December 27, 2016

仕納

今年はいろいろあった。

ほとんど進んでないけど、本当にいろいろあった。
食べて、寝て、起きて、あれこれ働いて、しょっちゅうサボった。
これに少しずつだけど、撮って、が加わるようになった。

最近よく思う。

なぜ、人間は目で見る生き物になったんだろう。
いろんな生き物がいるけれど、視覚に頼らない生き物だって沢山いる。
だけども人間に生まれたんだから、よく見ようとしないことは罰当たりなんじゃないか。

そう思うようになって、写真に対しても少し考え方が変わった。

写真の歴史って、要は、間違っても大丈夫なように進化してきたんじゃないだろうか。
撮れなくたっていい、失敗したっていい、でもそれを、どうにか救えないかと頑張ってきたんじゃないか、って。
技術屋は、それを救うための技術を開発してきた。

写真屋は、何度も何度も、撮ることでしかそれを救えないってことを経験から学んできた。

そうそう、お袋が胃癌だってことが判明したんだ。
今73歳で初期癌の状態、ぜんぜんピンピンしてるんだけどね。
親父は63歳で死んで悪性リンパ腫、つまり血液の癌だった。

癌の家系だと意識したことはないけれど、少なくとも長寿の家系じゃないな。

それでも喫煙場所を聞いて、病院の外まで出て一服してるんだから、看護士さんが呆れてる。
歳を重ねるたびに、とにかく時間が過ぎるのが早くなって、それでもまた一服するんだから、自分でも呆れる。
俺は今元気だけれど、もうあんまり、無駄にできる時間はないのかな。

子供たちが大人になる頃、世界はどんなふうに変わってるんだろう。

見たいね、見れるかぎり、見てみたい。
そしてどういう運命なのか、写真でなら、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけど、まだ見れる気がする。
それはね、シャッターを押せばいいんだよ。

失敗しても、そう、またシャッターを押せばいいだけなんだ。

UP&UP - "A Head Full of Dreams" & "A Head Full of Dreams Tour 2016" Coldplay
Parlophone (UK) / Atlantic Records (US)

みなさん仕事納めの時期ですね。

今年もブログを閲覧していただき、本当にありがとうございました。
こちらは今年、いろいろなことを考え、少しずつですが動きはじめてみました。
まだ何もしっかりと始末をつけることができていませんが、シャッターを押しはじめてみました。

エンジンをかけてアイドリングで温めて、年末になってまだアクセルを踏みはじめたばかり、くらいの進捗ですけど。

みなさんも心身をご自愛ください。
本当にそれだけは今も思っています。
学校のことを思い出さない日はないです。

それでは、良い年末年始を!

December 22, 2016

New Song

<イントロ>
テッテレ、テテ、テテッテレ、テッテレ、テテ、テテッテレ・・・♪

ん、なんだろ、これは、もしかして。
近所のスーパーで流れ始めた店内BGMに、バナナを取ろうしとた手が止まった。
な、なな、ななな、懐かしい。

中1の時に初めて買った洋楽のアルバムが、ハワード・ジョーンズの1stアルバム「Human's Lib」。

買った理由は、当時の大ヒット曲「New Song」が収録されてたから。
確かNHK-FMで聴いて一目惚れ、いや一耳惚れか、慌てて曲名をメモった記憶がある。
(新潟市民には超有名な)万代シティにあったレコード屋まで行きましたよ。

Don't crack up!
Bend your brain!
See both sides!
Throw off your mental chains!

これはサビの歌詞ね。
そうそう、初めて真剣に「何を歌ってるんだろう」と思った曲でもあるんだよ。
歌詞カードの翻訳はもちろんだけど、勉強以外で初めて英和辞書を開いた曲なんだよね。

諦めちゃダメだ!
頭を柔らかく!
(物事は)両面から見るんだ!
君の心の鎖を解き放て!
※ 正確には See both sides of things なんだけど、口語だと最後の of things を省略しちゃうことが多い。
物事は一方的に判断しないで多角的に捉えなさいって意味ですね。

いやあ、書いてて赤面するほど青いぜ、1stアルバムの邦題が「かくれんぼ」ってのがまたなんとも。

それでも音楽的にはね、ユーロ系のシンセ(エレクトロ)ポップとして嚆矢になった一曲なんだよ。
MIDIシステムの普及と一緒に、キーボーディストが曲作りだけじゃなくて演奏でも目立つ存在になったんだ。
YAMAHAのDX7(世界初のフルデジタルシンセサイザー)とかね、憧れたのなんのって、楽譜も読めないのにさ。

本当は「Techno」シリーズの記事で書こうと思ってたんだけど、体力も気力も時間もないんで、ごめんね。

New Song - "Human's Lib" Howard Jones
WEA / Elektra (Warner Music Group)

「Techno」シリーズで思い出した、参考までに。

映画専門のデータベースとして「IMDb」は有名だと思う、アマゾンに身売りしちゃったけど。
Wikiの映画のほとんどはここがソースだし、情報精度は別としてIMDbが充実してるのは確かだね。
これのミュージックビデオ版が「IMVDb」で、未だ独立運営で頑張ってるのが偉い。

面白い映画ならこの監督の別の作品は?と思うじゃない、それがミュージックビデオで出来るんだから有難い。

あと、ヒットチャートを賑わすような曲そのもののデータベースなら「Discogs」の一択ね。
ここは本当にマニアックというかなんというか、いっつもお世話になってる、便利この上ないですよ。
いいなあと思うアルバムのジャケットのデザイナーとかから紐付けして曲を探せるんだもの。

<アウトロ>
テレレレッテ、テレレレ~(↓)、テレレレッテ、テレレレ~(↓)、テレレッテ、テレレレ~(↑)・・・♪

もうこんな時間だ、バナナ買って帰ろ。

December 19, 2016

天啓

ブリジット・ジョーンズも三作目かあ。

まだ観てないけどさ。
それにしてもレネー・ゼルウィガーは凄いわ、あの愛嬌あるって感じが歳とっても衰えないんだから。
いつも日記をつけてた赤い手帳、今回は赤いレザーカバーのタブレットになったらしいね。

運命の出会いってのは確かにあるだろうさ、だけど、それで幸せになれるかどうかは、また別だろ?

Lights - "Surrender" Hurts
Columbia Records

車を停めて降りたら、目の前にケバブの屋台が。

同じ金を払うなら、チェーン店系のファストフードで済ませることほど虚しくなることはない、と思うようになった。
するとびっくり、察したかのように、屋台のトルコ人(トルコの国旗が掲げられてた)が手招きしてくるではないか。
いやいや、腹は減ってるけど、食べてたら遅刻するんだよ。

だけどこれはもう、今「食べなさい」っていう天啓だろ?

Eggshells - "10 Futures" Aqualung
BMG Rights Management UK

歳をとっても、変わらんものは変わらん。

遅刻する奴はやっぱり遅刻するし、駄目な奴はやっぱり駄目なんだ。
変えたいと思ってるのは理解できるけど、思ってて叶うほど神様だって暇じゃない。
どうにかしたいっていう善意はあっても悪気はないから、余計に困る。

それに神様ってのは大抵、諦めることを説いてくるもんだろ?

I Took A Pill In Ibiza - "At Night, Alone." Mike Posner
Island Records

人間の本性は、夜に出るのさ。

December 13, 2016

大嫌

モードだカスタムだ、とにかく多すぎるんだって。

今時のカメラをいきなり手渡されたとする。
そのカメラの何がどうなっているかをパッと見ただけじゃ把握しきれないって、おかしいだろ。
メニュー画面を開いて、メインダイアルのサブダイアルのセレクトレバーの決定ボタンで確認してくれ、だとさ。

そんでモニターと睨めっこ、馬鹿馬鹿しい。

これが飛行機の設定ミスなら人命に関わるんだぞ。
おいおい笑ってんじゃねえ、極端じゃねえよ、カメラにそのくらいの操作性を求めて何が悪いんだ。
こっちは生活が掛かってんだ、撮れなきゃ食えない、命が関わってんのと同じだろうが。

モニター睨んでる間に被写体が逃げちまうようなカメラの、どこがカメラだってんだ。

 Capt. Sullenberger: This is the Captain. Brace for impact.
 サレンバーガー機長 : 機長です。衝撃に備えてください。

 Passenger: What?
 乗客 : 何?

 Cabin crew: Brace! Brace! Brace! Heads down! Stay down!
 乗務員 : 備えて!備えて!備えて!頭を下げて!姿勢を低く!

 GPWS: [Too Low, Terrain. Too Low, Terrain.]
 対地接近警報器 : [低すぎる、地面です。低すぎる、地面です。]

 ATC: Come on, Talk to me.
 空港管制官 : 頼む、応答してくれ。

 GPWS: [Terrain. Terrain.]
 対地接近警報器 : [地面。地面。]

 Capt. Tourist Helicopter: Go down ... Go down!
 遊覧ヘリコプターの機長 : 降下してる・・・降下してるぞ!
 
 GPWS: [Pull UP! Pull UP!]
 対地接近警報器 : [機首を上げろ!機首を上げろ!]

酷かもしれないが、こんな状況で撮るとしても、俺は絶対に迷いたくないんだよ。

"Sully" Clint Eastwood
Warner Bros. Pictures

シャッターを切る瞬間、全身に冷や汗をかいたことがある、そういう奴にカメラを設計させてみな。

そしたら絶対、こんなカメラにはならんから。

December 6, 2016

悪口

悪口を言う奴が嫌いだ。

悪口を悪口と思ってない奴が嫌いだ。
悪口を批評だと誤魔化してる奴が嫌いだ。
悪口を言われたくなくて一緒に悪口を言ってる奴が嫌いだ。

悪口を黙って聞いてる奴が嫌いだ。

Kerala - "Migration" Bonobo
Ninja Tune

仕事ですからね、悪口でも言わないとやってられませんよ。

彼は紙コップの水を飲みきると、そう言った。
空になった紙コップを机に置いて、手の平でペコンと潰す。
元に戻ろうとする紙コップの軋み、椅子に座りなおすスーツの衣擦れ、口を閉じたままの咳払い。

そういう小さな音は、異様なくらいよく聞こえた。


If I Had A Heart - "Fever Ray" Fever Ray
Rabid Records

机と椅子しかない、乾燥して喉が渇く、この会議室が嫌いだ。

December 1, 2016

憤慨

大手町にて。

【面接官】
今までで一番汗をかいた仕事を教えてください。

【私】
そーですねえ、接待でサウナ入ったときですかねえ。

【面接官】
それは接待でしょう。仕事としての汗について聞いてるんですが。

【私】
そーですねえ、接待以上に苦労する仕事があったら聞きたいですねえ。

【面接官】
・・・まあいいでしょう、じゃあサウナ、と。コホン。それで、動画はどうですか?

【私】
そーですねえ、しゃ・し・ん、と書いてあるのに、なんでみなさん動画って聞いてくるんですかねえ。

【面接官】
いや、動画もできるかという、ただそれだけですが。

【私】
そーですねえ、「動画も」の「も」ってのが引っ掛かりますねえ。

【面接官】
さ、参考までです。

【私】
そーですねえ、参考というより「おまけ」、どっちが「おまけ」かは知りませんけどねえ。

【面接官】
そそ、そんなつもりはありませんよ。

【私】
そーですねえ。
写真を繋げたもんが動画じゃないんですよ!
原理がそうだったとしても、動画をバラせば写真になるって言ってんのと同じなんですよ!
それが如何に雑い感覚なのか解ってんのかってんですよ!
「動画も」の「も」ってのは、写真と動画の両方を、映像表現そのものを軽視してるってことに気付けってんですよ!
てことは、対価も払わんと、やれるなら一人何役でもやらせちまおうって会社なのが解るんですよ!
あんたがそれでやりたいと思うか、ってんですよ!

【面接官】
けけけ、結果は後日お知らせします。

Familiar - "Citizen of Glass" Agnes Obel
Play It Again Sam
そーですねえ。

November 29, 2016

欲深

インディ・ジョーンズ第一作目「失われた聖櫃」(Raiders of the Lost Ark)のクライマックス。

Indy : Marion, don't look at it!
         Shut your eyes, Marion!
         Don't look at it no matter what happens!
インディ : マリオン、見るな!
      目を閉じるんだ、マリオン!
      なにがあっても見るんじゃないぞ!

Marion : ...... !
マリオン : ・・・・・・!

Dr. Belloq : Beautiful!
べロック博士 : 美しい!

Marion : Indy!
マリオン : インディ!

Indy : Don't look, Marion!
         Keep your eyes shut!
インディ : 見るな、マリオン!
      目を閉じてろ!

Don't look, Marion! - "Raiders of the Lost Ark" Steven Spielberg, St: John Williams, US 1981
"Raiders of the Lost Ark" Steven Spielberg
Paramount Pictures

だーから見るなって言っただろう。

夜トイレに行けなくなっちゃうぞ、って。
怖いからって付き合わされる身にもなってくれ、しかもウンチ君ときましたよ。
はいはい待っててあげるからごゆっくり、ちゃんと拭くんだぞ。

さて、インディ・ジョーンズの終作、第四作目「クリスタル・スカルの王国」は物凄い駄作だと思ってた。

だけど、こうやって第一作目を思い返してみると、クライマックスはちゃんと「対」になってるのな。
この世の全てを「知る」ことになったイリーナは、狂ったように「見える、見える!」(I can see, I can see!)と叫ぶ。
そして最後は「知る=見る」に苦悶しながら、「もうやめて!」(No more!)と両目を両手で覆って死んでしまう。

宇宙広しと言えども「見る」ことが罪深いことだと「知る」生物は、たぶん、人間だけだろうな。

In photography, like in all things, there are people who can see and others who cannot even look.
      Nadar

写真は、あらゆる物事と同じように、理解できる人間と、まともに見ることすらできない人間がいる。
      ナダール

See と Look の違いは、キリスト教的言語の哲学そのものなのかもしれない。

November 27, 2016

真偽

後追いの事実ではなく、先走りの憶測が現実を作る。

Washington Post
  You've been writing fake news for a while now     you're kind of like the OG Facebook news hoaxer.
  Well, I'd call it hoaxing or fake news.
  You'd call it parody or satire.
  How is that scene different now than it was three or five years ago?
  Why did something like your story about 'Obama invalidating the election results' go so viral?
   (almost 250,000 Facebook shares, as of this writing)

ワシントンポスト
 あなたは今まで嘘のニュースばかり書いてきました     フェイスブック詐欺の王道といった感じです。
 もちろん、騙し記事や捏造記事と呼んでますよ。
 あなたは冗談や風刺と呼んでますけどね。
 3年から5年くらい前の業界と現在を比べてみて変化はありましたか?
 あなたの書いた「オバマが選挙結果を無効にする」といった作り話はなぜ盛んに拡散されるんでしょうか?
 (執筆時点のフェイスブックで約25万シェア)

Paul Horner
  Honestly, people are definitely dumber.
  They just keep passing stuff around.
  Nobody fact-checks anything anymore     I mean, that's how Trump got elected.
  He just said whatever he wanted, and people believed everything,
  and when the things he said turned out not to be true,
  people didn't care because they'd already accepted it.
  It's real scary.
  I've never seen anything like it.

ポール・ホーナー
 正直に言って、人間はどんどん馬鹿になってる。
 あいつら右から左へ手渡してるだけなんだ。
 誰もファクトチェック(事実確認)なんてしない     思うに、だからトランプが選ばれたんだ。
 彼(トランプ)は言いたいことを言い、人々はそのまま信じて、
 それで後になって彼の言ってたことが本当じゃないと分かっても
 気になんかするわけないさ、だって既に受け入れちまってるんだから。
 本当に怖くなるよ。
 俺だってこんなの見たことないんだ。

The Washington Post. Nov, 17 2016

フェイスブックの捏造記事作家「ドナルド・トランプがホワイトハウスにいるのは俺のせいかもしれない」
ワシントンポスト、2016年11月17日

Work It (Explicit) - Nelly, feat.Justin Timberlake
NBA Highlights
President Obama
  What I'm suggesting is that the lens through which people understand politics and politicians is extraordinarily powerful.
  And Trump understands the new ecosystem, in which facts and truth don't matter.
  You attract attention, rouse emotions, and then move on.
  You can surf those emotions.

The New Yorker, Nov 28, 2016 Issue

オバマ大統領
 どういうことかというと、レンズを通して政治や政治家たちを見ている人々が強い力を持っているということです。
 そして、トランプは新しい構造の社会を理解しているし、そこでは事実や真実が重要ではない。
 あなただって気を引かれたり、感情が刺激されれば、次へ行ってしまう。
 感情の趣くまま波に乗ってしまうんです。

トランプ次期大統領を意識するオバマ
~ 愕然となるホワイトハウスの中で、大統領は彼の遺産とアメリカの未来を考察する ~
ニューヨーカー、2016年11月28日号

Vertigo - "How to Dismantle an Atomic Bomb" U2
Island / Interscope Records
このブログを読んでくれてる人はご存知かもしれない。

U2は違法アップロードに滅茶苦茶厳しい、世界的に有名なバンドの中ではおそらく一番厳しい。
今回、本当は彼らの曲「Even Better Than the Real Thing」(現実よりもっといいぜ、といった意味)にしたかった。
U2VEVOで公開していないから、諦めるしかない。

リーダーのボノは「音楽のイメージがミュージックビデオで固定されるのは勘弁」という考え方なのだ。

まあね、それも一理あるよな、ということで他の曲を探してみる。
あれはNGでこれはOKか、へー意外、などと思いながら再生してみてびっくり。
なんと公式にもかかわらず、原版のNTSCをHDにそのまま伸ばしてる、つまりアスペクト比が横伸びになってる。

公式公開でこれは珍しいというか、普通は逆レターボックス(左右の縦方向に黒マスク)するもんだが。

メンバーが全員太っちょの短足に見えてしまうのは、正にイメージを左右しかねないと思うけど。
まあ、ボノがOKなら仕方がない、今の若い世代に映像なしの音楽というのも難しいだろうし。
しかし最初に再生した時、まさに「Vertigo」(めまい)がしたぜ。

というオチが言いたかっただけで、このブログも書いてあることも全部・・・

Of course, there will always be those who look only at technique, who ask "how,"
while others of a more curious nature will ask "why."

      Man Ray

もちろん、技術的なことにしか注目できない人っていうのは必ずいて、「どうやって」と聞いてくる、
もっと好奇心のある人は「なぜ」って聞いてくるけどね。

      マン・レイ
・・・嘘です。

November 18, 2016

没閃

人類が百億人に達しようとする、そう遠くない未来。

網膜から入った映像を体外の記憶装置へ直接保存することが可能になった世界。
今やアドコンやファイザー・キヤノンといった国際企業は視覚系の生体組織を製造するまでになっていた。
これらの指数関数的に増加する膨大な映像情報に対処するため、政府は国際被写体保護税(ISPT)を制定する。
※2026年にアドビがニコンを買収子会社化、2043年にファイザー製薬がキヤノンを合併吸収。

スローガンは「全ての被写体に権利と保護を」。

空、海、山、花、動物、虫、砂粒一つに至るまで、それら自然の被写体は地球環境保護税として算出、徴収される。
ビル、家、服、車、鉛筆一本に至るまで、それら人工の被写体は所得税や消費税などから算出、徴収される。
人に対しては、年齢や生涯賃金などから算出、自撮りすら個人情報保護や社会保障と照らし合わせ徴収された。

前述のメーカーによる自動画像認識技術が常に政府のサーバーを介し、撮影一枚毎に自動徴収しているのだ。

こうして、余程の出来事でもないかぎり誰も写真を撮らなくなってしまった、ある日の早朝。
ベッドで寝ていた写真好きの主人公(高校生くらいか)は、狼狽する母親に叩き起こされて目を覚ます。
表に警察が来てお前に逮捕状が出てると言っている、そう慌てふためく母親をなだめると、主人公は玄関へ出た。

警官は「君、まず両目(に内臓されたセンサー)を切ってくれるかな」と言いながら、胸元のISPT-IDを掲げた・・・。

Clichés - Hiérophante
SoundCloud

・・・というSF小説が閃いたんだけど、やっぱりボツか。

みんなが自由自在に撮ってるはずなのに、まるでテンプレみたいになってるのが面白い。
最後、Shutterstockマークがそのままなのは笑ってしまった、確かによく参考にさせてもらってるもの。
自由意思のはずが自然と定型化してしまうっていう「無意識の縛り」のようで、ちょっと怖いね。

今この瞬間にも世界中でどれだけの枚数のシャッターが切られているのか、ホント想像もできません。

 Shoot, Shoot, Shoot.
      Diana Scheunemann

 撮って、撮って、撮るのよ。
      ディアナ・シューマン

November 15, 2016

量質

いわゆる「全米チャート」は大きくて、子供っぽい。

大きいというのは、市場規模のこと。
音楽関係の大手メーカーが純粋に音楽だけで商って五千億くらい。
もちろん世界一位で、日本はこの半分くらい。

そして、アメリカと日本だけで世界の音楽市場の半分以上を占めてる。

子供っぽいというのは、売れてる音楽のこと。
十代から二十代が好んで聴く、ポップ系のラブソングですね、これは良いも悪いもないよ。
ロックだラップだメタルだ、味付けの違いはあるけど売れ筋の考え方はアメリカも日本もそっくり。

だから、チャートだけ眺めてても、アメリカと日本は若年層以外の人達が何を聴いてるのかが分かりにくい、かな。

ちょっと羨ましく思うのは、市場規模は小さいけど欧州系のチャート。

規模が大きいのはプロダクションの多いイギリスとドイツのチャートで、それでもアメリカの三分の一くらい。
フランスやイタリア、オランダ、オーストリア、ノルウェー、ベルギー、スイスなんかになると十分の一もない。
アメリカで10位圏内に入った曲は、当然こういう国々のチャートにも結構な頻度で顔を出したりする。

だけど100位圏内で眺めると、ヨーロッパは「老若男女がいろんな音楽を聴いてるんだな」ってのが垣間見えるね。

Jamie xx's 2015 "Gosh" was shot in the Chinese ghost city of Tianducheng (浙江天都城) by Directer Romain Gavras.
The remarkable part of this music video is that it features more than 400 actors and was made without any CGI or other tricks.
Gosh (Behind the Scenes) - Jamie xx, Vd: Kim Chapiron, Pr&Photo: Mattias Rudh, UK&China 2015
Gosh - "In Colour" Jamie xx
XL Recordings / Young Turks

いろんな音楽がどんどんチャートに入ってくる、そういう多様性は、やっぱり素直に素敵だなあと思います。

November 14, 2016

複写

一昨年、クリスティーズに「聖プラクセディス」が出た。

首を切り落とされて殉教したキリスト教徒、その血を拭い清める聖プラクセディス、という一枚の油絵である。
これをある匿名の人物が約10億円で落札し、なんとそのまま上野の国立西洋美術館に寄託すると申し出た。
寄託であって寄贈ではないから所有権は匿名の人物のまま(つまり個人蔵)だが、常設展示されることになった。

丁度一年くらい前になるか、甥をダシにして一緒に国立西洋美術館へ向かった。

Saint Praxedis
Attributed to Johannes Vermeer
Oil on canvas, 102 cm × 83 cm, circa 1655
National Museum of Western Art, Japan
あった、「聖プラクセディス」。

綺麗だ、綺麗としか言葉が出ない、なんて綺麗な赤なんだ。
色々な色がある中で、実は赤はあまり好きな色ではない、個人的に苦手な色のひとつが赤といってもいい。
しかしこれだけは断言できる、この赤を正確に複写できるメディアは「ない」、画像検索なんか糞喰らえだ。

そして話には聞いていたが、この赤い布の質感にも驚いた。

サテンのようなベルベットような、光沢というよりも、布が自ら発光しているようにすら感じられる。
約360年を経てこの色味、この質感、これが保護ガラスなしで前屈みになると目の前50cmくらいで鑑賞できる。
入館料は大人430円、しかも甥は保護者ありということで無料になるんだから、バチがあたりそうだ。

気が付いたら一時間近く眺めていただろうか、呆れた甥はとっくに休憩していて、このバチあたりめ。

Mona Lisa Smile - "willpower" will.i.am
will.i.am Music Group / Interscope Records

よし休憩も終わったし、もう一度、本題を考えながら見るぞ。

本題とは、「聖プラクセディス」は誰が描いたのか、だ。
今のところ、オランダの画家ヨハネス・フェルメールが描いた、ということになっている。
断言できるまで至っていないので、但し書きも「フェルメールに所属」(Attributed to Johannes Vermeer)だ。

もし彼の真作であると断定できるような画商の売買履歴などが出たら、たった10億じゃ落札は無理だったろう。

この「聖プラクセディス」、実は模写であることが判明している。
オリジナルは、イタリアの画家フェリーチェ・フィチェレッリが1618年から1650年頃に描いた「聖プラクセディス」。
構図から色合いからトレースしたように同じなんだが、ある一点だけが全く異なる。

フェルメール作とされる聖プラクセディスは十字架を手にしているが、フィチェレッリ作には十字架がない。
※最初のクリスティーズの動画で、01:03~01:15頃の「聖プラクセディス」がフィチェレッリ作。

構図から色合いから完璧以上の「コピー」のはずなのに、あざといくらいの位置に十字架を加えたのは何故か。
彼ほどの腕をもった画家が平凡な作品の模写を、しかもオリジナルを超える技巧で描く必要があったのは何故か。
しかも、フェルメールとフィチェレッリの二人が連名した、ように見える不思議な署名が入っているのだ。

この二人には直接的な繋がりがないということがはっきりしているのに、何故なんだ。

Girl with a Pearl Earring
Johannes Vermeer
Oil on canvas, 44.5 cm × 39 cmc, 1665
Mauritshuis, Netherlands

フェルメールは、真作と断定できる作品が三十数枚しかない(研究者によっては三十枚を切る)。

人気があるので贋作も後を絶たず、天才的な贋作画家メーヘレンの贋作なんか偽物なのに人気があるくらいだ。
ただ、なんの根拠もないけれど、国立西洋美術館の「聖プラクセディス」は自分の目で見て、本物だと思った。
誰が描いたかは特定できないけれど、少なくとも本物の誰かが描いた作品であることは間違いない、と思った。

それには理由があって、フェルメールについて前々から感じていたことで、はっきり確信したことがあるからだ。

現在、彼の真作であり代表作とされる「真珠の耳飾りの少女」。
専門家から引っ叩かれそうだが、実はこれ、フェルメールの作品じゃないんじゃねえの、と思っていたのだ。
筆遣いという点で「真珠の耳飾りの少女」は、他のフェルメールの作品とは微妙に違うような気がしていたのだ。

ところがだ、「聖プラクセディス」と「真珠の耳飾りの少女」は筆遣いに通じるものがある、と思った。

直感でしかないけれど、特に布地を描く筆遣いに共通点があるような気がする。
「聖プラクセディス」と「真珠の耳飾りの少女」を描いた画家は、筆が立て気味だったんじゃないかと思う。
筆を寝かせるんじゃなくて、どちらかというと立て気味にして細かく動かすように描く癖があったんじゃないか。

つまりだ、フェルメールと混同されてしまった別人、まだ未発見の天才的な画家がいるんじゃないか。

フェルメールはもともと商業画家で、人望があったから画家組合の理事なんかもやっていた。
名義貸しや暖簾分けがあってもおかしくないし、それなら制作年代と技巧成熟度のズレといった問題も解決する。
ああでもないこうでもない、お前はどう思うと聞いたら、甥は「まるでコナン君だね」だって。

おいちゃん、疲れたよ。

I don't need to know anything about the people I photograph,
but it's important that I recognize something about myself in them.
      Rineke Dijkstra

私が写真を撮っている相手について何かを知る必要はありません、
しかし、写真を撮っている自分自身は何であるかを意識することは重要です。
      リネケ・ダイクストラ

November 9, 2016

The Last Song Ever Written

You are here so please don't whisper
It's ok to please the one
We had everything we wanted
It's ok to say goodbye

We were young
We were relaxed
We were young but feeling old
It's not fair, it breaks my heart
You're not with me anymore

I miss you dear
Anywhere I go
How I miss you here

I miss you dear
Anywhere I go
How I miss you here

This is the last song every written
This is the last song every written ...

This is the last song ever written, this is the last one
This is the last song ever written, this is the last one ...

This is the last song ever written ...

This is the last song ever written, this is the last one
This is the last song ever written, this is the last one
This is the last song ever written, this is the last one
This is the last song ever written, this is the last one ...

Darkness & Ignorance
Type with one finger
Photography can light-up darkness and expose ignorance.
        Lewis Wickes Hine

写真は闇を照らし、無知に光明をもたらす。
        ルイス・W・ハイン

November 7, 2016

平和

各メディアでバラバラの支持率を眺めながら思った。

じゃあ、どんな人間が大統領に相応しいのか。
景気回復か、社会保障か、失業対策か、教育改革か、違うと思う。
そういうゴタゴタは大統領の周りに大勢いる優秀なブレーンたちに任せておけばいい。

大統領じゃないと務まらない仕事があるから大統領という役職があるのだ。

例えば、ベタだが、スピルバーグ監督の映画「プライベート・ライアン」を思い出してほしい。
冒頭、ノルマンディ上陸作戦で激戦区となったオマハ・ビーチの様子が描かれている。
あれを「やる」と判断する権限を持つことができるのは、大統領だけだ。

ご存知の通り、アメリカはあらゆる点で世界最大の軍隊を運用している。

SIPRI(ストックホルム国際平和研究所)によると昨年の軍事費はこうなっている。
第1位のアメリカは約5960億ドル、日本円にして約65兆円。
第2位(中国)の約3倍、第3位(サウジアラビア)の約7倍、第4位(ロシア)の約9倍、第5位(イギリス)の約10倍。

アメリカの大統領は事実上、世界で最も強大な殺生与奪の権限を有していることになる。

理想として必ず「平和は意識すべき」だが、それが簡単に実現できるとは思えない。
だからと言って、戦場に行ってこいと赤紙をもらって「はいそうですか」とは従えそうにない。
もちろん、ニュースやドローン越しの映像を見て「ゲームみたいだ」などという感覚麻痺も、ないつもりだ。

残念だが、後世になって歴史家が人々の争いを記述しなければならない時代はまだまだしばらく続くだろう。

そうだとして仮に、自分が爆撃機の要員だったとする。
クリントン大統領の最終決断により、自分が爆弾投下の扉を開いて、後で後悔しないか。
トランプ大統領の最終決断により、自分が爆弾投下の扉を開いて、後で後悔しないか。

冗談みたいだ、これでは空爆する方も空爆される方もたまったものではない。

一人の個人が、誰かに殺傷されていい理由はない、絶対にない。
ただし、人間は社会的動物でもあるので、ある程度は集団単位で生きていかないと社会自体が崩壊してしまう。
そうなると必ず、社会自体の崩壊を防ぐために、最終手段として個人を無視しなければならない状況がでてくる。

戦争だ。

正式な宣戦布告があった戦闘区域の場合、敵対する兵士を殺しても殺人ではない。
正式な軍事行動に従って正確に空爆した場合、女性や子供を巻き添えにして殺しても殺人ではない。
迷っても必ず、いずれどこかで戦争があり、誰かが大統領になって、誰かが爆弾投下の扉を開く。

「殺人ではない殺人」命令を下したとしても納得できる候補者は・・・と念頭に置き、大統領選挙の当日を迎えよう。

Need You Now - "Why Make Sense?" Hot Chip
Domino Recording Company

オバマさんは主語によく「We」を使って話すことで知られ、単に方針じゃなくて、やっぱり性格が出てると思う。

トランプさんはよく「No」を使い、「駄目だ」「嫌だ」「馬鹿だ」「嘘だ」「お断りだ」等々、子供の口喧嘩かいな。
クリントンさんは単語の偏りがない分、今までの大統領候補としては平坦な話し方でまったく印象に残らん。
悪口はお互い様で「あんたのホテルの鉄骨は中国製よ!」「お前を刑務所にぶちこんでやる!」等々、拮抗してる。

大統領や候補者の演説は格好の英語教材になるんだが、教科書会社が頭を抱えてる、というニュースもあった。

I hope to stay unemployed as a war photographer till the end of my life.
       Robert Capa
(At the end of World War II, 1945)

俺の人生が終わるまで、戦場カメラマンとして失業していたい。
       ロバート・キャパ
(第二次世界大戦終了時、1945年)

キャパってベタなんだけど、やっぱり凄いよなあ。

November 3, 2016

反射

The camera is an instrument that teaches people how to see without a camera.

       Dorothea Lange

カメラは、人々がカメラがなくてもどうやって見たらいいのか教えてくれる道具なんです。

       ドロシア・ラング

今だ!

なにやってんだよ、あーあ、また逃げちゃったよ!
何が逃げたって、シャッターチャンスに決まってんだろが!
グズ、ノロマ、アンポンタン、それでもお前ぇは目ぇ開けてんのか!

これだ!って思った瞬間っつーのはストロボがパッと光る瞬間なんかより、ずっとずっとずーっと早いんだよ!

No Care - "Not to Disappear" Daughter
4AD (Beggars Group)

While there is perhaps a province in which the photograph can tell us nothing more than what we see with our own eyes,
there is another in which it proves to us how little our eyes permit us to see.
       Dorothea Lange

写真はね、私たちが見ている以上のことは何も伝えられないってことはあるかもしれないわね、
でもそれって、私たちが自分の目でいかに見ることができていないかっていう証拠でもあるのよ。

       ドロシア・ラング

仏像だって走ってるんだぞ、俺!

October 31, 2016

共喰

たまに「書こうかな」と思ってはやっぱり「やめた」となる映画がいくつかある。

なかなか邦題に恵まれないマーク・ロマネク監督の映画「One Hour Photo」もそのひとつだ。
この原題はそのままの意味で、どこにでもある1時間仕上げの写真屋さんのことである。
この写真屋さんの店員サイは、ある家族の持参するネガから勝手に焼き増ししては密かにコレクションしていた。

孤独な彼には、ある家族の写真に囲まれて過ごす時間だけが、疑似的に家族の一員となれる唯一の慰めだった。

ここまで書けば誰でも察しがつこう、そう、邦題「ストーカー」である。
2002年の公開なので社会的にもこの単語が話題になっていた時期だし、仕方がないのかな、とも思う。
直訳の邦題「1時間仕上げの写真屋さん」では、違和感のある邦題「ストーカー」よりも売上は落ちたに違いない。

違和感と書いたが、物語のラストにこんなシーンがある(一応ネタバレではない)。

取調室でサイは刑事に「自分の撮った写真を返してくれないか」と頼む。
いつも誰かの写真を見るだけで、DPEしか経験のない彼が、初めて自分自身でシャッターを切った写真である。
刑事は少し躊躇するが、写真をサイに手渡すと取調室を出て行った。

サイは、コメディアンの雄、ロビン・ウィリアムズが驚くほどシリアスに、真摯に演じている。

取調室の真っ白な机に、初めて自分で撮った写真を並べはじめる時の、サイの表情。
写真がちょっとでも斜めになると律儀に水平垂直を直し、丁寧に並べていく時の、サイの表情。
並べ終わった何十枚かの写真と、それらを俯瞰して見つめる時の、サイの表情。

サイの最後の表情は、この映画が単純な邦題では括れない物語であることを痛切に訴えている。

Lost It To Trying (Mouths Only Lying) - "Alternate Worlds" Son Lux
Lost It To Trying - "Lanterns" Son Lux
Joyful Noise Recordings

For me the subject of a picture is always more important than the picture.
And more complicated.
       Diane Arbus

私にとって写真の被写体は、つねに写真よりも重要です。
そして、もっと複雑なのです。
       ダイアン・アーバス

当時、雑誌「Aperture」などを出版していた非営利支援団体アパーチャー財団の写真集にこの記載があるらしい。

1972年というから、もしかしたら彼女の死後に初出となった言葉なのかもしれない。
しかし彼女なら、被写体への愛情の持ちようはとっくに同じような言葉で他にいくらでも記録されていそうではある。
どんな写真家でもそうなんだが、被写体を愛しすぎた写真家は、写真に喰われていくような気がする。

彼女の言葉を、店員サイに贈る。

October 25, 2016

目力

A photograph is not created by a photographer.

What they does is just to open a little window and capture it.
The world then writes itself on the film.

The act of the photographer is closer to reading than it is to writing.
They are the readers of the world.

      Ferdinando Scianna

写真は、写真家が創るんじゃない。

出来ることといったら、小さな窓をちょっと開いて、捕まえることくらいだ。
世界は勝手に、自らをフィルムに書き込む。

写真家の行為は、書くことよりも読むことに似ている。
彼らは世界を読む人々なのだ。

      フェルディナンド・シアナ

Sharp Bust - "Rushchamber" Reinier Zonneveld
Stil Vor Talent
やばい、ピントを合わせられん。

老眼になってきているし、最近はロクな品質の眼鏡をかけてない。
向こうの被写体とボディの液晶表示をファインダー越しに交互に見る、なんて、当たり前に出来ていたのに。
眼鏡もカメラも同じ、レンズの金額と収差補正の能力は直結してるんだ。

確かに世界は勝手で、(少なくとも俺の読んだ世界はなかなか)自らをフィルムに書き込んでくれないようだ。

October 24, 2016

見極

2016年10月18日付。

マサチューセッツ大学ローウェル校が今月10日から13日にかけて、18歳から35歳の1247人を対象に調査しました。

・クリントン候補が大統領になるより、巨大隕石が衝突して地球が消滅した方がよい → 34%

・トランプ候補が大統領になるより、巨大隕石が衝突して地球が消滅した方がよい → 53%

・地球消滅はまずいので、候補者から選ばないといけないのですが?
  クリントン候補 54%
  トランプ候補  21%
  それでも巨大隕石 25%

その他にもありますが面倒なんで以上、米国ボストンより、ロイターのスコット・マローンがお伝えしました。

「トランプ?クリントン?世論調査でアメリカの多くの若者たちが巨大隕石を望んでいることが明らかに」
2016年10月19日、ロイター
Reuters, Oct 19, 2016

「全米世論調査:若い世代の1/4が2016年の大統領候補者よりも巨大隕石を選ぶ」
2016年10月18日、マサチューセッツ大学ローウェル校
UMass Lowell, Oct 18, 2016

All We Do - "Oh Wonder" Oh Wonder
Self-released
Island / Republic / Caroline Records

片方がロッカールーム下ネタ流出で降参かと思えば、今度はもう片方が核ミサイル4分暴露で失言だもんなあ。

だけど、もうそんなことはどうでもいい、だからって、巨大隕石なんて他力本願の無責任も嫌なんだ。

やっぱり、初心に戻るしかない、そして、11月から写真の話を・・・

・・・できたらいいな。

October 20, 2016

苦悩

さあ、最後だ。

第三回大統領候補者討論会、これでほぼ決まる。
かなり優勢になったヒラリーさんの既定路線でいくか、悪役と覚悟の上でトランプさんの弩級改革でいくか。
黒人たちが「セックス」の隠語として使っていた「ロックンロール」を堂々と叫び、音楽の王道にまで昇華した国よ。

さあ、どちらを選ぶのだ。

<Verse 1>
<歌詞 1>

Bathroom stalls for the powder nose (she loves)
トイレの個室で化粧を直す (彼女が大好きなのさ)

High heel shoes with the open toes (she loves)
オープントゥのハイヒール (彼女が大好きなのさ)

She's got a good time wrapped in gold (she loves)
彼女は金に満たされて楽しんでる (彼女が大好きなのさ)

For you, for you!
お前のためだ、お前のためなんだ!

All red dress with the devil eyes (she loves)
悪魔みたいな瞳に赤いドレス (彼女が大好きなのさ)

So obsessed with the camera lights (she loves)
カメラのフラッシュに夢中になってる (彼女が大好きなのさ)

You love her, but you can't deny (she loves)
お前は彼女が好きなんだろ、誤魔化すな (彼女が大好きなのさ)

The truth, the truth!
真実さ、真実なのさ!

<Chorus1>
<コーラス1>

She loves everybody
彼女はみんなから愛されてる

Can't you tell by the signs?
合図なんかじゃ伝わらない?

She loves everybody
彼女はみんなから愛されてる

She gets off all the time
彼女はいつも楽しんでる

It's a dark philosophy
最悪の哲学だろ

And it haunts her constantly
いつもそれが彼女を悩ますんだ

It's a false alarm to me
俺にとって人騒がせな奴なのさ

She's a false alarm!
彼女は人騒がせなんだ!

False alarm! (hey, hey, hey, hey!) x6
人騒がせさ! (ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ!)

(Alarm!)
(注意しろ!)

<Verse 2>
<歌詞 2>

6 inch long, bout 3 inch wide (she loves)
6インチの長さで、幅は約3インチ (彼女が大好きなのさ)
※実際のドル紙幣は全額、約6inch (約156mm) x 約2inch (約66mm)。

Dolla, dolla bill is her only type (she loves)
ドル、ドル札だけが彼女の好みのタイプなんだ (彼女が大好きなのさ)

You love her but you'll never be (she loves)
お前が彼女を愛してたってドル札にはなれない (彼女が大好きなのさ)

The one, the one!
運命さ、運命なんだ!

Diamonds and the rings are her fantasy (she loves)
ダイヤモンドの指輪は彼女の幻想さ (彼女が大好きなのさ)

She chase hearts with the Hennessy (she loves)
彼女はヘネシーで心を掴もうとするんだ (彼女が大好きなのさ)

You love her, but you'll never be (she loves)
お前が彼女を愛してたってドル札にはなれない (彼女が大好きなのさ) 

Enough, enough!
もう沢山だ、沢山だろ!

<Chorus 2>
<コーラス 2>

She loves everybody
彼女はみんなから愛されてる

Can't you tell by the signs?
合図なんかじゃ伝わらない?

She loves everybody
彼女はみんなから愛されてる

She gets off all the time
彼女はいつも楽しんでる

It's a dark philosophy
最悪の哲学だろ

And it haunts her constantly
いつもそれが彼女を悩ますんだ

She's a false alarm to me
俺にとって人騒がせな奴なのさ

She's a false alarm!
彼女は人騒がせなんだ!

False alarm! (hey, hey, hey, hey) x6
人騒がせさ! (ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ!)

(Alarm!)
(注意しろ!)

<Dialogue>
<台詞>

We're home free, baby!
よし、適当にご帰宅とするか!

He's here!
奴はこっちだ!

Come on, come on, come on!
寄こせ寄こせ寄こせ!

Let's go, let's go, let's go ... Fuck!
来い来い来い・・・畜生!

Come on! What are you waiting for!?
寄こせ!なにグズグズしてんだ!?

No! No! Please, No! No! No! No ...
嫌!嫌!お願い、嫌よ!嫌!嫌!嫌・・・

What the fuck!?
なにやってんだ!?

What did you do to the God damn girl?
こんなクソ厄介な女をどうする!?

Where's my fucking money!?
俺の大金をどこに置いてきやがった!?

Catch that fucking ...
受け取ってやるよあの大・・・

<Chorus 3>
<コーラス 3>

She always leaves the man she loves
彼女は必ず彼氏を捨てる

But the diamonds are forever
でもダイヤモンドは永遠だ

She always seems to be alone
彼女はいつも独りさ

But the diamonds make it better!
それでもダイヤモンドの方がいいんだろ!

False alarm! (hey, hey, hey, hey) x6
人騒がせさ! (ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ!)

(Alarm!)
(注意しろ!)

【Parental Advisory Explioit Content】
False Alarm - "Starboy" The Weeknd
XO / Republic Records (Universal Music Group
)
La la la ... La la la ...
ラララ・・・ラララ・・・

Pen-Pineapple-Apple-PenPineapple Pen ... くらいが幸せなのか、な。

October 15, 2016

戯言

ルパンが泥棒だからなんじゃないの。

こらこら、こらこらこらこら、お前たちは何を言っとんじゃ。
強盗札じゃなくて「ゴート札」、ゴートな、ゴート、だから指輪に山羊が刻まれてんじゃんか。
お前もう中学生だろ、単語帳ここに持ってきてみろ。

カレンダーじゃねえよ、「可憐だ」、カ・レ・ン、これはまあ小学生じゃ知らんで当たり前か。
不二子ちゃんじゃねえよ、「不~二子ちゃん」な、単なる名前だけどこれは発音が重要なんだっつの。
ぜんぜん落ち着いて観れん、面白いんならそれでいいけどさ、アニメなんだから。

「あなたの心です」って、これは大人になれば自然にわかることで、聞くのも説明すんのも野暮だっての。

Hi & Low - "Body Language Vol. 17" WhoMadeWho
Get Physical Music

大統領選挙やシリアの問題、他にも次から次へといろんな出来事があるからどんどん次のニュースになるけれど。

アメリカは今年になって何件、警官殺しや暴動、それらに伴う乱射事件が発生しただろうか。
国と国民が争い、いったい何人の死傷者が出てると思ってるんだ、これはもう銃所持の是非さえ超えてる。
しかもだ、それらの事件の余波を含めた不穏な世相は日常化しすぎてニュースにすらならない。

例えば日本で考えてみろ、毎週のように誰かがお巡りさんを殺害しようとして死傷者が出てるような状態だぞ。
非常事態宣言が出て州兵が動員される、と書くのは簡単だが、国民を抑えるために軍隊を出すって余程だろう。
加えて、現状でこれだけまとまらないのに、来年以降の人心をばっさり二分しかねないような大統領選挙とは。

今更になって、反比例してオバマさんの支持率が上昇しているが、事態が深刻すぎて、まったく笑えない。

Varúð - "Valtari" (The Valtari Mystery Film Experiment) Sigur Rós
XL Recordings / EMI Records

ノーベル財団もなかなか。

でも今後、村●春●さんが受賞することはない、それは確信しました。
だってボブ・ディランに倣えば、吉●拓●さんや井●陽●さんなんかが同じ土俵ってやっぱり「ない」と思うんですよ。
誤解しないで欲しいのは、●で伏せた方たちも本当に素晴らしいし大好きなんですが、やっぱり違うよな、と。

もし俺が選考委員だったら、な●ら●壱さんにだって授与したいと思うもの。
ただ、ボブ・ディランというのも微妙というかなんというか、やっぱりファンの選考委員がいたりするんですかね。
だったらジャニス・ジョプリンとかデヴィッド・バーンとかさ、これ絶対にデビット・ボウイも候補に入ってただろ。

変化球はいいから、ちゃんと文学を書いてる人に授与して欲しかったです。

Seven Nation Army - "Elephant" The White Stripes
V2 Records / XL Recordings

もうね、ノーベル音楽賞を新設した方がよかったんじゃないですかね。

October 12, 2016

言争

Class fellow : You weren't at the party last night ... Where were you?
同級生 : あんた昨日の夜、パーティで見かけなかったけど・・・どこ行ってたの?

Carrie : Well, This is totally on the DL, I mean, not fit to print,
            I'm dating ... John Tucker!
キャリー : そうね、これ内緒なんだけどさ、はっきり言えないっていうか、
       わたし付き合ってんのよね・・・ジョン・タッカーと!
※キャリー・シェフェール役はアリエル・ケベル、最近のドラマでよく見かける。
DLはDon't Leakの略で、秘密や内緒のスラング。
  <Bash!>
  <バシン!>

Carrie : Hey!
キャリー : ちょっと!

Heather : Sorry, It slipped.
ヘザー : ゴメン、手が滑っちゃった。
※ヘザー・ストラハム役は歌手のアシャンティ、この役柄にぴったり。

Carrie : Okay, All right, I'm fine ... Okay everybody, Let's play!
キャリー : わかったわ、大丈夫、いいわよ、じゃあみんな、やろ!

  <Bash!>
  <バシン!>

Carrie : You know what?
            That was no accident!
キャリー : なんなの?
      ワザとでしょ!

Heather : He's mine!
               Stay away from him!
ヘザー : 彼は私のものよ!
      彼に付きまとわないでよ!

Carrie : Oh, you little brat!
キャリー : なによ、生意気に!

Beth : Oh, Girls, Peace and love!
          Come on!
          No guy is worth fighting over!
          There's nothing to fight about!
ベス : ちょっと、あんたたち、仲良く!
      どうしたのよ!
      男のことで喧嘩なんて!
      喧嘩したって意味ないじゃない!
※ベス・マキンタイア役はソフィア・ブッシュ、リメイク版「ヒッチャー」のグレース役ですね。

Heather : John Tucker's mine!
ヘザー : ジョン・タッカーは私のものなんだから!

Beth : Oh!?
ベス : え!?

  <Bash!>
  <バシン!>

Heather : What the hell is your problem?
ヘザー : なんだっていうのよ、文句ある?

Beth : I am dating John Tucker!
ベス : 私がジョン・タッカーと付き合ってんのよ!

  <Bash!>
  <バシン!>

Kate : Augh!
ケイト : きゃあ!
※ケイト・スペンサー役はブリタニー・スノウ、実はこの映画の主人公で三股騒動に巻き込まれていく。
  <Bleep!>
  <ピー!>

Coach Williams : Enough!
                          ... Let's get back in the game.
ウィリアムズ先生 : いい加減にしなさい!
           ・・・試合に戻りなさい。
※ウィリアムズ先生はパトリシア・ドレイク、彼女たちを受け持ったことが一番の災難かも。
  <Bash! Bump! Clap!>
  <バシッ!ドスッ!バキッ!>

Coach Williams : Put those balls down!
ウィリアムズ先生 : ボールを離しなさい!

Goth girls : ......
ゴス系(ファッション)の女の子たち : ・・・・・・
※いわゆる「リア充」たちのドタバタを傍観する「オタク」たち、といった演出が所々あって面白い。

  <Flump! Smack! Thump!>
  <ドスッ!バンッ!ゴンッ!>

  <Bleep!>
  <ピー!>

Kate : This guy is cheating on all of you, and instead of taking it out on him,
          you're beating the shit out of each other!?
ケイト : その男が三股してて、要は誰でも手あたり次第、
     あんたたちがお互いに惨めってことじゃない!?

Coach Williams : Language!
                          Detention, You, you, you and you!
                          Honestly!
ウィリアムズ先生 : 覚悟なさい!
          反省文は、あなた、あなた、あなた、そしてあなたも!
          まったく!
※Detentionは「懲罰」なんだけど、日本なら補習や居残りで反省文を書きなさい、みたいな感覚か。

Beth : Who is that?
ベス : あいつ誰なの?
※ケイトのこと。
Heather : I don't know!
              Pimp Something!
ヘザー : 知らないわよ!
      どうせ男ったらしでしょ!

Carrie : ......
キャリー : ・・・・・・

"John Tucker Must Die" Betty Thomas
20th Century Fox

日常をサラリと上手く撮れる人って尊敬する、ちょっとした出来事でもよく見てるんだろうな。

椅子のコッシーが活躍するNHK教育の番組「みいつけた!」に「おてて絵本」というコーナーがある。
小さな子供が両手を開き、その両手を見開きの絵本に見立て、子供自身が話しながらお話を考えていく。
奇想天外から意味不明まで、子供たちが自由奔放にお話を展開する様子はどこか微笑ましい。

絵空事であっても理路整然を求めるようになったら、子供からの卒業ということになるんだろうね。

"Rocky IV" Sylvester Stallone
MGM / UA Entertainment Company

Apollo : Well, you know, some folks got to learn the hard way!
アポロ : まあね、解ってるだろ、苦労の末にやって来た連中だってことをさ!
※アポロ・クリード役はカール・ウェザース、説明不要。

Press : No quick knockout predictions?
記者 : さすがにノックアウト宣言はしませんか?

Apollo : No, No, No, I'm not angry with him.
            I just wanna show the whole world that Russia doesn't have all the best athletes.
アポロ : いやいやいや、俺は彼に怒ってるんじゃないからな。
      ロシアのスポーツ選手だけが最高じゃない、ってことを俺は世界に証明したいだけさ。

Press : Rocky, How do you think Apollo should fight Drago?
記者 : ロッキー、アポロがドラゴと闘うにはどんな戦法を?

Rocky : Well, personally, I think the first thing you'd better get Apollo is a ladder.
ロッキー : そうだな、個人的にだけど、最初に考えたのはアポロは梯子を用意した方がいい、ってことかな。
※ロッキー・バルボア役はシルベスタ・スタローン、この当時はまだ「若さ」を感じる。
第一作目は別格として、シリーズの中では一番の駄作と呼び名の高いこの第四作目が一番好きです。

Press : Drago, How does it feel to spar with the great former champion?
記者 : ドラゴ、偉大な元チャンピオンと勝負するにあたって、お気持ちは?

Drago : ......
ドラゴ : ・・・・・・
※イワン・ドラゴ役はドルフ・ラングレン、身長198cmって、髪の毛入れたらほぼ2mやん。

Apollo : The man's tongue didn't come through customs.
アポロ : こいつの舌は税関で没収されたんだろうな。

Ludmilla : My husband is very happy to have this opportunity.
               It's his dream.
ルドミラ : 夫はこのような機会を得てとても満足しています。
       彼の夢でしたから。
※ルドミラ・ドラゴ役はブリジット・ニールセン、これがきっかけでスタローンと結婚して即離婚。

Press : Dream, How do you mean?
記者 : 夢、どういう意味ですか?

Ludmilla : In our country, Apollo Creed is well known and very respected.
               It could be a good victory.
ルドミラ : 祖国でも、アポロ・クリードはとても尊敬されていて有名です。
      彼に勝てるかもしれないんですからね。

Apollo : Whoa!
            Wait, wait a minute now, wait a minute.
            When?
            Now you don't really think you're gonna whip me, do ya?
アポロ : おっと!
      待て、ちょっと待った、ちょっと待った、落ち着けよ。
      いつだ?
      お前俺に打ち込めると本気で思ってんのか、どうなんだ?

Ludmilla : Well, he didn't come here to lose.
ルドミラ : 勿論、夫は負けるためにここ(米国)へ来たんじゃありません。

Apollo : You hold on, Lady, You hold on.
            Lose, and lose royally, he's gonna do.
アポロ : 待て、奥さん、待てよ。
      負けるぜ、立派に負けるのさ、旦那がな。

Ludmilla : How can you be so sure?
ルドミラ : どうしてそんな自信が?

Apollo : I've been with the best.
            I beat the best.
            I retired more men than Social Security!
アポロ : 最強が俺だからさ。
      俺が最強なんだよ。
      養老院送りにした奴は数知れんぜ!

Koloff : Excuse, please.
            You are not very realistic, are you, Mr Creed?
コロフ : すまない、よろしいかな。
      あなたはあまり現実的ではないようだが、如何だろうね、クリードさん?
※ニコライ・コロフ役はマイケル・パタキ、ロシア戦ではゴルバチョフ書記長のそっくりさんも登場します。

Apollo : When do you come form, What are you talkin' about?
アポロ : お前どっから出てきたんだ、なんの話だって?

Koloff : You can box, yes, but you are far too old to think you can win over Drago.
コロフ : あなたは試合ができる、そうだろうね、しかしドラゴに勝てるなんて考えること自体が時代遅れだ。

Apollo : Is that a fact?
アポロ : それが現実だってか?

Koloff : Yes!
            And it could be a painful one!
コロフ : そうだ!
     そしてタダじゃ済まんぞ!

Apollo : Put that heavy bag with eyeballs in the ring with me and you'll see pain!
アポロ : 目ん玉にサンドバック押し込んでリングに上がってみやがれ、お前だってタダじゃ済まんぞ!

Ludmilla : Why do you insult us?
ルミドラ : なぜそこまで侮辱するんですか?

Apollo : Now you just hold on here!
            Don't make me out as the bad guy!
            I came to talk about a friendly exhibition bout, to Comrade big mouth started up, right!
アポロ : あんたが(勝ちに)こだわるからだろうが!
      俺を敵視するなってんだ!
      俺は丁寧にエキシビジョン・マッチの話をしてた、そこの同志が大口を叩くまではな、そうだろ!

Koloff : It is you who are the aggressor!
コロフ : 先にふっかけてきたのは貴様だろうが!

Apollo : I don't ...
アポロ : 俺は・・・

Koloff : I wish to say to the press!
            In all fairness, Drago should not even fight this man, because he is a has-been!
コロフ : 記者の皆さんに申し上げたい!
     スポーツマンシップにおいて、彼がこんな態度のままなら、ドラゴが試合すべき相手ではない!

Apollo : You get that big chump in the ring right now!
アポロ : リングみてえに今ここでボコボコにしてやろうか!

Apollo : Bring it on!
             I don't want to hear her!
             Just let that chump go!
アポロ : やってみろってんだ!
      女房の話なんざ聞きたくねえ!
      そこの馬鹿野郎を出せ!

Apollo : All right, all right ... all right!
            I said what I feel!
            We'll finish this in the ring.
            You understand?
アポロ : 大丈夫大丈夫・・・大丈夫だ!
      宣言してやろうじゃねえか!
      この決着はリングでつけてやる!
      覚悟できてんだろうな?

Koloff : What ever you like.
コロフ : お望みどおりにしてやるさ。

Apollo : You and all your puppets just shut up!
            You are history chump, You history!
アポロ : お前と操り人形は黙ってやがれ!
      お前は馬鹿の金字塔だ、金字塔!

Apollo : How did I do?
アポロ : どうだった?

Rocky : A little loud for my taste.
ロッキー : 俺的にはちょっと騒ぎすぎかな。

Apollo : But good?
アポロ : ダメか?

Rocky : Oh, yeah, Very good.
ロッキー : ああ、いや、すげえ良かったよ。

C'mon N' Ride It (The Train) - "Get On Up and Dance" Quad City DJ's
Quadrasound / Big Beat Records

第二回大統領候補者討論会は、うーん、まったくの他人事ながら頭を抱える状態だ。

放送後の支持率はメディアによってバラバラ、誤差の範疇を超えていて、正確な割合がまったく解らん。
一応、ヒラリーさん優勢らしいが、それはそれで民主党支持者が安堵して投票しなくなる危険性まで囁かれてる。
共和党のトランプさんは論外、だけど民主党だとしてもヒラリーさんに投票するのはどうなんだ、という層が増えた。

ということはだ、現時点の討論会で勝ったと思われるヒラリーさんの得票率は下がるという予測。
負けたと思われるトランプさんの支持者は投票率が高い傾向があるので、得票率はあまり変動しないという予測。
絵空事より酷い中傷合戦の末、ここまでドングリの背比べな大統領選挙って過去にあったんだろうか。

さあ、どっちを選ぶ、アメリカ人よ。

September 28, 2016

選考

今回の大統領選挙、最初の立候補者は民主党が6名で共和党が15名だった。

民主党はヒラリーさんの一人勝ちになると考え、党内分裂を避けるために他は出控えた。
共和党は彼女に勝てる相手が見つからず、数撃ちゃ当たるとばかりに出れる奴はとにかく出ろとなった。

蓋を開けてみた現在の状況は、ご存知の通りだ。

ヒラリーさんは苦戦に次ぐ苦戦、選挙資金もぎりぎりでなんとか民主党の指名候補者になった。
トランプさんは最泡沫候補だと予想されていたのに、ほぼ独走状態で共和党の指名候補者になった。

先日26日、第一回大統領候補者討論会がNBCでテレビ(ネット)中継された。

全三回の実施で、第二回は10月9日、第三回は10月19日、各回は約90分。
初戦はお互いが無難な様子見といった程度、司会者のホルトさんも極力まとめ役に徹して破綻がなかった。

さて、第二回で初めて実施される「会場参加者からの自由な質問」でアドリブ勝ちするのは、どちらだろうか。

How to Watch the Presidential Debate Without Turning on the TV
NBC NEWS
しかし・・・未来の大統領なのに好感度が双方共に既に50%以下ってのは、選挙制度に問題があるんじゃないか。

"I don't want to see the American people voting for the lesser of two evils."
  Bernie Sanders (Interview on ABC's "This Week" with George Stephanopoulos, May 22, 2016)

「私は、アメリカ国民が二つの最悪のどちらかに投票するなんてことは、見たくありません。」
  バーニー・サンダース(ABC「ザ・ウィーク」のジョージ・ステファノプロスによるインタビュー、2016年5月22日)

サンダースさんは副大統領を蹴っちゃったしな、うーん、どうしよう。

August 28, 2016

改変

レジで立ち止まって二度見してしまった。

またか、LARKのデザインがまた変わったのか。
従来の横系レイアウトから(恐らくLARKでは初めてだと思うが)縦系レイアウトのデザインになった。
値段が上がったわけでもなく、味が変わったわけでもないから、まあいいけど。

しかしどうにも、目に馴染むまでには時間がかかりそうだ。

No Good (Start the Dance) - "Music for the Jilted Generation" The Prodigy
XL Recordings

時間がかかるってことは、つまり、デザイナーさんゴメン、あんま好きじゃないっス。

August 24, 2016

澳門

深夜、雨上がりの路面はまだ街灯が滲んでいる。

遥か後方に、ヘッドライトの小さな光点がひとつ。
マカオからの赤いコンテナを載せたトレーラーがゆっくりと追い越していく。
羽田空港は閉鎖したまま、他にテールランプは見当たらない。

窓を開けると、押し倒されそうな湿度。

We Are Child Of Love - "We Are Child Of Love / Needw021" Mario Basanov
Needwant Recordings

真っ黒な海と灰色の空、遠雷に濃密な雲が浮かぶ。

August 18, 2016

南米

You got to get close, Rich, to get the truth.
You get too close, you die ... Someday, I want a shot like Capa.
Someday, Someday ...
       "Salvador" Oliver Stone

近づかなきゃだめなんだよ、リッチ(リチャード)、真実を撮るにはな。
近づきすぎれば、死ぬが・・・いつか、俺はキャパのように撮りたいんだ。
いつか、いつか・・・。
       「サルバドル ~遥かなる日々~」 オリバー・ストーン

"Salvador" Oliver Stone
Hemdale Film Corporation

これは懐かしい。

いまや迷監督になりつつあるけど、オリバー・ストーンの初期佳作のひとつ。
ジョン・サヴェージが演じた脇役のカメラマン、ジョン・キャサディが独り言のように呟くシーン。
やっぱり印象に残ってた人がいるんだなあと思って、なんか嬉しかった。

オリンピック開催中の会場にまで流れ弾が飛んできてる、っていうニュースを読んでいろいろと思い出してね。

ベニチオ・デル・トロはアカデミー賞を受賞したプエルトリコ出身の役者さん。
知ったのは2000年、スティーブン・ソダーバーグ監督の映画「トラフィック」(原題:Traffic)で渋い人だと思ったから。
最近は昨年か、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画「ボーダーライン」(原題:Sicario、シカリオ)にも出演してた。

どちらも南米の麻薬戦争が舞台になっていて、どちらも凄まじく渇ききった物語。

なんだけれども、個人的には映画「トラフィック」の麻薬捜査官ロドリゲス役を推します。
特に最後、のんびりと草野球を眺めている彼のなんともいえない雰囲気、あれは映像でしか表現できない。
そう、「渇ききった物語」なんて書くのは安易であって、実際にそこで暮らしてる人々がいる、っていうリアリティ。

ややもすると粗末な命ばかりのように悲観するけれど、それこそ犯罪者やテロリストの思う壷なんだろうな。

"Sicario" Denis Villeneuve
Lionsgate Films

何度聞いても「コンパス!コンパス!」としか聞こえず、調べてもよく解らんかったので諦めてた。

が、先日、オリンピックを観ていてあっさり謎が解けた。
スペイン語のコンパドレス(Compadres)は英語のフレンズ(Friends)で、つまり友達の意味。
これを親しみを込めて砕けた言い方にするとコンパス(Compas)になるんだそうです。

「トモダチ!トモダチ!」、だから撃たないで、と。

英語字幕が In peace なのはご愛嬌、と。

August 17, 2016

偏向

民放FM局なんだけれども、ある時間帯の某番組が、もンのすっごく偏る。

自分は一旦ラジオを聴き始めると面倒臭くて、放送局を変えるってことをまずしない。
放送局を変えて他局を探すのは、番組の内容がよっぽど面白くないか、放送終了の時くらい。
そのくらい、ラジオは「流しっぱなし」派であり、「流してるだけで聞いてない」派のつもりだ。

しかし、その某番組になると、あまりの偏りっぷりに思わず耳の形が「?」になってしまう。

The Spoils - "The Spoils" Massive Attack
Virgin EMI Records

民放なので、その系統のスポンサーが参入してきたのかとも思ったが、よく解らん。

ただ、あれだけ偏ると、はっきり言って不快ですらある。
でなければ、偏ることが如何に悲劇的な結果となってしまうか、知らなさすぎる。
前後、左右、躁鬱、なんでもいいが表裏一体で、行き過ぎれば「同じ」になるんだぞ。

ということで、その某番組が流れてくると他局を探すようになった、まったくもう面倒臭い。

Lost on You - "Death Valley" LP
Vagrant Records

敵がいないと自己を確立できない人間っていうのは、一種の不安障害だ。

残念ながら、そういう奴は程度の差はあれ少なからず実際にいる。
これが学校や会社だったら、そりゃ困ったねぇで済むかもしれない。
しかし、国や政のレベルになったらそれは冗談では済まされない。

「仲間を作る」ってことが「仲間外れを作る」ってことと同じになっちゃいかん。

Genghis Khan - "iii" Miike Snow
Downtown Records / Atlantic Records

そういえば、女性版007のキャスティング選考が本格化してるらしいですね。