も存続すると考えられるものがスピリット。

スピリタス(Spiritus)、古代ラテン語の名詞で呼吸という意味が語源だそうだ。

November 29, 2012

痴話

某保険会社にて。

え、それ、マジで言ったんですか?
本人に対して?
皆の前で?

信じられない、嘘じゃないですよね?

Levels - "LE7ELS" Avicii

なんと言ったらいいか、まあ、その場にいた訳じゃないから何ともね。

アルコールが入ってたとか。
違うんですか、入ってなかったんですか。
そうですか。

いや、全く気がつかなかったなあ。
鈍いって、そんなことに鋭くたって一円にもならないじゃないですか。
わざわざ敏感にならなきゃならいなんて、御免です。

ええ、確かに言われてみれば、そう思ったこともありましたけど。
だけどね、そう思ったからって、すぐに口に出す馬鹿はいないでしょう。
鼻毛が出てるってことさえ相手には言いにくいもんですからね、それと同じですよ。

ところで鼻毛、出てませんよね?

Sweet Nothing - "18 Months" Calvin Harris

都知事選候補者のインタビューにて。

ある候補者が、仕えてきた相手の多くが「変人」と呼ばれた理由について、「ブレないからだ」と回答していた。
ブレないことは、初志貫徹の頑強な精神力とも書けるし、柔軟さに欠けた思考停止状態とも書ける。
読み手に判断を委ねるという意味では、賢い回答だろう。

バランス感覚のある人というのは、評価を受けにくい。
それこそ言葉遊びに過ぎないのだが、単なる優秀不断と受け止められやすい。
勝ちか負けか、敵か味方か、一方に断じてしまう方が手間は掛からない。

バランスを崩した方が、理解されやすいことがある。

ゼメキスがなかなか評価されないのは、バランス感覚があるからだと思う。
それを「軽い」エンターテインメントに仕上げるものだから、不遜だというような意見も出る。
常に商業監督であることに徹する姿勢は、「重い」問題を回避するための保険に見えなくもない。

英雄か、犯罪者か。
的確な判断か、狂気の暴走か。
不時着を成功させた機長の運命は、検出されたアルコールで大きく変化する。

トレーラーとはいえ、ストーンズのギミー・シェルターを持ってくるあたりが流石だ。

"Flight" Robert Zemeckis 
人は、人の話を簡単に信じる。

November 26, 2012

深秋

もう11月も終わり。

何も進んでないのに、時間が過ぎる早さばかり感じる。
でも、不思議なことに、もどかしさは感じない。
そこが一番の問題なんだろうけど。

Raindrops Keep Fallin' on My Head - "Raindrops Keep Fallin' on My Head" B. J. Thomas

November 18, 2012

演出


一日中、雨。

正確には「東京は、雨」じゃなくて「千葉は、雨」。
同じ関東圏でも、こちらは季節が一足早いような気がする。
カーテンを開けても部屋の中が暗いし、昼間でも寒い。

家の前が幹線道路の抜け道になっているので、結構な数の車が通る。
窓から外を見なくても、車の走行音で路面が濡れているかどうかが解る。
人が歩いてる姿は、ほとんど、まず、これっぽっちも、見かけない。

狭い道なのに、車が物凄いスピードで走り抜けていく。


"Vampire's Kiss" Robert Bierman

サイドベンツのジャケットは、最近では滅多に見かけない。

タクシーの運転手をしている時、制服のジャケットがサイドベンツだった。
一着目は会社が支給してくれて、二着目からは自前で購入するように、とのお達しだった。
勤務体制からいって二着目の必要は感じなかったが、購入しようとすると大変なことも知った。

今、普通の店にサイドベンツは置いてない。
置いてある店は、老舗の仕立屋になってしまう。
乗馬の際に着崩れないように、という工夫からサイドベンツが考案されたのだそうだ。

昔は一般のサラリーマンもよく着ていて、親父の箪笥に吊ってある数着もサイドベンツだった。

演出では、主役以上に脇役が重要になる。

レジの女の子、シーラ役はデディー・ファイファーが演じている。
カラオケで同じようなバイトをしていた頃に観たからなのか、シーラの演出にえらく感心したことを覚えている。
いるよね、こういう女の子。

フォスター、店長、お客たち、状況として彼らには誰でも目がいく。
誰もが見るわけではないが、その彼らを取り巻く世界感を作り上げているのが脇役だ。
脇役の演出によって、深刻なのか、不条理なのか、能天気なのか、といった作品の味付けが決まる。

深刻だから深刻に、それでは深刻にならないのだ。

"Falling Down" Joel Schumacher

November 17, 2012

来日

そうか、来日してるのか。

聴きに行ける人が羨ましい。
誰か連れてって。
いや、誰かを誘えるようにならないと、駄目なのか。

Don't know why - "Come Away With Me" Norah Jones

残念だが、このままでは来日する可能性はないだろう。

いいと思うんだが。
エレクトロニカというジャンルは、この国では異様な程に誤解を招きやすい。
キャリアがある分、もっと知られてもいいと思う。

Much Too Much - "You Once Told Me" Andain

来日以前の結果になってしまったことは、とても悲しい。

ビリー・ホリデイの再来と讃えられる人は多いが、越えるかもしれないと期待される人は少ない。
同時に、滅茶苦茶な言動が極東のラジオでも伝えられる程だった。
人気の衰えない反面、まともな音源、いや、まともな精神状態で収録された音源は少ない。

Rehab - "Back To BLack" Amy Winehouse

November 15, 2012

遠雷

遠雷が聞こえる。

今、洗濯物を干したばかりなんだけど。
ベランダから部屋に入ると、ラジオから、スペインでデモが暴徒化しているとのニュース。
スペインの失業率は、若年層で50%以上に達するらしい。

確か昨日か一昨日、ハプスブルク家がダイヤをオークションに出した、というニュースが流れていた。
読み直してみると、売却価格は日本円で約17億、もともともはアウグスト大公の所有だったらしい。
あのあたりの家系は異様に複雑だから、また暫くの間、所有者は非公開になるのだろう。

名のあるダイヤは持ち主を選ぶ、そうだ。

God Bless the Child & Now Baby or Never - Billie Holiday, Mv : Count Basie's Band LIVE
Archduke Joseph Diamond - Christie's Auction, Geneva AFP

派遣会社とのやりとりは全てメールで、給与内容もメールで知らせてくる。

某保険会社へ派遣される際、服装は「オフィス・カジュアルで、ジーンズとスニーカーは不可」との指定だった。
はっきりスーツと書かないのは何故ですか、とメールで問い合わせようと思ったが、やめた。
初日はネクタイを締め、スーツで出勤した。

案の定、皆がスーツだった。
まあ、崩した方が楽なのは違いない。
次第に、オフィス・カジュアルになっていった。

何故かノータイにはボタンダウン、という常識がある。

Electro Swing - "Caravan Palace" Wagram Music, France

常識は恐ろしい。

日の沈まぬ国、と歴史上で最初に謳われた国はスペイン帝国だ。
つまり、ハプスブルク朝だ。
アメリカ大陸まで植民地化していたが、末は、カトリックの高潔さに固執しながら荒んでいく。

これがダイヤの呪いなのかどうなのかは、知らない。

ボタンダウン以外でノータイになると、不思議なくらい無礼講の酔っ払いにしか見えない。
いちいち面倒だが、その結果、目立ってしまうのも御免だ。
そう思って、ボタンダウンを買って、洗濯したのに。

遠雷が聞こえる。

One Day - Type with one finger

November 13, 2012

冗談

11月は、アンラッキーな月だ。
その他にアンラッキーな月は、7月、1月、9月、4月、10月、5月、3月、6月、12月、8月、2月。
マーク・トウェインの言うとおりだな。

Joker - "Batman : The Killing Joke" Alan Moore & Brian Bolland

世の中、金がものを言うらしい。
それなら、俺には補聴器が必要だ。
ああ、聞く耳はもってないがな。

Joker's Joker Card - "Batman : The Dark Knight" Christopher Nolan

このパラシュートは安全だよ。
今迄、故障してるってクレームを言ってきた奴は一人もいないから。
さあ、安心して飛んでくれ。

July 21, 2012 - "The Star-Ledger" New Jersey Newspaper

英語版ウィキペディアのページはどうかしてる。
元々コミックのキャラクターだから、コミカルなくらいにどうかしてるんだろうか。
この事件はショックだった反面、いつか誰かがという予感もあって、嫌になった。


ジョーカーは、ジョークにならないキャラクターになってしまった。
この事件で、新作を観る気は失せた。
未だに観る気がしない。

きっと名作なんだろう。

November 11, 2012

贅沢

昔々、音楽には制限時間というものがなかった。

必要な時に始まり、必要な時に終わった。
王様が寝室から執務室へ移動する際の小曲、司祭が昼夜をかけて祈る際の大曲、といった具合。
状況次第の生演奏で、状況は常に変化するから、演奏時間も常に変化していた。

現代に繋がる音楽で、大きく影響している最初のメディアはSP盤だろう。
1940年代の話なので、ラジオのプログラムも大きく影響している。
音楽は、SPの最大収録時間である約4分30秒に納まるように作曲されるようになった。

当時のヒット曲は今でもオールディーズとしてあちこちで耳にするが、2分~3分程度の曲が多い。
プレスリー初期の Heartbreak Hotel など、オリジナルはたったの2分8秒しかない。
恐らく、あれだけのスローテンポで大ヒットを記録する短い曲というのは、もう登場しないのではないか。

そして、大量消費社会が到来する。

The Twist - "Twistin' round the world" Chubby Checker

LP盤の普及は1950年代の後半以降である。

最大収録時間は片面で約30分、最初から両面収録の規格だったので、合計で約60分となった。
これに、ロック史上の当たり年と呼ばれる1962年以降が重なる。
リバプール・サウンド、ブリティッシュ・インべージョンのムーブメントについては説明の必要がない。

言葉通り、もはや戦後ではなく、生活の中で音楽を楽しむための余力ができるようになった。
同時に、マーケットも一部のパトロンではなく、購買力を持ち始めた一般の若年層に左右されるようになった。
この辺りから、一曲あたりの時間が4分から5分程度に伸び、「アルバム」という考え方が誕生する。

アルバムでは、ミュージシャンの世界感が選曲や曲順などの構成で表現される。
ヒット曲でなくとも、アルバムに組み込むことで相互に補完しながら意味を持つような曲も出てくるようになった。
構成だけでなく、編曲も含めた「バージョン」という考え方が一般に認識されるのもこの頃からだろう。

試行錯誤のほとんどは、1970年代までに出尽くしている。

Bee Gees - 1977 Billboard Awards, NBC Television

1980年代の中頃、LPの販売枚数をCDが追い抜くようになる。

CDは片面収録のみの規格で、最大収録時間が約74分。
当初はアナログのLP音源をそのままデジタル変換してCDにしたものが大半だった。
その為、LPのアルバムではA面からB面へ裏返していた、物理的にも構成的にも区切られた部分が消滅する。

関係者の回顧録などを読むと、この区切りの消滅には相当戸惑ったらしい。
A面とB面という区切りを、マイナスではなくプラスと考える傾向もあったのだ。
後々、ヒット曲の並ぶA面よりも、実験的な構成のB面が評価される、といったことも少なくなかった。

演じ手にとっても聴き手にとっても、特に、ポピュラー・ミュージックで連続74分は長丁場なのではないか。
そう戸惑う関係者がいる一方で、この長い収録時間を歓迎するクラシック音楽以外の関係者もいた。
背景には、MTVの開局とビデオデッキの普及があった。

マイケルの Thriller は、1982年にリリースされたアルバム「スリラー」から1984年にカットされている。
実は先に、ビリー・ジーンやビート・イットがカットされており、最後の最後にカットされた7番目のシングルだった。
先行した6曲で売れると見込まれて、スリラーをカットする際には前例のない金額の予算が投入された。

スリラーはカットされたシングルと共に、ミュージックビデオ(以下MV)が大ヒットする。
シングルとしては約6分の曲なのだが、MVはオリジナルで約14分もあるので埋めるようにアレンジされた。
予算の大部分はMVに費やされており、それでも充分な利益が回収できることを証明した最初のヒット曲だろう。

ピンからキリまで、ミュージシャンがアーティストと名乗るようになった。

Thriller - "Thriller" Michael Jackson

1990年代以降というのは、まだ生々しすぎる。

アルバムに収める曲、MVとしてテレビで流す曲、ラジオで流す曲、宣伝用に短くアレンジした曲。
同じ曲でも編曲が異なり、その違いそのものも楽しむ「リミックス」という考え方が当たり前になった。
1990年代というのは、今迄のアルバムという概念が崩壊する、最初期の頃であったと思う。

同時に、誰もが聴いたことのある曲、皆が時代感覚を共有できるようなヒット曲が、極端に減っていく。
国内の紅白歌合戦でも、選曲に苦悩していることが報じられるようになったのはこの頃からではないか。
2000年代に入ってからは、ご存じの通りだ。

YouTube に代表される動画サイトの影響は大きい。
最早、スピーカーの前にじっと座り、曲順に従って小一時間も聴き込むという人は絶滅危惧種だ。
アルバムという感覚は、一般の聴き手からはほとんど消滅してしまったのではないだろうか。

一曲あたりの時間感覚はまだ1990年代を引き摺っており、短くて5分から6分、長くて7分から8分か。
それよりも、2010年代に入って急激に増えたのが「フィーチャー」で、カップリングを強調する曲。
明らかにキーワード検索への対策にフィーチャーしているだけの曲が、あるような、ないような。

音楽に理屈はいらない、決まりごとなんてない。
でも、少しだけこんな風に思うこともある。
音楽は、豊かになったのか、貧しくなったのか、どちらなのか。

豊かになったのだ、と思いたい。
царя Николая и ​​его семьи - "Russian Ark" Alexander Sokurov

November 10, 2012

待機

ガムテープが5本、達磨落しみたいに積まれていた。

その5本を前にして、2人の正社員が怒鳴りあっている。
一方は「これだけの人数の机に対して5本しか頼まないのは認識不足だぞ」と主張。
もう一方は「使用目的や発注本数に関する具体的な指示はなかったぞ」と主張。

怒鳴りあいの周辺にいる連中はシーンと黙ってモニターに向かい、背中で2人の様子を見守っている。
その更に周辺にいる連中はモニターの間からコッソリと窺って、ヒソヒソ囁いている。
いい加減、誰か止めに入ったらどうだ、とか、上司を呼んで来い、といった声が聞こえはじめた。

某保険会社で入力のみ担当する部署のフロア。
このフロアだけで、数百名の派遣社員が数社から掻き集められている。
入力の元となる申込書類が相変わらず届かないので、派遣社員は昼寝同然の待機状態だ。

Stamina - "Rave Age" Vitalic

先日から、この保険会社は仕事のない数百名の派遣社員に対して賃金を支払っている。
賃金1人1日1万円として、毎日の昼寝代に数百万円が消えているようなものだ。
なんでもいいから、とにかく仕事をさせろ、ということになった。

まず、机と机の間にある隙間をガムテープで目張りせよ、という「重要」な業務命令が下された。
派遣社員の数百名は、10名を1単位のチームとして、5名2列の向きあいで机を並べている。
この並べた机の隙間に、申込書類がストンと落ちてしまうことがあるのだ。

謄本や証明書の原本が入っていたりするので、紛失は御法度。
それでも、なくなる時はなくなり、大切な書類に限って何故か行方不明になってしまう。
今日中に全ての机の目張りをするはずだったのに、先程のガムテープが5本になってしまったわけだ。

「でも、数名分の仕事に対して数百名の派遣社員が問題にならないのに」と、向かいの席の50代の女性。
続けて「5本のガムテープであれだけ本気で怒鳴りあえるって、凄い会社だよね」と呟いた。
その隣の席で「駄目ですよ、聞こえちゃいますよ」と笑いを堪え切れない20代の女性。

「Type with one finger さん、ガムテープ1本、先に取ってきちゃってよ」と隣の同世代の女性。
「よし、じゃ、いっちょ取ってくるか」と、席から立ち上がる仕草をしてみせるだけの自分。
「あの怒鳴りあいの前で、ホントに1本取ってきたらタバコを奢ろうじゃないか」と隣の60代の男性。

タバコですか、いいですね、何箱ですか。
3箱でどうだいと言われ、更に隣の同世代の女性が今週の休憩時間は毎回コーヒー1杯を奢ると言ってきた。
よし、約束ですよ。

ネクタイを締め直して、席から立ち上がった。

Open Happiness - Coca Cola, Ad : McCann Germany

席から立ち上がり、怒鳴りあってる正社員2人の方へ歩いていく。
目の前まで歩くと、邪魔にならないように腰を屈めて横切り、側のドアから部屋を出た。
トイレに行きたかっただけで、もともとガムテープを取るつもりなんて、あるわけない。

小便をしていると、先程の60代の男性が隣に立った。
ま、そういうオチだとろうと思ったよ、と笑いながらの連れ小便。
どうやら本当に埒があかないらしく、派遣社員の全員に休憩の指示が出たと教えてくれた。

休憩室の食堂に向かうと、先に来た女性陣が席を取ってくれていた。
座りながら、再びトイレのオチについて突っ込まれる。
あの状況でガムテープを取れる奴がいたら、多分それって大物か狂人ですよ。

まあそうですよねえ、と20代の女性。
この時間に休憩っていうことは、休憩が終わったら続けて昼休みになっちまうぞ、と60代の男性。
待機だけってのも疲れるんだよな、と皆が溜息。

ハクナ・マタタ、でいきましょう。
これでいいんだってことでしょ、と同世代の女性。
ケ・セラ・セラなら知ってる、と50代の女性。

飢えたライオンと諦めた派遣社員、社会のジャングルにて。

Fatty Boom Boom - "Ten$ion" Die Antwoord

November 9, 2012

改装

テンプレートをカスタマイズしてみる。

なんでも出来るということは、自分で決めなければならない。
自分で決めようとして、なんにも出来ないことを知る。
面倒になって、兎に角、どんどん引いてみる。

いろいろ理由があって Chrome から入って組んでる。
こんな基本的なことが、なんで Explorer とズレるのよ。
よく解らん。

それから、あれもいらん、これもいらん。
なになに、ここから先はHTMLでお願いします、だと。
バカらしくなってきた。
One Day - Type with one finger
タバコを切らしてしまった。
タバコを売ってる店は近所にない。
というより、近所っていう言葉の距離感覚が、ちょっと違うんだよね。

この辺りはなにかしら行動しようとすると、なんでもかんでも距離がある。
車もないし、自転車はお袋が買い物に乗っていってしまった。
でも、タバコはない。

緩んだ靴紐みたいな、人生。

November 6, 2012

予告

続きはネットで!と謳って終わるCMがある。

今迄、この手の続きをネットで見たことはほとんどない。
どの程度の効果があるのかは知らないが、そういうCMが多いということは、効果があるのだろう。
CMの制作会社にしても、入口のクリック数さえ増えてくれれば、その先の中身までは責任がない。

大抵、映画の予告編は助監督に任される。
映画を映画館でしか観賞できなかった時代、予告編は大切な宣伝だったことが想像できる。
助監督は数十秒間で、中身を伝え、観たいと思わせ、作品を覚えさせる工夫をする。

これはマニアの領分になるが、予告編には本編でカットされたシーンが入っていることもある。
本編の完成を待ってから予告編を作ったのでは宣伝に間に合わないから、これは仕方がない。
予告編は、核心さえ突いていれば、本編との誤差は不問になる。

ブラックスプロイテーションを象徴する「コフィー」のポスターも、そういう誤差の好例のひとつだ。
堂々とショットガンを構えるパム・グリアは、アフロヘアと共に未だにイメージが引用されている。
しかし、あの赤いブラに黄色いカンフーパンツという姿では、本編に一度も登場しない。


007の新作「スカイフォール」の予告編が一般に公開された。
問診を受けるボンドの痩せこけた表情に、これは意外に面白いかもしれない、と思った。
それが半年くらい前の話である。

最近の映画は、特に大作は、予告編が何度も公開される。
時間の長短や編集の違いなど、いくつものバージョンが公開される。
では、その映画を今迄以上に観たくなったかというと、そんなことに全くならない。

特に、一般の観客として感想を述べると、ここ15年間程の007は失作続きと言っていい。
いろいろ書きたいことはあるが、とにかく本編が面白くなければどうしようもない。
結果的に、毎回の如く、裏切られた印象しか残らない。

クレイグ以降のキャスティングやリアリズムへのシフトなど、頑張ってるな、とは思う。
それでも、ミス・マネーペニーと冗談をやりとりしていた頃のボンドには勝てない。
キャラクターもアクションも、冗談みたいな設定なのに。

最新最長の予告編を観た。
全篇IMAXだとかアクションだとかは、本当にもうどうでもいいんだよ。
今度こそ、42歳の中年親父でも惚れてしまうようなボンドを見せてくれ。
 
Domino, Paula, Fiona, and Bond - "Thunderball" Terence Young
しかし、問題はバルデムだ。
どう考えても扱いきれるとは思えない、というか、予告編で既に破綻してるような気がする。
シガーを恐れぬとは、本当に恐れ入る度胸だ。


今頃、あの世でフレミングも賭けてるに違いない。

October 30, 2012

日憶

9月上旬。

荷物をまとめる。
といっても、自分の持ち物は着替えくらいしかなくて、ボストンバックはスカスカ。
子供が、何故かオモチャの十円玉をくれた。

ありがとう、これ、お守りにするよ。


9月上旬。

人手が足りないらしい。。
レタッチだけなら、ということで引き受ける。
でも、あんまり面倒なデータはお断りです。

悲しくなるから。

"Notre Jour Viendra" Romain Gavras
9月上旬。

引き受けなければよかった。
なんなんだよ、このデータは。
お前ら、ホントは写真なんて好きじゃないんだろ、とモニターをぶん殴った。

ぶん殴りはしなかったけど、やっぱり悲しくなった。

On'n'On - "On'n'On EP" Justice
9月中旬。

帯状疱疹はだいぶよくなった。

スカスカのボストンバックを担ぐ。
まだ少し、左腕に痛みがある。
水痘痕は、このまま一生残るだろう、という話だった。

家を出た。

Full Circle - "Dark Eyes" Half Moon Run
9月中旬。

実家の最寄駅に到着。

日の沈みかけた駅前に出ると、何もない。
熊は出ないだろうが、蛇くらいは出てもおかしくない。
狸が出た、という話は聞いたことがある。

ここのいいところは唯一点、静かな夜。

Micron - "Egomodal EP" Max Cooper
9月下旬。

テレビもラジオも、ニュースをやってない。
新聞は数日前まで読み尽した。
わざわざネットでカチカチやるようなこともしたくない。

ぼんやりと眺めていたいだけ、なんだけどな。


9月下旬。

ふと、ブログのテンプレートを開いてみた。
HTMLまで踏み込んで、自由いじっていいらしいが、ウィンドウ右上の×印をカチリ。
時間があることと、やる気は、こういう時に限って一致しない。

バファリン、まだあったっけ。